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【テラフォーマーズ】感想ネタバレ第8巻まとめ

週刊ヤングジャンプで連載中の『テラフォーマーズ』感想ネタバレ第8巻まとめ

テラフォーマーズ 8 (ヤングジャンプコミックス)

テラフォーマーズ 8 (ヤングジャンプコミックス)

 

第3班対第4班の戦いが続く中、しばし沈黙していたテラフォーマーたちが驚きの変化を見せ、戦争は三つ巴の様相に! そして第4班は、ついに禁断の最終兵器を投入することに…! 果たすべき使命に生きる戦士たちの覚悟が、火星の大地をさらに熱くする!! 

目次

第64話 MARS, DAY AT 19 APR. 4月19日 火星 昼
第65話 FABLE COMBAT 勃発!
第66話 ROCK! 暴力
第67話 DEATH  LAND 暗き空
第68話 REGION 領地
第69話 SHIFT TO ANNEX 変化
第70話 DEADLY ACTIVE 見えない死
第71話 BIO HAZARD 研究対象
第72話 MAN ON A MISSION 兵士と父親
第73話 I LOVE YOU 我のある生物たち
第74話 WEARY  WIDOW MARCHES 戦士の魂

本編あらすじ

第64話 MARS, DAY AT 19 APR. 4月19日 火星 昼

蛭間一郎がU-NASA会議場で爆弾発言をかます7日前、4月12日、舞台は日本の埼玉の路地裏。本多博士がマスターとして営むバー「海豹」の前で、数名の外国人を倒している二人組。本多を保護し協力をとりつけるべく赴いた蛭間七星のガード、染谷と日向だ。どうやらロシア勢力と思しき外国人たちは全員ボコボコにされているが、染谷と日向は無傷で冗談を交わす余裕がある。二人共相当な実力を持っているらしい。

本多を連れてバーの入り口から姿を現した蛭間七星は、路地に広がる光景を見ても別段驚いた様子もない。ロシア人を生かして帰すよう指示をし、本多を確保したことを兄・一郎へ伝えた。

4月19日火星、ロシア班。ピラミッド調査を終え地球と通信中のアシモフ。アネックス計画とは別の密命を帯びたロシア班は、アネックスの火星到着時にプランデルタ発動により脱出機で火星ピラミッド近くに着陸し、そこで能力持ちのゴキブリに襲われエレナらを失いつつもピラミッド内へ分け入った。

彼らがそこで見たのはテラフォーマーへ情報を与えている裏切り者がいる証拠、大きな旗に描かれた図解だった。そして4班の着陸位置がデタラメに描かれていたことから犯人の目星がつく。

結局ピラミッドへは追手が来ず、さして重要な施設ではないとアシモフは当てが外れた様子を見せていたが、今回の通信で彼は「見つけた」と笑顔での報告をしている。この成果により、ロシアは他国よりも一歩優位に立ったことになるらしい。何を見つけたのかは明らかでないが、アシモフは次のように話す。「盗人が誘拐紛いの裏技使って俺らに並ぶその前にアネックス本艦へ向かいます」

そして5時間後、アネックス本艦の前で中国班が生存しており、小町と争っているのを確認したというわけだ。劉と対峙するアシモフ。目的は中国班の支配下にあるアネックス本艦の奪還である。「…どうしてもやるんなら喧嘩は僕がお相手しよう」変態し本性を現す劉翊武。

第65話 FABLE COMBAT 勃発!

ロシア班・アシモフVS中国班・劉翊武。小町は治療中、ジョセフの所在がわからない今、この両雄激突の行方がアネックス計画の結末を左右することは間違いない!一瞬にして防毒マスクをはがされているアシモフ。劉の狙いは甲殻類に効く神経毒ハパロトキシンを空気中に散布し、アシモフの動きを止めること。わずかな時間で決着がつく。そう判断した両者は打ち合いながら算段を巡らせていた。

劉はアシモフの固い外殻に対し、物理的な衝撃は効果が薄いがサブミッションなら効果があると判断。あるいは毒が回るまで耐えて時間切れに持ち込む寸法。(関節技を極めたところでアシモフは手足を切り離して再生できるので、それで裏を取られると思われる)

一方のアシモフは軟体のタコに打撃と関節技は効かないと考え、絞め技か投げ技で脊髄へダメージを与える方策を選んだ。柔術による投げに持ち込みたいアシモフが劉の攻撃をかいくぐり、徐々に懐へとにじりよる。危機を察知した劉は口から墨を吐いて目潰しという、もっともタコらしい戦法に出たが・・・アシモフは同じく口から泡を吹いて目元をガード。墨による攻撃を意に介さず、虚を突かれた劉の襟元へ到達する。

柔道七段の実力を持つアシモフは必殺の間合いに劉将軍を捕らえ、ひとつ息を吸うと一気に背負投げで相手を仕留めにかかる。が、投げられない。人間ならば確実に重心が崩れているはずの体勢であったが、相手の重心は急激に下へ移動し、地面に貼り付いたように動かない。

その落ちた重心から全体重を乗せて放たれた発剄がアシモフの胸のプロテクターを砕く。吹っ飛ぶアシモフ。背後のアネックス号の窓へ激突し舌打ち。幸いそこまで深刻なダメージはないようだ。

「僕らが全員兵器頼りの只のエンジニアだと思っていたかね」硬柔を使い分けアシモフを手玉に取った戦術巧者、劉。「裏切り」に同調するはずだったロシア班の助勢が得られぬ今となっても、彼らには単独で目標を達成できるだけの自信がある。徐々に毒が回り始めたアシモフ。残された時間は少ない。次の一手は・・・?

第66話 ROCK! 暴力

劉とアシモフが大将同士で一進一退の攻防を繰り広げる傍ら。助勢せんとする互いの部下たちもまた苛烈な戦いに身を投じていた。中国軍の劉を除く主力はジェット、西、爆、バーキ。ジェット以外は変態していないが、その状況でもロシアの精鋭を息のあった連携攻撃で難なくいなす。一撃で二人の頭部を叩き三半規管を破壊するという驚くべき手練、ジェット。自らはノーダメージで相手を殺さずに戦闘不能に陥れるところから、圧倒的な実力差が存在することが窺える。

この時点で中国班とロシア班の勢力図は10名vs5名。元々の班員が中国18名、ロシア12名なので戦力差はむしろ縮まっているのだが、アシモフのダメージが濃く徐々にロシアが追い詰められている。

劉が放った発剄はアシモフの外殻ではなく内蔵に衝撃を与え、彼の自由を奪っていた。ダウンを取った余裕からか、劉は部下に指示を出しており、アシモフを追い詰めることをしなかった。そこに彼の油断がある。

アシモフの戦闘スタイルは柔術だが、彼の136㎏の巨体から繰り出されるパンチはそれ自体が大砲。高度な武術とは呼べぬただの暴力であっても、当たれば首から上が吹き飛ぶ威力がある。

隙をつかれ間合いに入られた劉。頬をかすめるアシモフの豪腕。そして再び襟首を掴まれ投げの体勢へ・・・と思いきや、二本の触腕でがっちりとアシモフの両腕を捕らえたヒョウモンダコ。「もう離さないゆっくりと毒で死ね」ニヤリ!勝った!

次の瞬間、蟹の特殊能力・自切が発動!アシモフは掴まれた両腕を根本から切り離し、自由になった足で劉をカニバサミにして押し倒す。このまま足で胴体を締め付けて切断まで持ち込む腹だ。

劉は押し倒されても相手が至近距離にいることを利用し、毒を空中散布してとどめを刺そうとするが・・・締められて息ができない!万力のように締め続けるアシモフ。身動きのできない劉。決まったか?

加勢しようとするジェットを牽制する、平衡感覚にダメージを負ったロシア班員たち。他の中国勢はさきほどアシモフがダウン中に劉の指示でアネックス艦内へ入っており、異常を察知するにはまだ時間がかかる。

そこへ何者かが空へ向けて威嚇発砲。ゆっくりと近づいてくる移動式ミサイル車両。乗っているのはロシア班・アレキサンダー!中国班へミサイルを突きつけ武装解除宣告。「撃っちゃうよ拾ったミサイル!!」

第67話 DEATH LAND 暗き空

日米合同一二班・・・脱出機で中国班から逃走。イワンに連絡中?小町と加奈子は負傷

ロシア第三班・・・ピラミッドから帰還し、本来は同盟していたはずの中国班を裏切って敵対中

中国第四班・・・アネックスを占拠しモザイクオーガンの生体サンプル(ミッシェルと燈)の引き渡しを要求

ドイツ第五班・・・進化型テラフォーマーとの戦闘によりアドルフ死亡後、巨大な閃光と共に消息不明

ローマ第六班・・・イワンは目的不明の単独行動、班員は洞窟にて待機

U-NASA・・・本多博士の所在が明るみに出たことでパワーバランスが変化。政治的圧力が火星の部隊にも影響

一進一退の戦況に決定的な一打を与えたのはロシア班・アレキサンダーだった。中国が持ち込んだミサイル車両を奪取し、操縦士を拷問してミサイル発射コードを聞き出し、その砲塔を中国班に向ける。負けを認め空気中への毒物散布を止める劉翊武。その証明として防毒マスクを取るジェット。

落ち着いて話ができるようになったのを見て、アレキサンダーは交渉を続ける。中国班の裏切り作戦を可能にしているのは周囲に電波障害を起こせるアンテナ装置であり、それなしでは地球へ全ての悪事が筒抜けになってしまう。事が露見すれば中国政府は実働部隊をトカゲの尻尾にして切り捨てるだろうから、劉以下中国班は自分の身も家族の無事も危うい状況になる。

無言の中国班。
アレキサンダーが落とし所として提案したのは2点。
(1)中国班がロシア班の下に従うこと
(2)ミッシェルと燈の強奪を取りやめること

ロシア班の思惑はアネックスの研究設備の独占。ピラミッドで見つけた「何か」を、設備を使って調べたいようだが・・・?「デケー銃声がしたんで戻ってみたらよォ・・・」声はアレキサンダーの背後から聞こえる。劉ではない。アネックス内部へ戻ったはずの西(シー)が車両後部にいた。彼女は一糸纏わぬ姿で背景が透けており、透明化・あるいは擬態の能力持ちであることが窺える。それを利用して気付かれずにアレキサンダーの背中を取った。

「コード聞き出せてねぇーじゃんお前」ブラフを看破されたアレキサンダー。手札がバレた以上交渉は成り立たない。刹那、ジェットが足で大地を蹴って衝撃波を起こし、ミサイル車両を逆立ちするまでに持ち上げる。

第二ラウンドとばかり睨み合うアシモフと劉。アシモフは毒が回り憔悴の色が濃い。ジェットの戦闘力はまだ底が知れず、状況は中国有利に見えるが・・・間髪をいれずアレキサンダーを殺そうと仕掛けた西。その瞬間、高速で飛来した何かが西とアレキサンダーの腕を切り飛ばした。

目では追えない。姿も見えない。ハリオアマツバメの加奈子か?しかし彼女は負傷し治療中であり、加えて友軍ごと人を傷つけるような人物ではない。そして今の攻撃には怒りも闘志も感じられず、ただ自然な敵意だった・・・そう西は考えていた。

火星は昼の時刻だが、空は一面暗雲に覆われ夜と間違うほどだ。雨か?・・・否、そうではない。空を覆い尽くさんばかりに群がる黒い生き物の影。それを率いるのは・・・またも異形、能力持ちと思しきテラフォーマーであった。

第68話 REGION 領地

ドイツ班のアドルフが命を賭して倒したテラフォーマーのリーダー。明確なビジョンと高い統率力を持ちあわせた有能な個体だったが、すでに死亡をジョセフが確認している。そして指導者を失ったテラフォーマーの群れは人間たちに積極的な攻撃を仕掛けてこないまま散開した。脱出機はアネックス本艦へ集まり、そこで中国班の裏切りにあう。その後しばらく人間同士の内輪揉めで話は進んでいたのだが、そこへ暗雲と間違うばかりの大量のテラフォーマーが襲来する・・・。

強力な指導者が死に、しばらくは体勢の立て直しに時間を要すると踏んで中国班は行動を起こした。今ならテラフォーマーの組織だった攻撃はない。あったとしても散発的な遭遇戦になると予想。しかし想定外の早さで現れたゴキブリ軍と、想定外の速さを持つ新手の個体。群れは空中で待機したまま降りて来ないが、地上にいるただ一体で人類の全員を相手取る。

個体の能力はトンボ。日本原産オニヤンマの持つ高度な飛行性能と複眼による動体視力を持っている。トンボは急発進・急停止・後退・旋回・ホバリングといった飛行動作を行うことができ、それをテラフォーマーの体格で実現できるとしたら…。

多くのメンバーはトンボ個体に翻弄され、手足や触角を切断されていく。胴体を割かれた者もいた。そして…切断した身体部位を戦利品として獲得するトンボ個体。トンボ型は閃光のように上空へと消え、代わりに2体の影が地上へ降り立つ。

それはまだ若く体の小さな仔ゴキブリであった。両手には石器ナイフを携えている。先代のリーダーは彼らをはじめ多くの仔たちに文字を使った教育を施し、次代の戦力として育成していた。奴は本当に有能なリーダーだったのだ。そしてその早さを人類は見誤った。この誤算は高くつく…そんな予感が戦場に立ち込めていた。