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【バーテンダー】感想ネタバレ第21巻(最終回・最終話・結末)まとめ

スーパージャンプとグランドジャンプに連載していた『バーテンダー』最終巻21巻の最終回(最終話)を含めた感想ネタバレまとめです。結末(ラスト)はいかに!?

佐々倉溜と翼の店で、師・葛原の思いが分からないと悩みを打ち明ける弟子・白石。そんな彼に出す佐々倉の一杯とは!? 心を癒すバーテンダーの『神のグラス』の物語、感動の最終巻…。

目次

第159話 猫
第160話 オリジナル・カクテル前編
第161話 オリジナル・カクテル後編
第162話 あいるらんど前編
第163話 あいるらんど後編
第164話 サヨナラの教え前編
第165話 サヨナラの教え中編
第166話 サヨナラの教え後編

本編あらすじ

ある日、佐々倉のお店にきたのは割烹『祐二』を営んでいる和食料理人の祐一。祐一はお通しに季節感を考え店の気持ちを込めるものだと文句をつける。そのアドバイスからお店の試食を頼まれることになり…。

出されたのはクッキー。グレンタレットと一緒に食べると、アルコールの強さで疲れた舌がよみがえると祐一も評価する。佐々倉はウイスキーキャットで有名なグレンタレット蒸留所のタウザーの話題を振る。

女王陛下からバースデーカードまで届いた世界一有名な猫の話に盛り上がる。祐一もただのクッキーではなくラング・ド・シャ(ネコの舌)にしている点に感心する。

シャンパンにフルーツ、ホワイト・スピリッツにはチーズやドライフルーツ、リキュール系にはチョコ―レートと、お酒に合わせたお通しを用意した佐々倉。曲がり角には悪魔がいると話す祐一に対して、次の曲がり角には天使がいるかもしれませんよと話す。

幼馴染の祐一と祐子。結婚の約束までしたが和食の料理人となる直前に祐一が運転する原付バイクで事故が起き乗っていた祐子は歩けなくなってしまう。祐子は祐一が事故の責任から同情で結婚を申し込んでいると思ってしまうが、最後は「お前がいるから俺が生きていけるんだ」の言葉に涙し和解する。

オリジナル・カクテル

ホテル・バーテンダーのトップを選ぶ大会に推挙される川上京子。そのために全国のホテルグループで予選をおこない代表決定戦がおこなわれることになる。オリジナルカクテルだけの審査になるためバーテンダーとしての個性をどう出すかに悩む。

思案しているときに実は京都のホテルバーテンダーを代表にしたいから経験の浅い川上が推薦されている事実を知ってしまう川上。噛ませ犬の存在を上司の西沢に話しても「もらったチャンスに変わりはない」と説明され納得のいかない川上。

コンテスト社内審査まで一週間まで迫ったときに川上の母親が急死。親孝行できなかったことに涙する川上。バーテンダーを辞めようと考える川上に佐々倉はニューヨークのアルゴンクィン・ホテルに「ブルー・バー」にいるホイさんの話をする。

御年90歳以上で世界最高齢の現役バーテンダーのホイさん。かのマリリン・モンローにもマティーニを出したことが自慢。そのホイさんに佐々倉がその年齢まで仕事を続けて疲れないかと質問したところ「お客様がハッピーになってくれるなら私は疲れない」と言われたエピソードを話す。

バーテンダーを続ける決意を新たにして考案したのがカクテル「ピンクリボン」。乳がんで亡くなった母への想いが込められている。数日後ーー残念ながらコンテストは2位で全国大会には出場できなかったが苦しい時こそ微笑むことを旨に仕事をする川上の姿があった。

あいるらんど

里中絵美の帰国コンサート。佐々倉が偶然にも街中で出会ったのが里中絵美。

10年前、麻布十番祭りに参加している若い頃の佐々倉。そこにアイリッシュコーヒーを頼む男性が登場する。佐々倉の質問にもノルマンディー・コーヒーと的確に回答したのはウイスキー全書などの著者の神河慎一先生だった。

本来は音大講師にして音楽評論家だがカクテルにも詳しい神河。即興でアイルランドのフィドルを聞かせてくれる。

酒を飲むと弾けないのがバイオリン♪
酒がないと弾けないのがフィドル♪
バイオリニストは練習を欠かさない♪
フィドラーは酒を欠かさない♪

その時に紹介されたのが里中絵美だった。ーーー現在に戻り佐々倉は里中をイーデンホールに招待する。アイリッシュ・ウイスキーと、スコッチ・ウイスキーの違いを答えられるほど酒には詳しい里中に提供したのが『アイリッシュ・コーヒー』。そして神河先生はすでに亡くなったと嘘をつく佐々倉。

神河先生は佐々倉にとってもパリに行くきっかけを作ってくれた恩師。若い頃に一緒に飲んだカクテルがアイルランドの『ノッキーン・ポーチン』。佐々倉が嘘をついた理由は神河先生は親友の保証人になったあげく全財産を失い、ご両親の死をきっかけに心を病んで古くからの使用人の実家で一年前から療養していたからだった。

その悲しい事実を里中には告げなかったが、里中の希望で千葉の山奥まで会いに行く。本当は会うつもりはなかったが、里中の演奏に先生は顔を出す。そこで師弟は出会いを果たすのだった。

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サヨナラの教え

衆議院議員の相馬幸司に政治家引退の噂が流れる。母親の介護のために引退を考えているが、一方で首相の可能性があるところまで登り詰めた地位を捨てる決断ができない相馬幸司。様々なものを犠牲にしてきたのに、それらの努力を捨てることは簡単にはできないため思い悩む。

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佐々倉は「十億の人に十億の母あらむも我が母にまさる母ありなむや」との言葉とともに最後の一杯としてウンダーベルクをベースにしたカクテル『アイアンマン』を神のグラスとして提供する。

相馬は佐々倉に唐代の詩人・于武陵の詩「勧酒」が書かれた色紙を渡し「最後のお前の一杯を飲めてよかった」と握手をして去って行った…。

ミスター・パーフェクト葛原隆一の様子がおかしいと弟子の白石が佐々倉に悩みを相談する。佐々倉がカーディナルのホテルコンシェルジュ三谷に調べてもらうと葛原が所属するホテルが経営悪化で人員整理の計画がもちあがっていた。

当然ながら弟子の白石も退職者リストに挙がっていたが、自分自身も引退する代わりに三ヶ月間だけ猶予をもらっていた葛原隆一。佐々倉は白石と葛原に雑酒表記が記されている昭和37年以前製造のボトル『VAT69』の水割りを提供する。

最後に来島美和からフランスでカクテルコンテストで優勝したときのオリジナルカクテルを注文されるが、「それはパリに置いてきたカクテルなんです」と断る。バーのドアがゆっくり開き終了。

***感想・評価・考察***

結局、佐々倉がフランス時代に何があったのかはわからないまま終了。ラストの終わり方には賛否両論がある終わり方でした。続編ではないものの、佐々倉のオリジナルカクテルについては『バーテンダー a Tokyo』で明らかにされています。

漫画原作者の城アラキさんの作品には『ソムリエ 』『ギャルソン』『ソムリエール』などお酒関連の職業漫画が多く本作以外にも読んでみても良いかもしれません。