【キングダム】感想ネタバレ第19巻まとめ
相次いで狙われる将校たち、刺客と思われるものを探すが見つからず、ついに将軍までも暗殺されてしまう。その犯人と思われる男を発見した信は斬りかかるが・・・。
目次
第196話 飛槍
第197話 武将の空気
第198話 王騎と廉頗
第199話 不思議な癖
第200話 千人将
第201話 信の声
第202話 告げる
第203話 抱擁
第204話 急造部隊
第205話 必殺の槍術
第206話 飛信隊の作戦
本編あらすじ
カク備千人将だけでなく、一夜にして8人もの千人将が暗殺された蒙驁軍。3日後、次の城へ向かう進軍の様子は厳重そのものだった。蒙驁軍は刺客の存在を警戒し、守備を一層強化するが、ついには羅元(らげん)将軍までもが討たれてしまう。そして羅元将軍を討った後、伏兵達とともに山を下り脱出する輪虎に、飛信隊は遭遇する。
輪虎は禍々しい殺気を放って兵たちを怯ませ、脱出優先で素通りしようとするが、信はひるまず真っ直ぐに輪虎へ斬りかかっていく。カク備千人将を斬った人物が輪虎だと知った信は激怒し、さらに斬りかかるが、輪虎に真正面から剣を受け止められてしまう。
輪虎が信を始末しようとした瞬間、駆けつけた飛信隊の仲間たちが援護に入る。仲間達に慕われている信の姿を見て、輪虎はそれ以上は信に攻撃をせず、去っていった。
その頃、魏国王都・大梁(だいりょう)。四天王の1人・姜燕(きょうえん)は、3年間戦に出なかった廉頗が、なぜ今回の戦に出陣することを決めたのか、その動機が分からないと廉頗に問う。廉頗は、3年前魏に亡命してきた当時、状況を理解し直々に見舞いに訪れた王騎に「退屈したら蒙驁軍と戦え」と勧められていたという。
蒙驁の抱える2人の副将は、世がまだ気づいていない『化物』であると。廉頗と王騎は、敵対する国の敵同士でありながらも、どこかで苦しみと喜びを分かち合っている友でもあったのだった。
その頃、秦軍の蒙驁のもとに、蒙武が昌平君の伝者として現れる。亡命後3年間戦場に出てこなかった廉頗は、魏王に冷遇されていると思われていたが、実際は魏の詐術により中華全土がそう思わされていただけであり、今回の戦では廉頗が出てくるであろうと予測されるとのこと。
元趙三大天・廉頗が参戦すると聞き、蒙驁陣営はどよめくが、蒙驁は予想の範疇だと言い、冷静に振る舞っているかのように見えた。蒙武はそんな蒙驁の様子を見、強がりだと見抜く。
かつて蒙驁が斉国にいたころ、趙の廉頗と斉の蒙驁は同世代であり、かけだしの頃から幾度も対戦していた。しかし、蒙驁は一度も廉頗に勝ったことがなかった。それ故、斉での武将の道を閉ざされ、秦に流れた後にようやく将軍として花咲かすことができたのだった。つまり、蒙驁にとって廉頗は、越えることができなかった大きな壁なのだ、と。
その後の夜。蒙驁は、甲冑を脱ぎ、老人歩兵に化けて陣営内を徘徊していた。蒙驁が大きなプレッシャーを受けた時の不思議な癖だったが、原っぱで寝転んでいるところに、偶然信と出会う。夜食を獲りに来たという信は、老人が蒙驁将軍とはまるで気づかず、獲った獲物を共に食べながら語り合う。
蒙驁は、「若い頃に一度も勝てなかった相手にじじィになった今、再度ケンカをすることになったが、相手はじじィの今も絶頂期で悩んでいる」と信に話すと、信は「この期に及んで一発逆転の好機が生まれたってことだから次勝ったらじーさんの総勝ちだ」と言い切り、蒙驁は何かが吹っ切れたかのように高らかに笑うのだった。
翌朝。多くの千人将を暗殺された蒙驁軍は、軍の再編成をすると発表。暗殺された千人将の代わりに、臨時で2名の三百将を千人将に昇格させるという。結果、蒙恬と王賁の昇格が決まり、悔しがる信だったが、蒙驁の計らいにより、信は条件付きで臨時千人将に昇格する。千人将3人か、将軍1人の首が獲れなければ什長まで降格させるというものだったが、信は当然この条件を受けて立つのだった。
輪虎に暗殺されてしまったカク備千人将の隊が飛隊に配属され、戦力増大の飛信隊。更に、カク備隊の副長であった楚水(そすい)が飛信隊の副長の1人に加わった。
一方で、象姉の仇討ちを後回しにして隊に残り、魏戦に参戦していた羌瘣は、この戦を一区切りとして飛信隊を出て行くという決意を信に話す。仇を討って戻ってきたら、隊の仲間と一緒に前に進みたい、と話す羌瘣に、信は快く その決断を受け入れる。
秦軍が魏に侵攻して2ヶ月、決戦の地・山陽の流尹(るい)平野に、廉頗・蒙驁の両軍が到着した。蒙驁は2人の副将、王翦(おうせん)と桓騎(かんき)に出迎えられる。
蒙驁軍はここまでに3つの城を落としていたが、すでに王翦は8つ、桓騎は5つの城を陥落させていた。一方魏軍は、総大将を廉頗ではなく白亀西(はくきさい)とし、廉頗四天王の輪虎(りんこ)・介子坊(かいしぼう)・姜燕(きょうえん)・玄峰(げんぽう)を配置につかせる。
先鋒隊は、
秦軍・玉鳳隊(指揮官・土門将軍)8000人
魏軍・輪虎隊(私兵+魏兵)8000人
となり、戦が始まる。
王鳳隊は王賁の槍術で敵を寄せ付けぬ突破力を見せるが、急造千人隊のため、ところどころに綻びが生じ、苦戦を強いられる。さらに輪虎が急造千人隊の将を見定め、狙い討ちを始めたため、序盤から千人将を数名狩られた秦軍は統率が乱れ出す。
輪虎に狙われた王賁は、王賁必殺の『龍指』を繰り出し応戦するも、輪虎に軽傷を負わせるにとどまる。同時に王賁は胸に剣を投げ込まれ深手を負うが、玉鳳の副長が援護に入り、何とか窮地を脱する。
その時、飛信隊を含む第二陣が出陣し、先鋒隊の援護に入った。千人隊となった飛信隊は、他の隊にはない強烈な光を放ち、秦軍の士気を盛り返し始める。