1995年から1996年まで週刊少年ジャンプで連載していた『水のともだちカッパーマン』最終巻3巻の最終回(最終話)を含めた感想ネタバレまとめです。結末(ラスト)はいかに!?
【人類の存亡を賭けた大決戦】母を攫った魔物は、300年前に地球に飛来し、妖怪たちによって封印された宇宙人!?衝撃の事実を知った河太郎は、魔物の住処である風の谷へ向かう。しかし、環境汚染によって妖怪たちが激減した現代では、魔物との戦力差は圧倒的。果たして河太郎たちに勝ち目はあるのか!?
目次
第16話 妖怪のいた谷の巻
第17話 妖怪たちの住処の巻
第18話 対戦の巻
第19話 対決 風の谷の巻
第20話 母と子の絆の巻
第21話 宇宙の掟の巻
最終話 さよならカッパーマンの巻
本編あらすじ
風の谷の山間を廃棄物処理場にしてしまった人間。そのせいで風の谷の妖怪はどこかへ姿を消してしまっていた。妖怪たちが住める環境ではなくなってしまっていたのだ。
山には川菊おばさん(推定300歳)がおり、一人で谷を守っていた。川菊は魔物が蘇ったことを邪気の乱れでとうに知っていたが、谷の自然を荒らした人間のために戦うことはないとして静観を決め込んでいる。
そこに突如現れる魔物。かつては妖怪の住処だった自然が人間によって汚染され、今は河童一匹であることを嘲笑する。一方的にやられる河太郎だが村の駐在の見回りによって間一髪で難を逃れる。
囚われの身である母親のところには『傘ばけ』が出現。友達と二人だけで来た傘ばけが言うには、「地下の卵には強力な結界が張っているため指一本触れられない」とのことだった。
一方、異星人は卵を強制孵化させ、子供を食べることでパワーアップした。3個分の卵を食べたことで姿は大仏のような姿に変身する。
翌日ついに風の谷に辿り着いた河太郎。川の中で戦おうとする作戦を封じられるが、雨を呼べる妖怪・小雨坊によって一時的に大雨が降らされ、河太郎は体力回復でき、パワーアップ。ようやく川の中に対決を持ち込むことが出来た。
水の中では無敵状態の河太郎。不死身と思われた魔物が体を再生させるたびに闘気が下がっていることにも気づく。水中では勝ち目がないとして地上に飛び出す魔物についていく河太郎だが、水上で人間の警察官に撃たれてしまい怪我をしてしまう。河太郎は水中にいても自然治癒能力が起きず傷が塞がらないことに驚愕する。廃棄物処理場のゴミから発生する有毒な物質が川に流されていたのだった。
戦意を失ってしまった河太郎だったが、母親の声援でもう一度力を取り戻す。傷口も母親が舐めてくれたおかげで治った。河太郎が小さいころはこうして治していた。一気に形勢逆転するが、倒される一歩手前で魔物は自分の卵の巣にいき、すべての卵を食べてパワーアップすることに成功。
巨大な姿になって河太郎を追い詰めるも、少しずつ姿が元の大きさに戻ってしまう。実は廃棄物処理場に持ち込まれるゴミの中には燃やすと有害物質を出す塩化ビニール系のゴミもあり、それが自然発火し史上最強の毒物ダイオキシンを化学合成していたのだった。
安全のために敷かれた処理場のシートの底が破れ、ダイオキシンは汚水とともに地下水に混入し、その水は地下水脈を通って卵の巣に達していた。天敵の妖怪を減らしてくれたゴミの山に今度は自分の卵が汚染される皮肉な結果になってしまった。
侵略する価値もないとして宇宙船で地球を脱出しようとするが、復活した河太郎との最後の戦いがおこなわれる。予期せぬ突然のスコールで陸の上でも無敵状態に。天国の妖怪たちも河太郎に味方したため、倒される魔物。
最終話
死ぬ前に宇宙船の中の水素爆弾を爆発させる遠隔スイッチを押す。あと10分でこの星が破壊される絶体絶命のピンチに。宇宙船を地球外へ運び出そうとするも天狗だけでは力不足で宇宙船はビクともしない。
河太郎はみずから犠牲になることを承知で宇宙船に飛び移り必殺の『カッ波』で猫またと一緒に地球外に。そして宇宙船は大気圏外で爆発。地球は妖怪たちの犠牲によって守られた。一か月後、また何事もない日常が繰り返される。カラスにあらされたゴミ袋を掃除する舞。ここに完結。
***感想・評価・考察***
『ジャングルの王者ターちゃん』の作者らしい自然をテーマにした少しエッチな社会派妖怪ギャグ漫画でした。ジャンプ連載当時はダイオキシンの知名度が低かったものの、その後日本各地で深刻なダイオキシン問題が発生。時代を先どっていた漫画でした。3巻で完結と短いながらも面白かったですね。小学生に読んでほしい社会派漫画としておススメしたいです。