山本英夫による『さよなら身体』の最終回(最終話)を含めた感想ネタバレまとめです。結末(ラスト)はいかに!?
『殺し屋1』『ホムンクルス』『HIKARI-MAN』の鬼才・山本英夫が描く異形のラブストーリー。死ぬって、どんな感じだろう? 好奇心の極北へ--男と女。これは…愛の物語だ。
本編あらすじ
海を目前にした丘で車椅子に乗っているカズキとマユミ。あたりには様々な動物たちが沢山いる。カズキの「最後だろうから目に焼きつけておくよ」というセリフから、なんらかの病気で長くないことが分かる。
カズキは、マユミをろくに触ることさえできないほど俺の身体は弱ったと嘆き、「俺が操縦するにはこの身体は大きすぎる」と目の前にいる犬に倒れ込むと、カズキは泡になり犬に吸い込まれてしまった。
カズキが消えたことにマユミが驚いていると、犬がキスをしてきた。そのベロ使いから犬の身体にカズキの魂が入ったことを理解する。犬にお弁当をあげて、一緒に走る。
しばらくすると犬の呼吸が粗くなり苦しそうにしている。ヨロヨロと歩き出すと今度はアライグマの前で泡となり、泡はアライグマに吸い込まれる。
アライグマがマユミの胸を触ってくる仕草からカズキの魂がまた移動したと気づく。一緒に歩いていると、また苦しそうになり今度はスズメに移動する。スズメになって自由に空を飛ぶカズキ。そして突然落下したかと思えば次にトンボに乗り移る。
どんどん身体の小さな生物に乗り移っていく。マユミは「こんなにちっちゃな身体しか操縦できないくらいカズキの魂は小さくなってしまったんだね」と呟く。マユミがありがとうと伝えると、トンボの目から涙が流れる。
そして、そのままトンボは海の方向に飛び去って行った。振り向くとカズキは亡くなっており、カズキもまた泣いていた…。夕暮れを背に車椅子を押して帰るマユミのシーンで終了。
***感想・評価・考察***
こんなのも書いていたんだと知って、165円だったので興味半分で購入。面白いが61ぺージしかない短編ストーリーの短さからの物足りさを感じてしまった。文字も少ないので1分で読み終わる。山本英夫らしい独特な雰囲気の面白さはあるが、おススメするほどではない。ペットボトル1本分の値段なので、値段相応ではある。