2016年からeヤングマガジンで連載中の『食糧人類』感想ネタバレ第1巻まとめ
食糧人類-Starving Anonymous-(1) (ヤンマガKCスペシャル)
- 作者: イナベカズ,水谷健吾,蔵石ユウ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/09/20
- メディア: コミック
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ある日、高校生の伊江とカズの2人は、学校からバスで帰宅する途中、車中に催眠ガスを撒かれ拉致されてしまう。目が覚めると、そこは人が敷き詰められたトラックの上。辺りには冷凍された裸の人間たちが並び、生きた人間たちによって解体されていた…。ここは一体どこなのか?この地獄から、脱出する術はあるのか?『アポカリプスの砦』のコンビが挑む、人類生存を賭けた“食物連鎖”パニック!
本編あらすじ
マクドナルドのような店舗でチキンナゲットを食べている主人公の伊江(いえ)と友人のカズ。カズが「このテの店はピンクスライム肉を使っているね」「捨てるしかないクズ肉を集めて、洗濯機へブチ込んで、洗剤で洗って…」と話していると店員から「お客様、他のお客様もいらっしゃいますので、お静かにお願いいたします。」と注意されてしまい店舗を出る。
3月なのに真夏のような気候。道端では政治家の街頭演説「年々温暖化が進み、地上で人間が住める場所は100年前の1000分の1にまで激減しました」。2人はバスに乗り込む。スマホのニュースでは「日本がまたも最高気温記録更新!」「全国各地で集団失踪事件が多発」と流れている。
「カズはこんな滅びそうな世の中で学者を目指してんだよな?」「気象学者な」「なんでそんな難しそーなモノ目指してんだよ?」「こんな世の中だから需要があんだろ?相当給料とかイイと思うんだ」「うわぁー俗物―」。そういう伊江は画家志望を指摘され恥ずかしそうにする。
バカ話を終えると「じーちゃんとばーちゃんが熱中症で死んじゃってな…」と本音をこぼす。「大学の授業料はバカみてーに高いけど、親も許可してくれたし」「じゃあ地球の未来はお前に任せるよ。」
そう言いながら伊江がカズを見ると意識を失っており、他のバスの乗客も皆意識を失っている。運転手の方へ移動すると、ガスマスク姿の運転手が現れた。伊江は異常な事態を尋ねるも、伊江自身も意識を失い膝から崩れ落ちた。
ゴウンゴウンゴウンゴウン
大きな音で伊江が意識を取り戻すと、そこは見知らぬ場所だった。起き上がると地面がグニャッと柔らかい。たくさんの人間が意識を失っているトラックの荷台のような中で一緒に運ばれていた。荷台の外を見ていると、防護服を着た人間が、凍って死んでいる人間を並べている。
防護服の人が「ハイ、コイツ不合格。お前はコッチ」と人間を仕分けしており、不合格とされた人間には上半身にマジックで「不」と書かれていた。
別の方向に目をやると、太った人間がベルトコンベアーに仰向けに乗せられ、コンテナのような場所に入ったと思ったら、出て来た時にはカチカチに瞬間冷凍されている。これを防護服の人間が、冷凍マグロを扱うようにチュイインと冷凍人間を真っ二つに解体していた。
唖然とする伊江。「あー…お前目ぇ覚めちゃったのか?」声の方を振り返ると運転席にいる防護服の男。「ん?薬の効きが弱かったか。気の毒になあ…若ぇのになぁ…ココからは絶対に逃げらんねぇからよー。兄ちゃん覚悟決めといたほうがイイぞ。」
「覚悟とはなんですか!?ここはなんなんですか!?アレは本物の人間じゃないんですよね?ここは日本ですか!?」しかし質問は無視され「あー…お前は…Ⅱ型だな」「え?なんです?」とうろたえているその瞬間!
肩を鎌でぶっ刺した男は伊江をそのまま荷台から降ろし、何やら同僚らしき者にⅡ型であることの確認をとった上で、掛け声と共に伊江は蹴られ、そのまま滑り台の要領で落ちていった。(なんだ…コレ。なんだ?ココは?誰かいるのか?)部屋はとても暗い。
ようやく目が暗闇に慣れてくると、そこには超肥満体系の人間が大勢おり、一心不乱にチューブから何かを飲んでいる。デブの一人がいきなり「あーあーあー」と喚き出した途端にゴロンと寝そべり脱糞。みんな自我がない。
伊江は滑り落ちてきた道を振り返るのだが、入口は余りにも高く、ローラーでできているので、絶対に登れないようになっている。(いや…脇についてるこの手すりを掴みながら登れば…無理か…)と悔しそうに見つめる伊江。
とりあえず現状を把握しようとする伊江(というかコイツらは一体…ずっとなんか飲んでるけど…)その中にカズを発見する。伊江はデブをかきわけてカズの下へ!しかし、反応は「なんだ…伊江か…」「どうなってんだよコレ!どこだよココ!」「そんなことよりよ…コレ…飲まねーか?スッゲェうめーよコレ…ホラぁ」
管からジョビジョビと出るこの水(いやジュースか?何かの果物みたいな甘い匂いが…クソ…蒸し暑くて喉が渇いて…一口だけ…)
「飲むな」と後ろからチョークをかけられる!(なっ…誰だ!?)「アレを飲んだ以上は以前のアイツとは別人と思え。アレは飲む者の思考を抑制するらしい。よく見ろ。」男はデブ女にホースを向けると一心不乱に飲むデブ女。男は伊江を腕でロックしたまま離さない。
「携帯でもなんでもいい。持ってる通信手段を出せ。それが無ければ外の情報を話せ。」(何を言ってるんだこの人は…)。「出さんとこのまま腕と首を折ることになるぞ」(この力…い…息がっ…!!…死ぬのか!?)そのとき「ままま…そうそうイラ立たなくともイイじゃありませんかぁ。」と声をかけてくる眼鏡の人が!
その声と共に男は伊江を解放した。「彼は『会話を通して意思の疎通を図る』というコミュニケーションをおろそかにしがちでね。まあ我々もココに来て3日と11時間。疲労とイライラがピークに達してるんで勘弁してくださいな。」(…え?3日…?まさか…この環境に飲まず食わずで3日も?…いったいこの人たちは…)
眼鏡は「痛かった?」と伊江に近付く。「ゴメンなさいね。」そして右手で伊江の頬を触る。伊江ははねのけるが眼鏡は「貴重な水分が」と言って手についた伊江の汗を舐めとる。
眼鏡の名は山引(やまびき)と名乗り、いきなり羽交い絞めにしてきた男はナツネ。伊江も名乗る。「ここはなんですか?一体どこなんですか?」「見ての通りだよ。飼育室らしい。人間のね。恐らくここは人間の飼育室。または人間の肥育場と言うべきか」
伊江はありえないと言い、大声で「開けてください!すみませーん!」と壁を叩きながら叫んで助けを求めるが。その行為でキツネに殴られる伊江。「やはりさっき殺せば良かったな。余計なことしやがって」「来たっ…」「いいか?絶対に振り返るんじゃないぞ」とキツネに忠告される伊江。
ドアが開き、何かが入ってきた音がする。正気を失ったフリをするんだと言われ、チューブに口をつけたまま飲んでいるフリをしている伊江。目の前に触覚が現れる。太くて長い触角は人間を鞭のようにしならせ切断する。伊江の後ろには人間よりも大きい青虫のような生物が人間を食べている!!
動揺を隠せない伊江とは対照に、キツネは多くの触覚に触られながらも微動だにしていない。そうしていると触角が戻り、生物が部屋から出ていく。入れ替わりに防護服を着た2人の清掃員らしき人間が掃除しに来る。「あの幼体ずいぶん食い散らかしたなぁ」
山引とキツネはその二人を倒す。「あなたの様なタイプも大好きなんですよ実は。そのまだ誰も進入を許してないアナルに私のモノをブチ込みたいとこですが…」と言いながら清掃員に強引に水を飲ます。そうすると清掃員の男たちは抵抗することなく水を飲み始める。無事に服を奪えた二人。
服を奪った二人は部屋から出て逃げようとする。伊江も「僕も手伝います」と言うが「アレでも飲んで休んでてよ」と言う山引。「アナタが来たところでなんの役にも立たないでしょうしねぇ」と伊江を連れて行く気がない二人。
しかし伊江は「外…どうなってるか知ってるんですか?どうなってるか知らないで出るなんて無謀過ぎませんか?」と問う。血を使い施設内部の見てきた絵を描く伊江。伊江は瞬間記憶能力の持ち主であることに驚く二人「たいがいの物や風景は一度見ると映像として覚えられます」「僕抜きで外に出るのはマップなしでRPGやるようなモンでしょ」
カズも一緒に連れ出す伊江。カズを連れ出したことに口論する三人だが、そのところを防護服を着た二人組の男に見つかる。山引は機転を利かし「どうもこいつらアレが体質に合わなかった様で」「あー薬液か」「じゃコイツらは処分場行きだな」防護服の二人組は何名かの目隠しされた全裸の男たちを引き連れている。
「なんだ?お前ら「生殖種」見るの初めてか?」「なんだよーお前ら新人かよ?」「研修受けてねーのか?」「お前らこれから処分場行くんだろ?ついでに面白いもん見せてやるよ」と一緒に同行することになる四人。
そこにはたくさんの女たちが牢屋に入れられている。二人組から「なぁこの女歳はいくつだと思う?」と聞かれ、五十歳代に見えるが、実際は18歳という年齢に驚く山引。「こいつは18で20人以上産んだ優秀な『生殖種』だ」
「薬でアタマのネジがぶっ飛んでる上、催淫剤で24時間発情しっぱなし。髪が多くてチチがデカいだろ?女性ホルモンをバンバン注射してるからだよ。ついでに排卵誘発剤も多用してる。多胎妊娠させるためにな。つまり三つ子や四つ子は当たり前だ。じゃねぇと18で20人は産めない」
横では男に特別な興奮剤を打っている。「スゲーぞありゃ。一回やると死ぬまで交尾のことしか考えられなくなる」「こんな凄い薬を作っちまうんだからよ。《あの方たち》には決して逆らうべからず…だよな」
そのとき山引はいつのまにか盗んだ興奮剤を防護服の男に注射する。防護服の男二人を牢屋に閉じ込める山引。興奮剤を注射された人間に襲われる防護服の男。「ほんのわずかに注射しただけで我を失うほど性欲が劇的に昂進する薬、こんな薬聞いたこともない」「ここの施設を運営してるのは単独の企業とかそんなレベルじゃないかもですね」
男同士でやりあっている姿に興奮する山引。それを助けるキツネ。ここに収容されている女が助かるか聞くキツネ。「ゆで卵からヒヨコが孵(かえ)るかよ」と言うお尻を掘られていた男。「運よくここを出られても奴らは一生あのままだ」と言われ、キツネは「お前なんぞ一生オナホで終われ」と殴る。男は興奮剤を打たれた男に襲われ始める。
そこに死んだ赤ん坊を抱いた頭のネジが壊れた女が現れる。キツネは「ありがとう。よく頑張って産んでくれたな」と優しく話しかけキスをし、キスをしながら女の背骨を折るキツネ。キツネは殺したあとに女に祈る。
早く逃げようとする伊江だが、キツネは「俺は出ない。俺にはやることがある」と言う。山引も「この施設は面白くて素敵なトコだと思いません?」「退屈な外には二度と出たくない」。
カズがどこかから「面白いモノを見つけた」と戻ってきた。その部屋に入ると大きなカマキリの卵のようなものが幾つもある異様な光景が。天井には中国語や英語、スペイン語にアラビア語が書かれている。そこに防護服の男が現れ、デュロメーターで硬さを調べている。
そして掃除をしていることから、かなり大切に扱っていることがわかる。突如隣の卵が割れ、緊急ボタンを押す防護服の男。警報が鳴り、「孵(かえ)ったぞ!!」と叫びながら部屋の外に退避しようとする防護服の人間たち。しかし二人は取り残される。
そこに巨大な顔と胴体はカマキリの巨大な生物が現れ、防護服の人間の皮膚を剥がして食べ始める!一人が食べられ、もう一人は逃げるもカマキリは人間と同じ言葉をマネしながら男を捕まえ二人とも殺される!!2話へ続く!