1998年から2001年まで月刊アフタヌーンで連載していた木尾士目による『五年生』の感想ネタバレをまとめました。最終回(最終話)を含めた結末(ラスト)も含まれていますのでご注意ください。
明夫と疎遠になった芳乃は、体の不調を感じていた。仕事も手につかず、苦悶の日々が続く。一方、就職を決めた明夫には、後輩の吉村が接近する。新たな泥沼が始まろうとしていた……。
第四巻本編あらすじ
明夫は木更津で就職活動して無事に運送関係から内定。ヒロインの相馬芳乃は一言でいってめんどくさい人間。良く言えば理性的、悪く言うと理屈が先行しないと動かないタイプの女性。弁護士志望だけあって、何事にも論理的な理由を求めがち。
そんな真面目人間が妻子がいる十歳以上年上の男性に一目ぼれというどうしようもない浮気をしてしまう。しかも不倫。しかも子供もいる。トリプルパンチ。ただし肉体関係はなく、あくまで芳乃側の一方的な片思い。お互いの立場を考えて相手に直接それを伝えることはない。
付き合っている彼女から「好きな人ができました」という別れ話は本当に大学生らしい恋愛です。絶対に彼氏の浮気を許さないタイプの女性が泥沼の恋愛。これには教授も驚きの表情を隠せない。
芳乃はそんな自分を許せないが、相手が好きという感情は隠せない。色々あって頭痛など自律神経失調症の症状がでてきて仕事も手につかなくなってしまう。
芳乃と別れて以降、明夫には途中から吉村さんが急接近。いきなり一人暮らしの自宅に内定のお祝いをしに来てくれる。典型的な肉食系女子。こういう女性大歓迎。
あらかじめ肉体関係は絶対に持たないと決意する明夫も、流れで上半身裸になってしまっている吉村さんからの「する?」の一言であっさり陥落。この流れになって逆らえる男性はいません。吉村さんは肉感的な体形で巨乳で、エッチにも積極的という男性にとっては最高の女性。
明夫と吉村さんは朝起きてもう一度エッチする。吉村さんから誘っているのがイイ。明夫も「AVみたいで願望全部かなった気がする」というほど凄いらしい。 最初の決意はどこにいったのやら、なし崩し的に半同棲みたいな形になる。
長谷川の妻に刃を向けられた芳乃だが、そのことによって長谷川との関係を断ち切ることができた。一方、吉村のふるまいに決定的なダメージを受けた明夫は……。痛いほどリアルな恋愛論、ここに完結!
第五編本編あらすじ
明夫が吉村さんと仲良くしている頃、相馬芳乃は一目ぼれした男性の奥さんから包丁で殺されそうになる。一方的な好意を寄せているだけで肉体関係もないのに奥さんもいきなり刃物をだすなんて強硬手段だねぇ…。世間一般的には不倫だと認識されない程度なのに。ただ相馬芳乃側としては、未練を断ち切るには良かったのかも。
さて明夫と吉村さんの関係はしばらく続いたものの、吉村さんは元彼氏への嫌がらせ的に付き合ったこともあり、あっさりと恋人関係は解消。そのままセフレにしたらいいタイプだが、明夫は何もせず。
当初はヤバいからエッチもしないと考えていたが、肉体関係を重ねるうちに情が多少なりは移ってしまった。「お互いいい思いしたでしょ?」という言葉がありますが、割り切った関係であれば全く問題ない、むしろ最高の相手だと思います。
大学生活ならワンナイトラブくらいありそうですし、まぁそれなりに共感できる内容でした。千葉県の木更津という都心に近いようで遠いような場所。都会か田舎かと聞かれれば田舎の地域ですね。地方の大学生の恋愛ってこんな感じかも。地方に行くと大学生が女子高生に手を出すなんてよく聞く話なので、明夫はむしろ健全かもね。
最終回では明夫と芳乃が連絡をまた取りなおすことになります。完全に仲を戻すのではなく連絡を交換する仲どまり。これもまた社会人になった頃の恋愛のあるある。