エログロ漫画として注目している『リバーシブルマン』感想ネタバレ第5巻まとめ。
警視庁は深夜に慈笑会病院に対して大捜査を敢行。同じ時刻に隣の植物園で対決していたキュータローと三枝(通称3)の元にロクとハチも合流。しかし、決着をつける前に警察が乗り込んできそうになったため三枝は一時撤退。去り際にロクを見ながら「知ってるぞ…キサマを…」「血が語りかけてくる」という謎の言葉を残して…。
その頃、首相官邸の地下にある危機管理センターではカルト集団のメガネ男の口から現れたのは肆矢!?マリアに殺されたと思われたが、ウラガエリとして蘇ったのか!?
翌日、警視庁審査の大捜査が新聞を賑わす。警察は肝心の臓器売買や人体実験に関する証拠を掴むことはできなかったが、植物園に残されていた高校ラグビー部の舌から一人の人物が浮かび上がってくる。10余年前の新宿抗争を発端とした某国を巻き込むナンバーズの悪夢がまた再燃することを懸念する警察。
~10余年前~
閻魔の3と呼ばれた三枝も昔は温厚な性格で「仏の3」と呼ばれていた。当時、新宿界隈で勢いのあった暴力団・松蔭組の中にナンバーズと呼ばれる男たちがいた。そのナンバーズのひとり三枝が対抗勢力に拉致されたことから全ては始まった。
ドラム缶で両脚を固められ、指は折られ、そのツメは全て剥がされる。身体中の骨はへし折られ、内臓に達するまでえぐられた跡がいくつも残りほどの拷問。拷問の限りを尽くされて東京湾に沈められる直前に、何らかの方法で拘束を解き、その場にいた対抗勢力の数名を殺して脱出。頭蓋骨も激しく損傷する大怪我を負っていながら涼しい顔で組に戻った三枝。
重傷を負いながらも生還した三枝だが、頭蓋骨損傷の後遺症で言葉が不自由になってしまい、何より二度とホトケの微笑を浮かべることはなかった。帰ってきてスグに三枝は親である松蔭組組長を斬りつけて、組長は植物状態に。ハチさえも知らない真実。それを知っているのは策謀したナンバーズとロクのみ。
すべては松蔭組筆頭若頭の江黒一平(通称1)と肆矢が仕組んだものだった。拷問を与えて3をウラガエらせようとしたが失敗。それでも利用価値がある三枝は生かされ、頭に埋め込まれたチップのせいでナンバーズの傀儡になってしまう。仏の3から嘘を許さない情け容赦ない閻魔の3となるのだった…。拉致した犯人は組長だと偽の情報を与えられた結果だった。
~さらに遡ること五年~
199〇年の夏、ある病院でウラガエリの躰の一部を移植する再生医療の研究をしている丸山医師。その研究に賛同し研究費を支援するのは肆矢だった。
肆矢幸四郎(通称4)は元々は松蔭組に出入りしていた準構成員だった。表向きの仕事は女衒。ソープに沈めそうな女性を斡旋する斡旋屋であった。一部の人間はその言動や身なりからカネ貸しと思う者もいた。
そこで若頭の呉隆治(通称5)や筆頭若頭の江黒(通称1)と知り合う。そのとき既に江黒はウラガエッており、それを見抜いた肆矢はパトロンとして支援を願い出る。
肆矢は将来的に暴力団排除条例でヤクザの世界が一変することを見抜いており、松蔭組は地下に潜り闇の商社として世界を牛耳ることを提案。4と1、この2人の出会いが最悪の歯車を動かし始めた。
手始めに肆矢にとって不要な人間や組織を排除する為の血の粛清をおこなった。その粛清は闇の世界への死のプレゼンテーションだった。駆け足のごとく、やがて1年も経たぬうち、肆矢の描いた絵のように松蔭組は変革をしていった。
しかし三枝は組を割ることだけは拒否したため肆矢から狙われる羽目に。同じ頃、肆矢から組織をおびやかしかねない危険人物として絆路仁三郎(通称6)がマークされ始める。
肆矢によって拉致された三枝は、心の支えである双子の兄やロクへの危害を示唆されたことでウラガエリの兆候が始まる。しかし、脳の一部がウラガエッただけにすぎなかった。多少の障害が残ることを理解しながら脳に管理チップを埋め込んだため、言語障害残ってしまうが、肆矢は「この世の嘘を根絶やすこと」と三枝の洗脳に成功する。
その後、組長が三枝によって植物状態になってしまったため松蔭組筆頭組頭・江黒一平が正式に二代目松蔭組組長を襲名した。新生松蔭組は肆矢の筋書き通り、対抗勢力の暴挙にあえて直接報復はせず静観を貫いた。
しかし、その裏では圧倒的な闇マーケットで他勢力を制圧し、裏社会の勢力図を徐々に塗り替えていった。そして松蔭組はやがて深く…当局すら手の届かぬ闇へと潜っていったのである。
ほどなく三枝、ロクをはじめ数名の構成員を残し松蔭組は事実上の解散状態となる。その頃、女装で血塗れの恐喝や強請を繰り返す三枝の噂に国際警察が、アモル共和国国家元首の異母兄を殺害したとされる長身の女はひょっとして松蔭組の三枝ではないのかと疑惑の目を向け始めた。
国際指名手配された三枝を追った警察がガサに入った時には松蔭組はほとんどもむけのカラ。肆矢によってナンバーズをはじめ主要な幹部たちは完全に地下に潜った後だった。
その頃、ロクは妻を肆矢の傘下のアジアンマフィアに拉致され、アジア中を捜しまわっていた。そしてそれを画策したのが三枝。いくら肆矢に頭をコントロールされていたとはいえ組長を斬った実行犯の三枝を「ヤクザのけじめ」として許せる訳がない。ロクは兄貴分の三枝を殺す決意をするのだった。
~2011年~
逃亡している三枝からロクは呼び出される。殺されに来たのだと直感するロク。ロクは決闘の末に三枝の頭蓋骨に日本刀を叩きつける。死ぬ間際に同性愛者や性同一性障害でもないと告白する三枝。自分自身はただの嘘つきだと話しながら、身体が膨れ上がりウラガエリが起きる。
しかし、異形の姿になっても完全なウラガエリではないことを自覚している三枝は頭に埋め込まれた爆弾装置を強引に外し頭部と右半身が吹き飛ぶ。
三枝との因縁の決着がついたかと思われたが、その裏では臓器移植をしている丸山医師により「弟さんと1つになるのです」と言われ移植手術がおこなわれた!?つまり現在の三枝は兄の意識であることが明らかになる!
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時は現代に戻り、病院内で船戸資が肆矢と三枝によって誘拐される。肆矢は「その子は私の次の宿り木です」という謎の言葉。そして植物人間状態の松蔭組組長の病室で生命活動に大切なチューブを切断しようと…!?
***感想・評価・考察***
第5巻は過去の回想が中心。ついにナンバーズの存在が明らかになり登場人物のフルネームも明確になってきました。いまのところまだわからないのが2に関する人物ですが、双羽という名前だけが明かされており、おそらく「ふたば」と読むのではないかと考えられます。第6巻ですべての経緯が明らかになりそうな予感。そして最終回・結末も近くなっている?乞うご期待!