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【アルスラーン戦記】感想ネタバレ第2巻まとめ

田中芳樹の歴史ファンタジー小説を原作に『鋼の錬金術師』『銀の匙』の荒川弘が漫画を手掛ける大ヒットコミック『アルスラーン戦記』第2巻の感想ネタバレです。別冊少年マガジンで連載中!

王都炎上。残されたのは王子ひとり、騎士ひとり。壊滅に追い込まれたパルス軍。騎士・ダリューンと王子・アルスラーンは、ただふたり、戦場から敗走する。絶望から這い上がり、国を取り戻すために、ふたりは、稀代の天才軍師・ナルサスの元を訪れる。そして、あえなく拒絶される。消える王国、生まれる希望……。「ひ弱な」王子・アルスラーンを待ち受ける運命は!?

目次

第五章 君主の度量
第六章 救いの一矢
第七章 流浪の楽士
第八章 血濡れの門
第九章 流血の狂宴
第十章 囚われの王妃

本編あらすじ

今から5年前のパルス歴315年。トゥラーン、シンドゥラ、チュルクの三国が同盟を結び50万の大軍を持ってパルスへと侵入した。アンドラゴラスはこの事態に対し国軍を総動員し各地の諸侯も王都エクバターナに集結させることに。

そして50万の大軍をどう対処すべきか話し合いが行われると、当時ダイラム地方の領主であったナルサスは自分の策なら三国同盟を退散させられると言い出した。

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さらにナルサスは兵を使わずに多少の時間だけあれば十分だと言い、そこまで言うのであればとアンドラゴラスからやってみるようにと言われた。その日ナルサスは部下と共に姿を消した。そして三日後戻ってきたナルサスは王に願い出て、捕虜のシンドゥラ兵二千を解放。ナルサスは今夜のうちに三国同盟が崩れ去ることを予言し総攻撃に備えることに。

その夜、ナルサスの予言通り三国同盟は同士討ちを起こしそれを機にパルス軍は五十万を潰走させることに成功する。ナルサスによると命を受けてからの三日間の間に自身の兵を使って三国に流言をばら撒いたらしく、捕虜にしていたシンドゥラ兵二千を解放することで三国を疑心暗鬼に陥れ結果内部崩壊することになったと。そしてナルサスは恩賞として金貨一万枚に加え宮廷書記官という地位につくことになった。

知恵を借りたいと頼むが「芸術は永遠。興亡は一瞬!」と断るナルサス。父王に自分は嫌われていると話すナルサスに「そんなことは問題にならぬ。私もダリューンも父上に嫌われておる。どうせなら仲良く嫌われようではないか」と誘うが、それでも断る。

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翌日、カーラーンの部下が訪れる。ナルサスを陣営に加えたいと言うが「カーラーンの犬めに伝えてもらおう!腐肉は一人で喰え!!ナルサスには不味すぎるとは!!」落とし穴に落とす。アルスラーンはカーラーンの部下から告げられた大将軍ヴァフリーズの訃報に悲しむ。

改めてナルサスに助けてほしいと助力するアルスラーン。「私はおぬしの忠誠を求める代わりにおぬしに十分な代償を支払う」「父王のように金貨でもくださると?」「いや、金でおぬしの忠誠心が買えるとは思わぬ。」「すると地位ですか。宰相とか」「そうではない。私がルシタニアを追い払い、パルスの国王となったあかつきにはナルサス卿、おぬしを宮廷画家として迎えよう」

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ナルサスは驚きながらも「気に入った」と呟く。アルスラーンに仕えることに決めたナルサスはエラムを知人に預けるつもりだったが、エラム本人はこれからもナルサスの供をすることを望んでいる。

渋るナルサスだったが、ダリューンからは気配りが出来る上に弓や短剣の扱いもなかなかであることから大いに役に立つであろうことを聞かされ、さらにアルスラーンから「我らの中でエラムほど美味な食事を作れるものがいるか?」と言われエラムを供にすることを決定する。

その後、ナルサスたちが出払った山荘では落とし穴に落ちたカーラーンの部下たちがようやく穴から出てくることが出来たが、馬がなく徒歩で山を下りることに。その様子を頭上から偵察していたエラムは、近くの洞窟の隠れ家にいるナルサスに報告。

その報告を受けてナルサスは彼らが今日中には麓へ着かないこと、そして今すぐ山を下りてもカーラーンの兵と無駄に戦うことになるためしばらくこの洞窟にこもり、やり過ごしましょうと提案する。

そしてアルスラーンに「自分たちの望む場所に敵の兵力を集中させるのです」と包囲網を逆に利用する方法を提案する。同時に戦法について教えると共に王とはどうすべき存在なのかについても教授する。ナルサスは剣の手入れをしているダリューンに対し、カーラーンは何やら途方もないことを知っているらしいので殺さないようにと言う。

王都から東方にありトゥラーン、シンドゥラ、チュルクとの国境を守るパルス領ペシャワールにいる万騎長キシュワードのもとへアズライールが戻ってくる。アルスラーンに何かあったのかと思っていると、万騎長バフマンが現れ、アトロパテネの敗戦の情報を聞くことに。

その頃、王都はルシタニアによって包囲されていた。「わしは唯一絶対の神イアルダボートにお仕えする聖職者、大司教にして異端審問官たるボダンだ!」ルシタニアは捕えた万騎長シャプールは拷問される。

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それに対し、シャプールはエクバターナ城に向け「俺のことを思っているなら俺を矢で射殺してくれ!ルシタニアの蛮人になぶり殺されるよりも味方の矢で死にたい!」と城内の仲間に叫ぶ。

次の瞬間シャプールの額には矢が刺さった! 矢を射た人物がその場を立ち去ろうとしたときタハミーネ王妃のお召しで勇者シャプールを苦痛より解放したとして相応しい恩賞を与えるとのおおせ。

ルシタニアによる攻城戦が行われる中、シャプールを救ったとして王妃のもとへと呼ばれた人物は楽師を生業とするもので名をギーヴといった。ギーヴは王妃からシャプールを救ったことに関して礼を言われ、さらに楽師ということで披露した琵琶(ウード)による詩により金貨二百枚を褒美として受け取ることに。「そなたが私の侍女を偽った罪の分は差し引いてありますからね」

エクバターナ攻囲戦十日目。ルシタニアは城内の兵に対する心理攻撃なのか討ち取った万騎長や大将軍ヴァフリーズの首を晒し、さらにエクバターナにいる奴隷たちに自由を呼びかけていた。それに呼応した奴隷たちによってエクバターナの所々で反乱が起こり、それを鎮圧するもその勢いは衰えることがない。

そしてまだ城内にいたギーヴは宰相フスラブから呼び出しを受け秘密の通路を通り、王妃を連れて安全な場所へ逃げるようにと要請される。その申し出を受け王妃と共に秘密の通路へ向かうギーヴだったが、王も王妃もいないのになにが王都だと内心毒づき、どこかにまともな王はいないものかと思っていた。そして同じ頃、仮面の男とカーラーンもまた秘密の通路へ・・・。

秘密の通路を歩くギーヴと王妃。だがギーヴは一緒にいる女性が王妃ではないことに香いで気づき、自分が言い様に使われていると偽の王女と言い争う・・・。王妃に化けた官女はギーヴの手を離れ王宮へと戻ろうとするが、違う道を進んでしまい、そこで部隊を連れた仮面の男に遭遇してしまう。

男は王妃を探しているらしく見つけた王妃に民衆を捨て自分一人で逃げるつもりかと問いかけるも、一緒にいたカーラーンに対し「様」付けて読んだことからこの王妃は偽物であると気づき「俺の役に立たぬものはいらん」と殺してしまう。

そして先を急ごうとした仮面の男に対し、ギーヴは「絶世ではないにしても美人を殺すとは何事だ!」と気に入らない様子で持っていた油のようなものを仮面の男のそばにある松明に投げつける。火が燃え広がり男を襲うと火をこわがる仮面のおとこ・・・。カーラーンは後のことを部下に任せ、仮面の男と本物の王妃を探しに別の通路へと歩いていく。

残された部下たちはギーヴを殺すべく攻撃を仕掛けるもギーヴにあっさりと返り討ちにされてしまう。混乱に紛れて財宝の一部を手に入れようと王宮の方へ行く前に「死人には必要のないものだ」倒した者たちから金を盗るギーヴ・・・。

 

その頃、度重なるルシタニアの猛攻を何とか防いでいたが、王宮から火の手が上がり万騎長サームは急ぎ王宮へと向かう。そして敵に寝返ったカーラーンと戦い隙をついて王宮へと向かうが、サームは仮面の男が投げた槍によってやられてしまう。

そして万騎長ガルシャースフもルシタニアの猛攻を防ごうとするもののあまりにも多勢に無勢だったためかあえなくやられてしまい死ぬ間際、城壁の旗はパルスからルシタニアへと替わる。

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一方、王太子は洞窟でダリューンと剣の稽古をしている。エラムが鳥を弓で狩り、洞穴に戻ると中ではアルスラーンとダリューンが激しい剣戟の音がしていた。エラムは思っていたよりも動けるアルスラーンに内心驚く。

ナルサス曰く今朝方ダリューンに頭を下げて自分を鍛えてくれるように頼んでいたと。稽古していたアルスラーンの息が切れた頃ナルサスはそろそろ山を下りる相談をしようと持ち掛け話し合っていたが洞穴の外にそれを聞くきこりの姿が…。

洞穴内の話を近くにいたカーラーン麾下の者たちに話すきこり。それによると十四日の夜に山の外の仲間と呼応して突破するとのことでそれを聞いた者たちは当日の夜まで休みを取るようにと指示し14日の夜に全兵力で迎え撃つことになるが・・・。

そして夜が更け、寝ずの番をしている兵士が明日でやっと片がつくなと話しているとそこに騎馬に乗ったダリューンが現れる。

その後にはナルサスも現れ、日にちを間違えたと笑顔で伝えるとアルスラーンとエラムも現れ四人はそのまま逃走してしまう。自分たちが騙されたことに憤慨する者たちをよそに馬に乗って逃げるアルスラーンはその道中、父は無事なのか王都は無事なのかと心配していたが・・・。

その頃、王都エクバターナではルシタニア兵による虐殺が行われていた。王宮内では神官や役人が次々と殺され、王宮にある女神像までも破壊され略奪が行われていた。そこにギーヴが現れる。ギーヴはそこにいた者たちを一蹴し、その部隊の隊長を捕まえると命を助ける代わりに略奪品を渡せと言い出す。その略奪品を持って一人、王都を離れるのだった。

ある部隊は王妃タハミーネの捜索をしながら殺戮を繰り返す。そこにルシタニア国王であるイノケンティス七世が入場する。イノケンティス七世はタハミーネ王妃を自分の妃にすると言い始めた!?