別冊ヤングチャンピオンで連載しているみずたまことによる『バウンサー』最新刊第9巻ネタバレまとめ。
有賀を自由にするため、関暴連の東京支部に交渉に向かった獅子戸。そこで待ち受けていたのは関暴連トップのうちの1人、兼平拳一だった。瞬く間に悪化する状況の中で、獅子戸たちは受け入れがたい悲劇に遭遇し…。
本編あらすじ
獅子戸丈一郎と有賀勇気は関暴連の東京支部に交渉に向かう。兼平拳一に対して盗んだ1憶円を返すとして、使ってしまった二千万円は退職金としてもらうと提案。その代わりに交換条件として関暴連の財務部門トップだった黒須東阿を関暴連に戻すと話す。
しかし、兼平拳一は獅子戸が自宅に匿っていた雷門と朝風ならびに風間麗民の三人を関暴連に対する裏切り行為として殺していた。そして金を盗んで飛んだ有賀の罪は風間に背負ってもらったとして、有賀のこれまでの行為はすべて不問とし、風間の代わりの幹部として関暴連に戻ってこいと説明する。
しかし、有賀は拳一の性格からして戻ったところでキツイ処罰を与えられるのは免れないとわかっているため、これを拒否。一触即発の状態になるが、獅子戸は安全ピンを抜いた手榴弾を見せつけ、今すぐ有賀を解放し、今後一切関わるなと要求。断るならこの場で全員を吹き飛ばすと脅迫する。
拳一は依頼人である有賀を巻き込むことになるため手榴弾を手放すことはないと分析するが、拳一の周囲のロシア特殊部隊出身ボディガードの三人は、獅子戸は既に自分の死を受け入れており自らの尊厳を守る為には死をも辞さないタイプだと分析した。
獅子戸はボディガード役のロシア人三人を味方につける事に成功。そして「アンタの様な人間はどんな約束をしても守るとは思えない。だがアンタが死ねば必然的に有賀君の身の安全は保障される」として拳一に銃口を向ける。
拳一は降参を宣言し、有賀には今後一切手出ししないと約束する。しかし、不用意に近づいた獅子戸を襲い、持っていた拳銃を奪う。そして有賀に手をださないという約束を破って有賀を撃とうとするが、獅子戸によって銃に細工が仕掛けられており撃てなかった。動揺している一瞬のスキを見逃さず獅子戸が銃を奪い返す。
助けてほしい、殺さないでくれと泣きながら懇願する拳一。黒須東阿からも「アンタは無法者だが善人だ。決して人殺しにはなっちゃいけない。殺されて当然の人間はいるかもしれない。だがその者を殺していい人間はいないハズだ」として助けてやってほしいとお願いされる。
しかし、小型の発射ナイフを使おうとしているのを察知した獅子戸によって拳一は殺されてしまうのだった。虎井すらも(本当に殺すとは)と予想外だった獅子戸の行動。有賀のために助けたのに、有賀からは人殺しと言われる獅子戸…。
~四か月後~
その後、獅子戸は撃たれた肩の治療のために四カ月間入院する。拳一に撃たれた左肩は重傷で、痺れや麻痺が残る可能性もあり、最悪の場合、左腕は動かなくなるかもしれないと医者から告げられる。
獅子戸が東京フィストを休んでいる間に有賀は東京フィストに入社していた。憔悴しきっていた獅子戸を見て鶴見拓哉や馬場千聡もこのままフェードアウトするのではと心配している。
結局、黒須東阿は関暴連に戻る。拳一を殺した獅子戸を許せないとするが、阿藤組会長になった柿根から東京フィストには手を出すなと頼まれたため他のトップ達は黒須の話には乗らない姿勢をだす。
獅子戸は殺人を犯した罪に苛まれるが「殺されて当然な人間を殺す者は確実に必要」「地獄の中にこそお前の目指すものがある」と虎井の言葉を聞いて、決意を新たにするのだった…。
その頃…柿根と佐藤(獅子戸勇一郎)はビルの屋上で密談。
すべては二人が仕組んだ計画だった。あまりにも上手くいきすぎていると柿根すらも驚くが、佐藤は「奴の人生は裏切りと逃げの連続だった。一度でも裏切った人間は何度でも裏切る」と有賀の性格的に確実に金を持ち逃げすると確信していた。
そして有賀を東京フィストに潜入させることに成功したと喜び、相応の時期がきたら活躍してもらうと話す。
***感想・評価・考察***
獅子戸の身体はボロボロになりつつありますが、バウンサー(弾き返す者)として過去を乗り越え精神的に大きく成長したと思います。まだまだ強さは発展途上。そして謎が多く伏線も回収されていないままの本作。
第10巻ではBデータに関する話が進むのか、テイクアウトジョーと呼ばれるサイコキラーが登場するのか、柿根や佐藤がその正体を現すのか、それとも別のストーリーが進むのでしょうか。最強バウンサー虎井の過去もまだすべては明らかになっていません。気になる第10巻は2020年3月21日に発売予定!