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【キングダム】感想ネタバレ第35巻まとめ

2014年10月に発売された週刊ヤングジャンプで連載中『キングダム』35巻の感想ネタバレまとめ

キングダム 35 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

キングダム 35 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

  • 作者:原泰久
  • 発売日: 2014/10/17
  • メディア: Kindle版
 

成蟜救出に向かう壁軍。呂不韋は趙をも抱き込み壁軍vs趙軍の戦を仕掛けるが、そこに現れた援軍が飛信隊であった。飛信隊・壁軍は成蟜が囚われている屯留へ到着し、救出作戦が始まる。一方、成蟜は自力での脱出を試みるが、追手に手傷を負わされ瀕死の状態に陥る。

信が到着したころには手遅れとなっており、成蟜は息を引き取る。それからしばらく経った後、秦は中華統一に向けて、魏の著雍を攻める。秦の総大将は騰・魏の総大将は呉鳳明である。王賁の策により、飛信隊・玉鳳隊・録鳴未軍の三軍同時攻略で魏を攻めるが、そこに立ちはだかったのが魏火龍七師であった。

目次
第372話 討伐軍出陣
第373話 大いなる成長
第374話 屯留攻城戦
第375話 脱獄
第376話 曲廊
第377話 剣と盾
第378話 正義
第379話 新たな要所
第380話 私情と戦略
第381話 古い人間
第382話 魏火龍

本編あらすじ

第372話 討伐軍出陣〜総大将壁〜

屯留(とんりゅう)における反乱鎮圧のため、討伐軍として3万の軍を出陣させたのは、2年前の合従軍戦以後 出世した将軍・壁だった。表向きには"成蟜の反乱"と伝わる今回の事件だが、政や昌文君は、呂不韋や趙がからんだ謀略の可能性が高いと踏んでいた。

壁は出陣前、政と極秘の会談をしていた。政は成蟜が謀略に嵌められている可能性を説明し、そうであれば討伐軍には成蟜を救出せねばならないと話す。憶測の域を出ない内は味方内だけで事を済ませたいと考え、事情を理解できるであろう壁と信に成蟜救出を依頼したのだった。

その頃、呂不韋と通じ屯留を実質支配している蒲鶮(ホカク)は、民に向かって雄弁をふるっていた。成蟜こそが咸陽の実質の実権をとるにふさわしいとまつりあげ、皆で反乱を立ち上げ成蟜を支持するようにと誘導していたのである。

それを龍羽将軍と蒲鶮は城壁の上から眺めていた。そこで、龍羽は討伐軍の将の首を取るところまでが自分の仕事であると話し、蒲鶮はそれに対し、貴殿の龍羽の仕事は楽で良いと返した。当の成蟜はホカクによって投獄されており、一度も民の前で反乱の協力を請う姿など見せたことなどなかったが、何も知らぬ民はホカクに同調し、反乱を起こして咸陽を成蟜の手に、と息巻いていた。

十日後、盟平野にて、龍羽将軍率いる反乱軍七万と対峙する。壁が率いる討伐軍は途中で増軍し、四万までの規模となっていた。屯留に向かう途中、壁軍は成蟜軍の裏切り者・龍羽将軍の軍に行く手を阻まれる。

応戦していた壁だが、そこにいきなり趙軍が現れ、龍羽将軍を援護。本来、敵であるはずの趙軍が援護に入ってきたことで事情が掴めず動揺する壁だったが、そこにタイミングよく飛信隊が到着。四千人将となった信、復帰後早くも千人将に昇格した羌瘣を含めた飛信隊は五千人隊となり、頼もしく成長を遂げていた。

第373話 大いなる成長〜王騎の矛〜

大王政の勅命を受け、反乱軍討伐の陣に加わった飛信隊。羌瘣は剛力と指示を出す。剛力は羌瘣が発案した戦術で伍を二組瞬時に集結させ、十人で一塊と化し、敵方向に盾を重ね合わせる。

そして、十人一塊の精神集中が重なり合えば、いかなる衝撃にも耐えることができるのである。信はこの戦いで剣ではなく、矛を使っており、王騎から受け継いだ矛を使う準備に入っていたのだ。

信自体は先日四千人将に昇格しており、羌瘣の千人と合わせて飛信隊は五千人隊になっていた。飛信隊の援護により、形勢は逆転。結果、壁軍が勝利となった。裏切り者・龍羽将軍は、壁を討ち取りその首を土産に趙へ亡命する算段だったが、援軍・趙軍が退却したことにより反乱軍も退却。

本来ならば屯留へ戻る反乱軍を追うところであったが、壁軍にもそれなりの被害があったこと、飛信隊もここまで全速力で走ってきており、体力が残っていなかったことから、追撃はしなかった。

第374話 屯留攻城戦〜反乱軍の作戦〜

反乱の黒幕蒲鶮により完全に牛耳られた屯留。討伐軍が迫る中、囚われた成蟜は幽閉されていた。そこに蒲鶮が現れる。成蟜は今回の黒幕は呂不韋かと問う。

成蟜は瑠衣の生存を確認する。蒲鶮は当たり前だと返し、瑠衣には自分の子供を産ませると言い放った。

そこに伝令が現れる。大王派の第一陣を壊滅させるはずの龍羽将軍が戦いに破れ、屯留に戻ってきたという報せが入る。趙に亡命する前に壁の首がどうしても欲しい龍羽将軍は、壁軍を迎え討とうとする。

そして、壁による屯留攻城戦が始まる。貂は信と羌瘣に、本当に成蟜が嵌められているなら、危うくなり次第敵は成蟜の首をはね、降伏してくるため、早さが重要と話す。信と羌瘣はそれに了解し、井闌車を登る。

第375話 脱獄〜瑠衣救出へ〜

飛信隊の活躍により、形勢は鎮圧軍に傾いていた。そして、ついに城内に飛信隊が突入した。飛信隊は成蟜救出に急ぐが、成蟜の居所が分からずに探し回る。蒲鶮をそれを確認すると、すぐさま成蟜の首をはねに牢獄へ向かった。

一方、成蟜はホカクの陰謀を知り、瑠衣救出のために地下牢を脱出し瑠衣を探していたが、ホカクの追っ手と交戦しているうちに深手を追ってしまう。

貂は捕まえた反乱軍の兵から反乱当初より成蟜の姿を見ていなく、軍は龍羽将軍、全体は蒲鶮が仕切っていたことを聞き出し、首謀者が蒲鶮であると確信する。そして、蒲鶮を捉えるよう伝令を出す。

成蟜は瑠衣が幽閉されている場所に向かって走っていた。その途中に敵兵と出くわし、交戦状態となる。成蟜は剣を振るい、敵兵を倒していく。しかし、寿白の腹が貫かれるのを目の端で捉えると成蟜に隙が生じ、後ろから槍で刺される。そこに敵兵の止めの一撃が振り下ろされそうになるが、寿白は最後の力を振り絞り、その敵兵を倒す。

第376話 曲廊〜瑠衣と成蟜〜

蒲鶮の放った追跡を斬り払い、瑠衣の元へ辿り着いた成蟜。しかし、負った傷は深く、成蟜は膝をついて倒れそうになる。

そこへ牢から解放された瑠衣が駆けつけ、成蟜を抱え込む。瑠衣の目からは大粒の涙が流れていた。瑠衣を救出し共に脱出している途中に倒れてしまう。

成蟜は嫌がる瑠衣を制し、助けを呼びに行かせる。しかし、瑠衣を逃がした後、ホカクが成蟜の前に現れた‥‥。一方、脱出に成功した瑠衣は、飛信隊に遭遇。

第377話 剣と盾〜政の支え〜

成蟜は蒲鶮に立ちはだかり、先に行った瑠衣が兵を連れてくる、貴様の悪企みもここまでだと言い捨てる。成蟜は敵兵をかわすために壁づたい駆け抜けようとするも、途中で背中に槍を刺され、体制を崩される。

敵兵に止めを刺されそうになるが、衛兵がそれを体を張って阻止する。そして、成蟜は蒲鶮に向かって飛んだ。瑠衣は成蟜を助けるため、信らを連れて成蟜のもとへ急ぐが、瑠衣が駆けつけると、そこにはホカクの死体と、横たわる成蟜の姿があった。

瑠衣が成蟜を抱きかかえると、成蟜はかすかに意識を取り戻す。死の間際、瑠衣にこの先の成蟜一派を引き継ぐように命じ、政の力になるようにと伝える。成蟜は信を目に捉えると信に対し語り出した。政が蕞へ出陣する前に中華統一の話を聞いたと。

そして信にも、政にとって信は"中華統一"の道の支えとなっていること、自分が政の"剣"であり"盾"である存在であることを忘れるな、と伝え、瑠衣の腕の中で息を引き取る。

ー王弟成蟜、屯留にて死去ー

第378話 正義〜互いの正義〜

反乱軍の首魁蒲鶮を討ち取るも深い傷を負い、命を落とした王弟成蟜、屯留には慟哭が響く。咸陽から従軍してきた忠臣は成蟜の遺体を見るなり、泣き叫んだ。壁は雲隠れしていた龍羽が自分を狙って来ると読み、弓隊を伏せていた。狙いが見事当たり、龍羽は全身に矢を受け、絶命する。

反乱の首謀者・ホカクの死と、裏切り者・龍羽将軍の死により、屯留における仕組まれた反乱は鎮圧された。関係した軍吏は斬死となり、民も臨チョウへ移住させられた。信は政に一言謝りに行ってくると言い、貂と羌瘣とは行動を別にする。こうして、秦国内に大きな波紋を生んだ屯留の反乱は幕を引いた。

十日後、咸陽にて政と瑠衣と信が会って話をしていた。瑠衣は成蟜はもともと政を心底憎んでいたが、反乱後成蟜の中で変化がおき、一気に心に血が通ったように感じたと話す。瑠衣は呂不韋を勢力争いで打ち倒すしかないと決意を口にし、成蟜一派を呼び寄せ、打倒呂不韋を政に誓う。成蟜の死によって失った勢力はほんの一割程度であったのだ。

その後、信は咸陽内を歩いていると呂不韋を見かける。そして信は呂不韋の前に立ち塞がる。呂不韋は飛信隊の信であることを認識し、大王様のお友達であると側近に話す。呂不韋は武骨な信に一つ教えてやろうと言い、世に言う正義は人柄に宿るものではなく、勝った者に宿るのだと話す。信はその呂不韋の姿とみて、まだでかく見えると感じていた。

ー嬴政と呂不韋の戦いの決着まであと一年ー

第379話 新たな要所〜著雍攻略〜

成蟜反乱から時は流れ、秦と魏の旗がぶつかり合っていた。中華を狙う秦は、新たな戦を始めようとしていた。

合従軍侵攻時に、李牧と春申君によって秦が中華へ出づらくなるように国境を書きかえられていた秦は、中華進出のための新たな要所・著雍(ちょよう)を奪取するため、魏国に侵攻を始めていた。

将軍・録嗚未と将軍・隆国を率いる騰が大将となり、著雍一帯を攻めていたが、魏軍は第一将である呉鳳明が陣頭指揮を執ることにより、昨日までの戦い方とは異なっていた。

さらに呉慶と共に中華を荒らした豪傑三人も引き連れていた。騰軍はさらなる戦力増大のため、周囲の戦場にいる部隊を著雍に呼び寄せる。そして著雍に飛信隊と玉鳳隊が揃う。

第380話 私情と戦略〜王賁の真意〜

騰の本陣に一同が集まり、作戦会議が開かれる。隆国によると、魏軍には呉鳳明だけでなく、『正体不明の3軍』が現れたという。その3軍はわずか1日で立ち寄った秦の城を3つも陥落させたらしい。

謎の3軍は、計6万の大規模な軍である上に、魏軍のおいた布陣に付け入る隙は一分たりともなく、騰は、現在北の趙国境付近にいる王翦軍に援軍の要請を出すつもりだと話す。それを聞いた王賁は、激しく反対。

多少の私情を挟んでいることは認めつつ、今王翦軍が趙の国境を離れれば、趙が秦の東部を攻略せんと侵攻を深めてくるであろうと予想され、下手をすれば魏・趙の両軍を相手にする羽目にもなりかねないと推測。

王賁は、一箇所では直ぐ立て直しをされ、逆に窮地に陥るが、三箇所を同日同刻に落とすことにより、攻略は可能だと断言。情報漏洩を防ぐため、3軍は連携を取らず「3日目の昼 日が天の真上に昇る刻」に、「3軍全てが魏軍本陣に突入する」という策を打ちたてた。

第381話 古い人間〜呉鳳明の師〜

魏軍本陣。魏の本営に開戦の報が入る。そこには呉鳳明と援軍で来た三人のうちの一人である霊凰がいた。呉鳳明が呼び寄せていた謎の3軍は、かつて中華に名を馳せた魏国7人の大将軍・『魏火龍七師(ぎかりゅうしちし)』の中の3人だった。

霊凰は自分を古い人間であり、六将、三大天と渡り合った将であるため、今回の戦いでは騰を殺しに来た言い、出陣する。録嗚未が王賁提案の三軍は騰と隆国と自分だと言う。

しかし、王賁は録嗚未と玉鳳隊と飛信隊と言う。騰を主攻の一つにするのは敵の目を引きすぎてしまうため、あえて助攻にし、突破力のある三隊を主攻にする考えを示した。

第382話 魏火龍〜魏の大将軍〜

●呉鳳明の師である軍略家・"霊凰(れいおう)"、
●あげた武将首は百を超す剛将・"凱孟(がいもう)"、
●魏国史最強の槍使い・"紫伯(しはく)"。

長き戦歴の記憶にある、かつて見覚えのある軍旗。そこには火龍の印に霊の文字が記されていた。それは魏火龍霊凰を表すものであったが、騰の記憶の中では既に死んでいるはずの人物であった。

騰は一度退って立て直そうとするが、早くもそこに乱美迫が表れ、騰に斬り込む。互いの刃が一度交差するものの、騰はすぐに後退する。乱美迫は王騎や摎が手を焼いた強者であり、相手にしていると霊凰の策にはまると考えた。

魏の矛戟を振るった七人の大将軍、魏火龍七師。魏火龍七師は六将、三大天に並び中華の大乱を彩った英雄達。かつて先代の王の時代、同士討ちを行ったせいで14年間投獄されていたという3人は、世間では死んだものとされていた。

しかし、此度の戦にあたり、呉鳳明の懇願によって開放されたのである。霊凰は、右腕である乱美迫(らんびはく)を騰軍にぶつける。そして剛将・凱孟は信に狙いを定め、飛信隊に突撃してくるー。