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【新・コータローまかりとおる!】感想ネタバレ第27巻(最終回・最終話・結末)まとめ

1995年から2001年まで週刊少年マガジンで連載していた『新・コータローまかりとおる!』の最終巻27巻の最終回(最終話)を含めた感想ネタバレまとめ。結末(ラスト)はいかに!?

新・コータローまかりとおる!(27) (週刊少年マガジンコミックス)

新・コータローまかりとおる!(27) (週刊少年マガジンコミックス)

 

ついに鶴ヶ峰学園一の柔道部が決まる―!!全国大会出場権と新道場を獲得するのは第一柔道部か!?極端流か!?いよいよ大将戦!! 功太郎と伊賀が、武道家としての意地をかけ激闘を開始!!追いこまれるほどに100%の力を発揮できる功太郎が魅せる柔道とは…!?「柔道編」堂々の最終幕!!

前回までのあらすじ

先鋒戦:渡瀬麻由美と太刀根コユリは渡瀬麻由美の勝利。

次鋒戦:三船久三と美杉留美子は三船久三の勝利。

極端流柔道部は2戦2勝で中堅戦が始まる。

本編あらすじ

西郷三四郎と多古清海の中堅戦。周囲も白熱する程の熱戦。お互い攻めの姿勢を貫き一進一退の攻防が続く。三四郎の山嵐を多古が防ぎ、お互い決定打を欠き、両者引き分けとなる。

後百太郎と井伊カガリの副将戦。2勝1分で優勝は目前ながら力み過ぎていた百太郎が井伊カガリに秒殺される。あまりにも意外な結果に両陣営とも茫然自失。決着は大将戦に持ち越される。

新堂功太郎と伊賀稔彦の大将戦。過去最多参加数で加熱した学内予選。その原因となった新道場争いも両名が発端。ついに因縁の両者が相まみえる。開始早々、功太郎の意表をつく先制攻撃。体操に近い変則的な動きから近づくが、惑わされることなく敏速に対応する伊賀。同じ攻撃を再度仕掛けると伊賀の裏投げの餌食になるが、バク転の要領で躱し有効技にならない。功太郎が襟を掴みにいった瞬間ついに伊賀稔彦の一本背負いが炸裂し伊賀稔彦の勝利。

一本背負いでの早々の決着に不完全燃焼の伊賀だが、続く代表戦を見越して一本背負いのリズムを覚えるためにわざと技をもらっていた功太郎。代表戦が始まると今度は伊賀が速攻を仕掛け、得意の一本背負いで有効。ポイントをとられた功太郎だが、周囲はむしろ本気で一本背負いをだしたのに有効止まりだったことに驚く。

そこからまさかの寝技を仕掛ける功太郎。意表を突いた功太郎の送襟絞めだが、すぐに返され逆袈裟で抑え込まれるハイレベルな寝技の攻防が続く。腕ひしぎ十字固めを間一髪で体を捻って逃れる伊賀。相手の腕を折る覚悟で技を出していることを察知した伊賀はついに功太郎が本気を出してきたことを悟る。

立ち技での応酬から伊賀が一本背負いで反撃。体を捻ってかわそうとする功太郎だが、背負い落としに変化させて技ありを奪われる。

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追い込まれた功太郎が出足払いから大内刈からの変形内股をかけるが組手が不十分でこらえる。激しい攻防から一転、両者とも変形の組手のまま静止する。伊賀が必殺の一本背負いを仕掛けようとした瞬間、無拍子からの一本背負いで功太郎が勝利する。

試合後、功太郎は「オレとの賭けは忘れてねーよな」と試合前に決めた「勝ったら命令に絶対服従」という約束を伝える。どんな命令にも服従しますと言う伊賀にご満悦。ただしその約束は個人間の話であって「極端流は勝つ必要はない」と功太郎みずから三船フネの面を外して身代わりの一件を発覚させる!?

極端流柔道部は失格につき学内予選大会は柔道部門優勝は第一柔道部に決定。こうして激闘の学内予選は幕を閉じた。そして極端流柔道部は解散した…。

最終話

「驚異の白帯一年生!百余年の歳月を経て吹き荒れる山嵐!」「竜巻も暴れる!一部関係者のみ知られていた噂の伊賀!ついに実力証明!」「今年のインターハイにおいて強力な台風の目になることは確実」と見出し記事が踊る新聞を読んでいる後百太郎。後百太郎は学内予選が終わったあと元の応援団に戻っていった。

柔道部門では男女ともに県大会優勝を成し遂げ、新・秒殺コンビと書かれた写真も新聞に掲載されている。三船久三も第一柔道部に戻り、県大会にレギュラーとして活躍していることが明らかになる。

三四郎の回想によって絶対服従命令として第一柔道部をクビにされていた三四郎を第一柔道部に復帰させることを約束させていた。驚く三四郎だが、麻由美から功太郎が柔道を始めた目的の一つが三四郎を元の部に戻すことであったことが告げられる。そして賞品である土地と新道場は極端流空手部がもらうと宣言していたのだった。

いつのまにか季節はすでに夏を迎えた。通学途中に三船久三と会う三四郎。久三は「あとは新道場さえ建てば大団円だね!」と語る横を功太郎が走っている。実は新道場で見させられていたミニチュア模型が、そのまま賞品の新道場であり、怒り心頭の功太郎は会長室に殴り込みにいくところだった。

あの怪鳥ヤローめ!と走り去ろうとする功太郎を呼び止めた西郷は「いつかまた…一緒に柔道をやってください!」と伝えると、功太郎は「まずはイカ君に勝ちな!そしたら相手してやらぁ」と楽しそうに語る。押忍!頑張ります!と爽やかに挨拶して完結。

***感想・評価・考察***

格闘漫画としてベスト10には間違いなく入る名作漫画。前作と違い第1巻から画力が安定しており、迫力あるシーンも多いことからコータローまかりとおるシリーズ最高傑作として挙げる人も多い。

意外にも柔道系で長期連載した作品は『柔道部物語』や『帯をギュッとね』ぐらいで少ない。特に90年代以降は代表らしい代表作が生まれておらず、非常に高い画力が求められ物語も面白くないと人気が出ない難しいジャンルであることがわかる。

新・コータローまかりとおる!はマンモス高校の学内予選というストーリー、ギャグ漫画の体裁、荒唐無稽な主人公や登場人物という設定のため多少の誇張・事実との矛盾点も読者に受けとめられる土壌ができている。作者の蛭田達也さんが病気療養中で休載してから長いこと経ちますが再開(復帰)してくれることをのんびり待ち続けたいと思います。