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【15歳で捨てられました~2年後、母になった漫画家~】感想ネタバレ第6巻(最終回・最終話・結末)まとめ

めちゃコミックで連載していた【15歳で捨てられました~2年後、母になった漫画家~】最終巻6巻の最終回(最終話)を含めた感想ネタバレまとめです。結末(ラスト)はいかに!?

現在、漫画家とし活躍する作者による衝撃の実話エッセイ!15歳でいじめにあい登校拒否、親にも甘えることができない少女は、ある日、髪を金色に染める。そして高校には進学せず、世間体ばかりを気にする狭い村から出ることを決めた。だが、15歳でひとり上京した少女を待っていたのは、想像以上に過酷な生活だった……

これまでのあらすじ

日本人男性とフィリピン人女性の子供として生まれた『めい』が主人公。中学三年の卒業間近で、いじめにあい不登校になる。

家族構成は長女めい(15歳)、次女もな(14歳)、三女しろ(10歳)。父親は数回の離婚歴があり姉妹以外にも多くの子供がいた複雑な家庭環境。次女は姉よりも先に不登校になっており母親の故郷であるフィリピンに国外逃亡していたため、長女の登校拒否も許された。

高校には合格していたが、進学予定の高校には仲が悪い同級生のほとんどが進学する予定のため、高校進学を拒否する。15歳でニートになっためいは三つ上の友達と遊ぶようになる。友達の家は両親が緩いため溜まり場になっていた。

その溜まり場に泊まっていた時に男友達が遊びに来て隣の部屋でHが始まる。居心地が悪く男性が怖いめいは次第に上京の想いが強くなる。ひょんなきっかけから自宅に泊めてくれる女友達が現れて上京を決意。父は意外にも上京に反対せず逆に十万円を手渡してくれる。

田舎から東京都葛飾区のマンションに住むようになる。部屋は女友達と、その兄との三人共同生活。めいは生活費を稼ぐためにメイド喫茶のアルバイトを始め、働く楽しさに気づく。

しかし、他人と同居することで金銭面含め色々な不満が出る事も知った。結局、家事分担で喧嘩をしたことがきっかけで、共同生活を辞めて部屋を出ていく事を決める。

その後はアルバイト先の先輩の家に居候させてもらうが、そこでも先輩の家族が自分のことで喧嘩してしまい、先輩に迷惑を掛けたくない一心で嘘をついて家を出る。漫画喫茶に泊まるようになるが、限界を感じためいは父親に相談。

五千円を貸してほしいと頼むが、父親からは「自分で何とかしろ」と突き放されてしまう。途方に暮れるめいは友達に相談して、男友達の社宅に泊めてもらえることになる。

本編あらすじ

相手は同じ出身地で三歳年上だったが、気さくな人だった。最初は緊張だが、徐々に仲良くなり付き合うことになる。そして妊娠が発覚。十代同士の結婚ということもあり彼の母親からは中絶してほしいと言われるが出産を決意。難産になるも無事出産。

数年後、子供も順調に育ち、夢だった漫画家をしている。終了。

***感想・評価・考察***

他サイトでも批評されているがタイトルが若干釣り。最初は両親に捨てられた(自分を残して逃亡された)ストーリーかと思ったが、実際には自分の意思で上京しているため、どちらかというと両親を捨てた側と言える。

正確には「住みづらい故郷を見捨てて上京したら困窮しました」「上京後に父親に相談したら見捨てられました」が正しい。上京する際にお金をくれたことからも悪い親父ではなかったと思う。最終的に両親は離婚し、母親は出産に歓迎したので、捨てられたという表現は間違っている。

ウェブ上では自主的に高校進学を諦めている点、計画性のなさ、おバカエピソードを含めて作者が精神的に幼いという否定的な意見があったが、私は逆に自立心が強い人物だと思った。

中卒だとわかりやすく堕落するケースが多いが、よくある犯罪や非行に走らずに真面目に働いていることから至極真っ当な人物との印象を受けた。明確な描写はないが、彼氏も暴力を振るうタイプではなく真面目な印象。お互い10代ながら良い相手と巡り合えたのではないか。

よくある若い女性にありがちな波乱万丈の人生として「風俗業界で働きました」「怪しい仕事に就きました」といった話はない。漫画としては面白みに欠けるかもしれないが、可哀想といった悲劇的な流れになっていないのは評価したい。

本作はよくある不幸話ではなく、前向きな本人のエピソードとして語られていることが印象的。15歳の時に東京に来て過ごした日々が未だに一番楽しかったと最終回で回想しているので、作者のこれまでの人生をポジティブに捉えていることが伺える。

少し物足りない点としてお互いが10代だと金銭面を含め子育てが大変だと思うが、出産で物語が終了している点。作者は人生で一番楽しかったのが東京に来た15歳の頃だったと語っており、その年齢の時の話をまとめた漫画のため出産がラストになる流れになっているが、子育ての苦労なんかも書いたらもっと面白かった。

最後になるが読者目線では作画力を評価したい。かなりシンプルな画だが、読みづらくないのが特徴。これぐらいがちょうどいい。ちょうどよさ加減では満点をあげたい。