漫画百科事典

漫画好きによる漫画好きの為の漫画情報サイトです。

【自殺島】感想ネタバレ第12巻まとめ

ヤングアニマルで連載中の『自殺島』感想ネタバレ第12巻まとめ

自殺島 12 (ジェッツコミックス)

自殺島 12 (ジェッツコミックス)

  • 作者:森恒二
  • 発売日: 2014/11/28
  • メディア: Kindle版
 

仲間の元を離れ、島の東側で暮らし始めたセイとリヴ。穏やかな時が流れる中で、ついに二人はーーー。一方、集落を焼き払われた後、沈黙を貫いてきたサワダが、再び動き出す…。「どんな時も…二人の命は一つだ」。

目次
第111話 生きる為の・・・
第112話 トラウマ
第113話 二つの気持ち
第114話 一つの命
第115話 救われたメッセージ
第116話 ミノルの場所
第117話 ナオの命
第118話 外界
第119話 サワダのもくろみ
第120話 奇襲

本編あらすじ

f:id:r-akiba0703:20160909135621p:plain

前半は主人公セイとリヴがグループを離れて生活を始めている話。バナナの栽培や網を使った干満の差を利用した生け簀、リヴの初めての狩りなど順調に食糧を獲得していき、生活は順調。叔父から性的虐待を受けていたリヴは、セイのおかげでトラウマを払拭しつつあり、二人は結ばれた関係になる。

リョウやリュウのグループもミノルを中心に田んぼで田植えを開始している。ミノルは過去に稲作農家の実家を飛び出してきていた経緯があるが、本当は田んぼが好きだったことを自覚する。ナオは妊娠中のお腹を抱え自殺を図るが、子供の命や皆から大切にされていることに気づき、自殺を思いとどまる。

一方、サワダグループに拉致されたトモは、驚くくらい集落の生活に馴染んでおり、夜の常軌を逸した乱交を除けば、今までと変わらない生活を営んでいた。ルポライター織田が外に情報を知らせたため巡視艇が増えてきている。

各グループが今後のことを考えだし、サワダは不穏な空気を醸し出す。言葉巧みにサワダはメンバーに戦いを煽り、「最後の賭け」に出る。女たちにリョウたちのグループの主要メンバー(リョウ・リュウ・セイ)を殺させる作戦を決行。サワダグループから逃げてきたかのように見えた女たちは刃物を忍ばせ、ミノルとスズキタツヤが刺される!

第111話『生きる為の…』

トモはサワダの集落での生活に慣れていった。

トモ回想 サワダの集落でも向こうの暮らしとさほど変わらなかった。男達が山や海に入っている間女達は貝を獲ったり、バナナを収穫したり調理をする。夜の異常な乱交以外は、向こう変わるこ事のない生活だ。その事も彼らが受け入れていれば自分には何も言えなかった。

セイとリヴはバナナを見つけて喜んでいる。ナレーション(バナナを発見して何故ここまで二人は喜んでいるのか。それは以前にも書いたが、バナナは大変優れた食品であるからだ。バナナが得られるというだけで食糧事情は劇的に改善されると言っていい。)

薪を見つける二人。探してみると道具箱があり、簡単な大工道具が入っていた。やはりノコギリとオノもあった。これで更に薪が得られる。宝探しのようになってきた。「ここは死ぬ為の島じゃない!」「生きる為の島なんだ!!」

第112話『トラウマ』

妙なモノを見つけた。遠浅の海岸で海中に杭が立ててあるが、規則的に並んでいるように見えない。セイ「ノリか何かの養殖かと思ったけど…。なんか違うね。養殖棚なら格子状にひもとかを張るようになってるだろうから。」「網でも張って、イケスにでもするのかなぁ。」セイがリヴにいきなりキスをする。お腹をおさえて苦しがるリヴ。

ナレーション(性的虐待の後遺症はいろいろな症状で現れる。腹痛や咽頭痛、頭痛悪寒…記憶障害など深刻なものまで様々だ。そして被害者である当事者が自分自身を責め続けているケースが少なくない。それがトラウマから自由になる妨げになっていると言う。)

セイ(ここで彼女に触れてなぐさめてはいけない。以前うなされた時触れたらパニックになった事がある。彼女を守りたいと願う事とは別に僕の"男"は彼女の敵でもあるんだ。)「殺してやりたい!!」「リヴを傷つけた奴ら全て森に追いつめ一人残さずこの手で…!」

リヴが出てくる。セイ「本当はそいつらを全員殺して…!僕のモノを切り落として海に捨ててやりたい!!」「そんな…出来もしないことを…ぐるぐる考えてる…。」「僕の苦しみより自分の苦しみ…。自分勝手な欲望に飲み込まれてる。君の痛み…苦しみを知っているのに…。最低だ…。どうしようもない。」

第113話『二つの気持ち』

リヴ「セイが苦しむ事なんてない。全て私が悪いんだから…。私がいけない子だから…汚れているから…怖いの…。」「洗って洗っても落ちない…。私…嫌な臭いがしない…?」「叔父の体臭…体液が染みついて、洗っても洗っても…臭いが取れない。」「私がセイを求めたら、セイの事まで汚してしまう…。」

リヴ:叔父の家を出て、私は何人かの人と付き合った。早急に関係を持とうとしたのは、叔父の呪縛から逃れたい一心だった。とにかく早く過去から自由になりたい。忘れたい。だけどダメだった。私の身体は男性に触れられれば触れられる程、冷たく渇いていきー…一つになることは困難だった。初めの頃は理解してくれていた相手も時が経つと離れていく…。ハーフのもの珍しさから寄ってくる男達は皆そうだった。

リヴ(何故…叔父は私を自由に出来たのか…。そもそも私は叔父と性交していたのだろうか。その事を思い出そうとすると頭にモヤがかかる。あやふやな記憶が断片的に浮かび…頭痛がする。)

リヴ「いつも一緒にいたいと思うようになった…。いつからかわからない…気がついたらそうなってた。だからセイに初めて抱きしめられた時嬉しかった。だけど私の身体は変わってなかった。抱きしめられても渇いていて冷えきったまま…。私は壊れてるんだ…。そうあきらめたから。だから今までの人達のようにセイが離れていっても…。」

セイ(罪悪感だ…。リヴが自分を責めるのは…。自分を罪深いと思っているから。)「軽蔑なんてない。何もかも二人で…。分け合う…。罪も苦しみも…」「全て…?」「そう…全て。僕が罪を犯したら、リヴにも背負ってもらう。二人で…。だからもう・・待たない。」(何故だろう。欲望は僕を苦しめ、リヴを傷つけてきた。だけどこんなに愛に近いところにある。リヴの身体は熱く、僕らは一つになれた。)

セイ(リヴを欲しいという気持ちが欲望で…リヴを守りたいという気持ちが愛で…そんなふうには分けられない。二つが同時に在らなければこの満ち足りた気持ちを知る事はないだろう。)