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『テラフォーマーズ』人類最強の男・ジョセフを徹底解剖

人気漫画『テラフォーマーズ』に登場する作内の最強キャラ・ジョセフ・G・ニュートン。主役以上に注目を集める彼の、強さ、能力、家系、裏切り?などなど、2016年4月最新話までの情報をまとめていきます。※単行本16巻以降のネタバレも含みますので未読の方は注意!

ジョセフ・G・ニュートンとは

今、アニメ・実写映画化と話題沸騰の人気漫画『テラフォーマーズ』。約600年後の地球と火星を舞台に、進化したゴキブリと特殊手術により強化された人類との生き残りを懸けた熱いバトル、それに人間模様や国家陰謀までが交わる壮大なSF作品です。

第2部では、地球で蔓延するA・Eウィルスのワクチンを作るため大型宇宙艦・アネックス1号が火星に送り込まれ、テラフォーマーとの死闘や各国の争いが繰り広げられます。そのアネックス1号乗組員100名を対象にした“マーズ・ランキング”にて1位を誇り、テラフォーマーを駆除する人類戦力の筆頭が、ヨーロッパ・アフリカ第六班班長・ジョセフ・G・ニュートンなのです。

裏の顔が徐々に発覚

アネックス1号編もクライマックスを迎え、ジョセフの過去や悪行などが明らかになってきました。遅れて来た救世主のような活躍に心ときめかせていたファンにとってはショックですが、その圧倒的な強さやダーティな部分も含めて、魅力的なキャラクターです。

未だ謎も多いミステリアスなキャラクター・ジョセフを、現在明らかになっている情報を元に、徹底的にまとめていきます。

略歴

プロフィール

国籍:ローマ連邦
年齢:24歳
身長:187㎝
体重:99㎏
手術ベース:??
専用武器:対テラフォーマーコーティング式西洋刀「ジョージ・スマイルズ」
マーズ・ランキング:1位

容姿

金髪碧眼で、完全な左右対称の黄金比を備えた顔。上半身はほぼ裸なので、均整の取れた肉体も存分に堪能することができます。そんな西洋彫刻を思わせる完璧っぷりですが、にっこり笑うと他者を安心させる絶妙に間抜けな表情で安心を与えます。あえて隙をつくることによる隙の無さですね。他の登場人物の誰よりも主人公っぽいビジュアルをしています。

性格

軽薄さ漂う能天気な印象。KYタイプですね。ミッシェル・K・デイヴスに好意を抱いており、周りに人が居ようがおかまいなく猛アタックで迫りますが、全く相手にされません。ですが、己への絶対的自信故か凹むことを知りません。恵まれた容姿・能力が仇となっている残念タイプのイケメンですが、ある意味こういう男のメンタルは無敵です。

戦闘時は打って変わり、優れた洞察力と的確な状況判断で戦況を優位に導きます。人間的な甘さも排しており、戦闘に最適な資質も持ち合わせています。

経歴

17歳の時に高校生ながら陸上十種競技でオリンピック金メダルを獲得。しかし、卒業後はスパッと競技を辞め、EU一位の大学へ進学。それと同時に空軍の幹部候補学校へ通い異例の成績で卒業します。

さらに、生物学と航空宇宙工学の修士号をお持ちでいらっしゃいます。頭脳、肉体共に紛れもなく天才ですね。まさしく人類最高レベルのポテンシャル。

ニュートン一族

品種改良で造られた人間

一体、神はジョセフに何物を与えたのだと、凡人からみれば失望しか覚えないポテンシャルの数々ですが、実は秘密があります。ジョセフが次期当主を務めるニュートン一族は、代々、人種・国籍・苗字にこだわりなく容姿・頭脳・身体能力の優れた人間を配偶者にし続けていくことで、品種改良を行ってきたのです。

まさに人間界のサラブレット!神ではなく人間によって造られたのですね。アメリカの財閥に端を発したこの一族は、2040年代から計画を起こし、与えられた頭脳により財を成しながら、父系のみならず女子も数親等に渡り組み入れることで、人間の持つ“全ての個性を兼ね備え”かつ“向上させる”ことに成功したのです。

高祖父はアレクサンドル・グスタフ・ニュートン

高祖父(おじいちゃんのおじいちゃん)は、バグズ2号計画の最高責任者であったアレクサンドル・グスタフ・ニュートンです。言い換えると、アレクサンドルの玄孫がジョセフですね。詳しい家系図は明らかになっていませんが、アレクサンドルの孫がバグズ1号乗組員ジョージ・スマイルズと、一連の計画にニュートン一族が根深く関わっていることがうかがえます。

ちなみに、バグズ2号計画時にアレクサンドルが何歳だったのかは不明ですが、推測するに、かなりのハイペースで代を重ねていると考えられます。これも品種改良を効率よく進めるためのニュートン家ならではの伝統なのでしょうか。

マーズ・ランキング1位の実力

生身の強さ

稀なベース能力を駆使することによって強さをみせる登場人物が多い中、ジョセフは素材型のストロングスタイルです。何せ、その戦闘のほとんどでM.O能力を使っていません。生身の状態でテラフォーマーたちを圧倒しています。

死のリスクの方が高いM.O手術を受け、尚且つ最大限にその能力を発揮してさえも一体のテラフォーマーに瞬殺される者も多い乗組員たちの中で、元の強さが異次元の領域です。そんなジョセフの強さを象徴する、その人外的な力を目の当たりにして驚く敵の中国班・爆をみて思慮したセリフがこちら。

ああ...ああ いつも見る その顔だ。

何を考えているか解るぜ。

「人間じゃない…!」―だろ?

冗談を言うな 私こそが『人間』

人の持てる才能を碌に持たず 訓練により 人間に修得可能な技能も修得可能な欠点もあるというのに 努力もせず

挙句 そんな奴らが他の生物の特性に頼るなど――

おれに言わせればお前らのほうが人間じゃない。

出典:『テラフォーマーズ』第12巻 110話

全くもって耳の痛いお言葉。爆さんにいたっては人間失格の烙印まで押されてしまいましたが、まさにおっしゃる通りです。生まれ持ったポテンシャルがすでに違うだろっ!と僅かな反論に声を荒げたくもなりますが、その素質の上に絶え間ない努力を重ねてきたからこそ、誰よりも「人間」としてのプライドを高く持ち合わせているのでしょう。

専用武器は式西洋刀「ジョージ・スマイルズ」

マーズ・ランキング15位以内の者は、「自分の持つ能力を最大限活用して戦闘を有利にすること」「奪われた際に人類に対して脅威とならない物であること」を条件に専用の武器を保持しています。

ジョセフが使用しているのは、対テラフォーマーコーティング式西洋刀「ジョージ・スマイルズ」。バグズ一号の乗組員ジョージ・スマイルズの名前が付いており、その時に持ち込んだのと同じものです。先述の通りジョージもニュートンの家系ですので、ニュートン家と縁のある武器なのかもしれません。

刀身側面に摩擦を軽減するコーティングが施されており、理論上あらゆる物体を切断する事ができます。まるで『ルパン三世』石川五ェ門の斬鉄剣を彷彿とさせる切れ味。

その分、操作も非常に難しいのですが、そこはジョセフ。軍隊に入ってから始め、たった2年で完全マスターした剣術で華麗に扱います。

関連記事:テラフォーマーズ最強ランキングベスト8 最強なのは誰だ!?

人類の到達点~人間を超えた神技の数々~

睡眠は数瞬で完了

品種改良を続けていたニュートン家が2200年頃から備わり始めた体質で、数秒だけ寝たり体の一部だけ寝るということができるようになりました。

これは、イルカや渡り鳥などの半球睡眠(脳を片方ずつ休ませる睡眠法)や、常人でも起こり得るマイクロスリープ(睡眠不足時などに起こる瞬間的に意識を失う現象)が進化し、自在にコントロールできるようになったものだと思われます。

もはやホモ・サピエンスの中でも異端の進化を遂げ始めているようです。寝ても寝ても眠気の取れないロングスリーパーからすれば羨ましい能力ですね。

ゲート・コントロール理論を駆使し、痛みもスッキリ

何やら聞き慣れない理論ですが大雑把に説明すると、神経系を介して認識される痛みを他の刺激を被せることにより和らげるというもの。その一つとして、痛みを受けた瞬間に大声で泣き叫ぶのも有効とされています。よく小さい子供が転んで泣き叫ぶのも、理にかなっているということですね。

ジョセフもこれを活用し、足を銃で打たれたと同時に大声で泣き叫びます。意外な反応に敵も戸惑いますが、これによりすぐさまリフレッシュ。反撃を開始します。ダメージが子供の擦り傷とは段違いですので常人が試みての効果は不明ですが、人間の可能性を追求・鍛錬してきたジョセフでこそ成せる技です。

マイケル・ジョーダンもびっくりのリアレバーダッシュ

またもや聞き慣れない『リアリバー』という単語ですが、日本語訳すると『踵(かかと)』とのこと。我々が通常走り出すときに使うつま先や太ももの大腿四頭筋という筋肉は本来ブレーキをかける筋肉であり、実は素早く走り出すには向かないのです。

そこでジョセフは足の踵から踏み出し、裏側の筋肉を使うことにより瞬発力を高めているんですね。とはいえ簡単にできることではなく、マイケル・ジョーダン並の運動センスにより可能になる動きだそうです。逆にジョセフと同列に語られるマイケル・ジョーダンの凄さも際立ちますが、僅かな身のこなし一つにも極限を求める姿勢はさすがです。

秘儀「散眼」!!

散眼、つまりカメレオンのように左右の眼を別々に動かす技のことです。ジョセフがこれを繰り出した瞬間、おそらく読者の誰もがとうとうベース能力を発動したかと惑わされたことでしょう。

しかし、これも実は人間として修得された技。ジョセフからすれば、この程度は人間の努力の範疇なのです。これにより、ジョセフに死角など存在しません。もしびっくりさせようと背後からこっそり近づこうものなら、振り向きざま真っ二つの自殺行為ですので御法度です。

中国3000年の秘術も華麗に受け流す

“発頸”という技をご存知でしょうか。いわゆる中国武術における力の発し方のことなのですが、『テラフォーマーズ』の中でも中国班のメンバーがこれを使いこなします。これを使うとどうなるのかというと、一見普通のパンチと同じように見える攻撃でも衝撃の伝わり方が変わり、内部から破壊します。

おそらくですが、修得するまでには長い年月と地道な鍛錬が必要と思われます。しかしなんと、ジョセフは中国班班長・劉から受けた発頸パンチを自らの身体を介して傍らにいた爆に受け流すのです。これには中国人2人もびっくり。ジョセフの前では、凡人の鍛錬などお遊び程度でしかないのかもしれません。

裏の顔が発覚

火星に来た真の目的

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これまで早々に裏切りが発覚した中国班に対する強力な助っ人と思われてきたジョセフですが、アネックス編のクライマックスにかけて壮大な裏切りが次々と露呈します。

あなた達を始末する そういう計画だった……

出典:『テラフォーマーズ』 第16巻 157話

衝撃発言です。まさか全員殺す気だったとは。ここから急加速でダーティ・ジョセフへと変貌していきます。その他、ジョセフが火星へ来た目的としては

・“A・Eウィルス”ワクチンを作らせないこと
・膝丸燈の生け捕り
・プラナリアの能力を奪い、不死の身体を手に入れること
・ミッシェルと結婚すること

どうやら、ミッシェルへの想いだけは演技ではなかったようです。そもそも、A・Eウィルスワクチンのサンプル回収がアネックス1号の公式な目的でしたので、それすらも阻もうとする身勝手な目的でした。

尚、かつてジョセフはローマ大統領を通じてU-NASAへ多額の出資を表明し、代わりに自らが幹部乗組員として火星へ飛ぶことを認めさせたようで、実質的にニュートン家の陰謀が絡んでいるようです。

単独での策動

独自の目的を遂行するために、ヨーロッパ・アフリカ第六班の他メンバーさえも裏切ったジョセフの単独行動をまとめました。


アネックス1号到着直前にテラフォーマーを艦内に手引き。各グループをバラバラに不時着させる。

火星に到着後、ヨーロッパ・アフリカ第六班の他メンバーを殺害。焼死体にする。

エヴァを見付けだし、殺害。MO手術をしてプラナリアとデンキウナギの能力を奪う。

切り刻んだエヴァの肉片から複数のエヴァを作り出し、穴の中に隠す。

ミッシェル達と合流。中国班の反乱を阻止しながら、味方を演じる。

劉と共に九頭竜に爆撃を受けるも、プラナリアの能力で生還。小町らと合流。

凱将軍の胞子に操られるフリをし、小町と戦闘開始。

悪事を暴露。過去も露になり、懺悔の念?小町に殺して欲しいと頼む。

激闘の果て、両者死亡。

バラバラの状態で一族の艦により回収。体を繋ぎ合わせて蘇生し、地球に帰還中、今までの計画も明らかになる。


こんな感じです。なかなかの躍動っぷりですね。中でも驚くのは、テラフォーマーを手引きしていたということ。現在、地球で暗躍中のテラフォーマーたちにもローマ連邦、ひいてはニュートン家が手引き・支援していると思われます。

少し引く闇の過去も明らかに

凱将軍の胞子に刺激され、ジョセフの隠された過去が明らかになります。

出生の秘密

少年時代のジョセフ。兄弟で自分だけ母親が違うことを当主である父に訴えます。頭脳・肉体に関してすでに極限に達していたニュートン家において、次いで“完璧な顔の造形”を目指すため、選りすぐった娼婦と契約しジョセフを産ませ嫡男とした...と、あっさり告げる父。

2人の親友

愛に疑問を覚え始めるジョセフですが、日常では恋人同士であるジャックとミッシェルという2人の親友との他愛無い触れ合いに安らぎを感じています。そんなある日、ジャックがミッシェルに暴行した教師を半殺しにするという事件が起こります。ジャックは少年刑務所行きに。落ち込み、ジャックに不信を抱くミッシェルを慰めるジョセフ。

衝撃の暴露

しかし突然、ジョセフは全て自分が仕組んだことだと告白します。2人以外の教師、クラスメート、ジャックの両親すべてを買収し、この状況を作り上げたとのこと。すでにジョセフの子を妊娠していた(ちなみにジョセフの受精率は100パーセント)。

ミッシェルに対し、なぜ彼を信じてあげなかったんだ!と逆ギレし、すでに出所したジャックの元へと追い放ちます...。こじらせ具合いが尋常ではないジョセフですが、その特殊な出生、生い立ち故に“本当の愛”を模索していたのでしょう。

ベース能力はエヴァの“プラナリア”を略奪

長い間、様々な憶測が流れてきたジョセフのベース能力。一位故にどんな強力な能力かと注目が集まりましたが、ようやく明らかになりました。

計画された略奪

ジョセフは火星到着後、エヴァを見つけ出し殺害、その遺体から自らM.O手術を行い、当初の目的でもあったプラナリアの能力を獲得します。さらにそのエヴァが再生の際にアドルフの能力を吸収していたことで、デンキウナギの能力まで身に付けることになります。

自ら手術もしちゃうというのがジョセフらしいですね。しかし、成功率36%のM.O手術を現場で、しかも人類の到達点であるジョセフに行うのはリスキー過ぎるのではないか?という疑問も浮かびますが、その他も含めた周到な計画ぶりをみると、確実に成功させる何か秘密があったのかもしれません。

プラナリアとは?

扁形動物門ウズムシ綱ウズムシ目ウズムシ亜目に属する動物です。最大の特徴は、何といっても驚異の再生能力。バラバラに切り刻もうとも、その一体一体から再生します。世界のギネス記録では300分割からの再生も記録されています。

さらに記憶も引き継ぐことから、脳以外に記憶のある可能性が示唆されている不思議生物です。ただし水質の変化には敏感で、当然ながら絶対に死なない生物というわけではありません。

とはいえ、火星任務において“最も弱いが最も火星で死なない特性”と評されたこのプラナリアの能力を手にしたことで、ニュートン家の野望である“不死”に限りなく近づいたといえるでしょう。

火星到着時はツノゼミによるM.O手術のみ?

これははっきりと描かれているわけではありませんが、到着時からすでに火星環境に適応しているため、ベースのM.O能力と共に多くの艦員にも組み込まれているツノゼミの手術は施されていたと推測されます。もしくは、他の能力も保有していたのか?

今のところ、ミッシェルや燈のような先天的な所持でない限り、複数の能力を持つ者は表れていませんが、何でもあり状態に近いジョセフであれば、今後、そのようなことが明らかになる可能性もゼロとは言い切れません。

まとめ

ジョセフをこうして改めて見返してみますと、とてもヤバいヤローですね(笑)。これでもか!というくらい中二男子の妄想を詰め込んだようなキャラクターですが、そんな分かりやすさが人気の秘密なのかもしれません。

テラフォーマーズ第3部では舞台が地球に移り、そこのテラフォーマーたちはジョセフ率いるニュートン家が関わっている可能性が高いです。ですが、ここまでの流れをみると完全な黒幕?と決めつけるのも早い気がします。状況が激動することでしょう。今後の登場に期待です!