2016年11月に発売された週刊ヤングジャンプで連載中『キングダム』44巻の感想ネタバレまとめ
傷だらけの飛信隊、空前絶後の武功へ! 黒羊に干戈交える音が鳴り響く中、飛信隊が大武功へ挑む!! その一撃は届くか!? そして、趙軍の隠れた名将・紀彗の信念が戦を思わぬ方向へと導く!! 沈黙を破った桓騎の奇策が秦趙両軍に巨大な影を落とす…!? 黒羊戦は佳境へ!!
目次
第471話 執念の追撃戦
第472話 狩人の落日
第473話 歓喜の撤退
第474話 趙将の正念場
第475話 動揺のその先
第476話 煙の真実
第477話 矜持の咆哮
第478話 殴り込みの末
第479話 尾平の叫び
本編あらすじ
第471話 執念の追撃戦
鉄壁なる陣形へ渾身の突進。信の背中が飛信隊の士気と気力を支える。田有達飛信隊は信の背中を見る度に説明できない力が湧いてきて、慶舎兵をなぎ倒していった。劉冬はその様子を見て、羌瘣の隊を抑えるのを止め、慶舎を助けに行こうとする。しかし、羌瘣の一閃が劉冬に舞い降り、それを阻む。劉冬はその一閃により、脇腹に傷を負うが、羌瘣も傷口が開いてしまったのだ。そして、羌瘣は劉冬の足止めをすべく、一騎討ちの形に持ち込んだのだ。
第472話 狩人の落日
信は刃に持てる全てを込め、慶舎を斬り裂こうとする。しかし、慶舎の剣の一振りが信の力を上回り、馬ごと吹き飛ばされる。飛信隊の隊員は慶舎の華奢な体になぜ信を吹き飛ばせるほどの力があるのか疑問を持つが、信が趙三大天を狙っている慶舎の刃が軽いわけがないと理解していた。
河了貂は遠くから一騎討ちの様子を伺っていたが、慶舎は本当に大物であると認識し、今の趙軍の五本の指に入るほどであり、それをこの場で討ち取れるのであれば、趙国にとって大打撃であると同時に最大級の武功になると確信していた。
第473話 歓喜の撤退
慶舎は信の渾身の一刀に崩れ落ちる。李牧に恩返ししきれなかったことを悔やみつつ、息をひきとる。信は右手を空に突き上げ、慶舎の首を討ち取ったことを全力で叫ぶ。その咆哮に飛信隊は最高潮に喜び盛り上がる。しかし、趙兵が迫り来る中、急いで退却する必要があった。
羌瘣は劉冬に緑穂を突き刺し、致命傷を与えていた。劉冬は地に倒れつつも羌瘣に離眼へは行かせぬと最期の力を振り絞り口にした。羌瘣は口約束だが、劉冬が恐れるようなことは離眼では起こさせないと誓い、劉冬に偶像を返す。劉冬はそれを受け取ると息を引き取る。
第474話 趙将の正念場
金毛と紀彗は丘の頂上で向かい合う。金毛は顔面蒼白しており、慶舎の死をまだ受け止められないでいた。しかし、こうなった以上被害を最小限にするために黒羊から撤退をしようと決断する。しかし、紀彗は退却はせぬ、ここから立て直すのだと金毛に詰め寄る。
金毛は総大将慶舎が討たれたのに何を言っているのだと反論するが、紀彗はまだ誰も気付いていない、慶舎は誰も見ていない丘の裏側で討たれ、討った飛信隊はその裏の樹海地を逃走中で桓騎軍内で広まることはない、混乱させぬよう趙軍内にも広めていないため、お互いが黙っていれば慶舎の死を隠したまま、紀彗と金毛で黒羊戦を続けられると説得する。
第475話 動揺のその先
桓騎軍の眼前には中央の丘を制した趙軍の多数の旗が風になびいていた。桓騎は中央丘争奪戦を放棄したことにより、桓騎軍の陣内には動揺と怒りが漂っていた。桓騎とリン玉は天幕の中に入る。そこには雷土、摩論、黒桜がおり、それぞれ怒りの表情を露わにしていた。摩論は桓騎に対して、今日の丘撤退がどうしても納得がいかなく、理由を教えて頂きたいと口を開く。雷土は桓騎のことは信じているが、丘取り合戦から方針が変わったのなら、説明してほしいと意見した。
紀彗と金毛は丘の頂上に立ち、桓騎の動向を怪しんでいた。しかし、紀彗は黒羊はこの中央丘を手にした者が黒羊の勝者となることは間違いなく、夜を徹して丘を砦化することにより、明日以降絶対に丘へ登らせぬと強く決意する。明日一日桓騎軍の攻めを受け止め、砦化が進められれば、この中央丘は不落となり黒羊戦に勝利できると確信していた。
第476話 煙の真実
信達は羌瘣の後を追うとある集落に辿り着く。そこは家屋が全て焼かれているものの、死体もなく、全く人の気配がなかった。しかし、信はふと岩の陰に気配を感じ、馬を走らせる。そこには桓騎軍が集落の人の死体を車に積み上げているところであった。信はそれを見て何をしてると聞いてんだクロ野郎どもがと叫ぶ。しかし、そこは渕さんと貂が身体を張って止める。乱銅の時とは異なり、上には桓騎がいるためただではすまなくなるからであった。
羌瘣はお前らがやったのかと桓騎兵に問うと桓騎兵はだったら何だよガキと答える。羌瘣はそれを聞き、そこにいた五、六人を斬り捨てる。その光景を見た桓騎兵は恐れおののき、全部お頭の命令でやっただけだと叫ぶ。それを聞いた信と羌瘣は怒りの矛先を桓騎に向かわせた。
第477話 矜持の咆哮
残虐の限りの光景に怒りの眼を浮かべる信と羌瘣。火球の如く桓騎の元へ馬を走らせる。貂は行ってはダメだと止めるが二人は聞く耳を持たなかった。貂は田有と去亥に信たちを追うように指示し、渕さん達には散っている小隊を探して飛信隊を一ヶ所にまとめ、いつでも戦闘になっていいよう臨戦体形を組むよう指示する。それは下手をすれば飛信隊と桓騎軍の戦争の可能性を意味していた。
第478話 殴り込みの末
秦軍内の対立の中、リン玉に連れられ、尾平が信達の前へと急ぐ。桓騎は信に対して、中華統一すれば戦がなくなる平和な世が来ると言いたいだろうが、それは極悪人の所業であり、敵国が抵抗できなくなるまで殺戮、略奪をし尽くすことで、それを喜ぶのは秦人だけだと断言する。さらに狂気じみた正義を振りかざすのが一番タチが悪いと続ける。
第479話 尾平の叫び
尾平の頭に幾重にも反芻する信の涙と拳。飛信隊脱退を告げられた尾平は一人佇んでいた。尾平は信に殴られた後、羌瘣に縋るが、羌瘣は尾平の頬を殴り、自業自得だと怒る。信と同郷で一番の古参のくせに全く飛信隊のことがわかってないと吐き捨てる。桓騎はシラけたなと呟き、信達にもう行っていいぞと興味を失っていた。信はまだ話は終わってないと睨むが、桓騎はすでに村焼きは全部終わっており、これ以上はなく、気が変わる前に失せろと返す。