1998年から2001年まで週刊ヤングサンデーで連載していた『殺し屋1』の最終巻10巻の最終回(最終話)を含めた感想ネタバレまとめ。結末(ラスト)はいかに!?
平和の新宿(ハイキョ)計画は、いよいよ最終局面へ。垣原組の生き残りは、もはや垣原のみ!!勝つのはイチか垣原か!?隠されたジジイの欲望とは!?「ホムンクルス」「新のぞき屋」の山本英夫が贈る伝説的バイオレンス・エンターテイメント最終巻!!
前回までのあらすじ
ついにイチが双子の三郎を殺して垣原の前に現れる。完全に妄想の世界に入っているイチは垣原を昔イジメられていた滝原と思っている。そんなイチを愛がない故に美しい。美しさがない故に愛がある。まさに聖人だけが持てる矛盾を持っていると垣原は分析。そんな変態を待っていたと垣原は嬉しそう。
垣原のパワーがイチを現実に戻す。切断された左腕でイチを攻撃する垣原。金子が発砲するも防弾スーツを着ているイチには効かない。過去のトラウマを思い出し、また泣き顔のイチ。完璧に戻ったイチは、金子の左足を切断し、踵落としで金子の首元に刃を打ち下ろす。残るは垣原のみ。マンションの高見から楽しそうに見ているジジイ。最終決着はどうなる!?
本編あらすじ
垣原はイチのキックを口で受けとめるも強力な脚力で歯が全部抜けてしまう。服も切られて、アソコも真っ二つ。
マゾヒズムの垣原が、痛みを感じ始める。これまで痛みを性という価値観に置き換えて楽しんでいたが、脳とは別に身体が危険を察知してしまった。ついに恐怖を感じた垣原は逃げるも、泣きながら追いかけてくるイチ。初めての絶望を味わっている垣原。
隣のビルに飛び移るも、片手ではふんばりきれない。イチがシューズを投げて右手の指が三本切断されるも指二本で粘る垣原だが、最後はハトのフンで指が滑り飛び降り死。
イチが部屋でナニしていると電話がかかってくる。電話の主はカレンだった。ジジイがシナリオを書いて、カレンに依頼して電話(テレフォンSMプレイ)をかけており、カレンにはイチは政治家のボンボン息子だと説明する。
裏では味方であるはずのカレンまでイチに殺しを依頼するジジイ。ジジイの手引きでラブホテルの一室でイチとカレンが初めて会う。イチはカレンを中学時代の同級生である立花だと認識しており得意の足技で喉を刺して殺す。その後バッティングセンターで爽快感と満足感のある表情。
三年後。イチの凄いところは瞬発的に妄想に浸れるところであり、その妄想を現実に応用して人を殺せる点だった。イチの妄想は事実が60%で、残り40%はジジイが殺す相手に見合った妄想が植え付けていた。
ただそんなイチも一年、新宿にいただけでダメになってしまったとジジイは嘆く。欲望が新宿にありすぎたせいだと語る。自分が安心して死ねるにはまだまだ平和でなさすぎると言い、ジジイの理想は砂漠のように平和な廃墟だと語る。
自分を魅了するものをこの世に残したくない。自分が死んだ後に楽しいことがあると思ったらオチオチ成仏もできないというのがジジイの本音であり、目的だった。
現在ではヤクザの金子の息子・金子タケシが新しい殺人マシーンとして活躍。長髪になってキャバクラで遊んでいるイチ。すっかり都会に馴染んでいる。歌舞伎町に新しい組織がまた表れている。石をぶつけてしまったが、今度は気色悪い笑顔ではなく普通の泣き顔になってしまっていた…。
***感想・評価・考察***
殺し屋1 新装版 コミック 全5巻完結セット (ビッグコミックススペシャル)
- 作者: 山本英夫
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2015/06/30
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歌舞伎町の闇を舞台にした変態ヤクザと、変態サイコパス殺し屋の対決を描いた珠玉のエログロバイオレンス漫画。ハードすぎる残酷描写が持ち味の本作は女性ならトラウマ必至です。
最後の結末が少し物足りなくて、イチは殺し屋マシーンとして現役なのか、それとも引退したのか、金子タケシは殺人マシーンとして優秀なのか、殺し屋になる経緯などが気になりました。
実写映画化もされた本作。原作とは少し違うものの残酷な描写部分もリアルに再現されており、B級映画の名作と言えます。実写版では垣原雅雄役を浅野忠信が怪演。
漫画の舞台となっているヤクザマンションは歌舞伎町ライオンズマンションという名前で実在しており、色々と事件も起きている評判の物件みたいです。
殺し屋1番外編(誕生編)も出版されています。番外編ではイチの学生時代のエピソードが描かれており、こちらも面白いです。