無料漫画アプリ『マンガボックス』で連載していた『憑石(やどりいし)』最終巻1巻の最終回(最終話)を含めた感想ネタバレまとめ。結末(ラスト)はいかに!?
幼い頃から奇妙な夢に悩まされる朱梨は、言い知れぬ不安を感じながら生活する毎日。そんなある日、偶然見つけたカフェに置かれた何の変哲もない石に触れてしまった事で、彼女の身に次々と恐怖の現象が巻き起こり…。
本編あらすじ
社会人の杉咲朱梨は通勤途中で見かけるイケメンの正体を知るべく尾行する。途中見失ったときに偶然見つけたカフェに立ち寄ると、そこにイケメンがおり、太郎という名前であることを知る。店内には常連客の千尋と祥平もいる。
テーブル席に座ると隅に、謎の石が置いてあることに気づく。マスターから奥の席のほうが明るいと席の移動を促されるも、恥ずかしがって移動しない杉咲。女子高生の千尋からは「鈍感なの?気持ち悪くないの?霊感のない人でも避けるのに…」と言われる始末。千尋が「ここの地縛霊を鎮めるために置いてある」と暴露する。
気味が悪くなった杉咲朱梨が店を出ると、店では祥平が倒れる。石がないことに気づく一同。杉咲のカバンの中にはカフェにあった石がなぜか入っていた。
カフェに戻ろうとしても、さっきまであったカフェが消えていて戻れない。仕方なくその場に石を捨てる。しかし、何度捨てても拾われて手元に戻ってきてしまう。神社に捨てても戻ってきてしまった。途方に暮れて道端に座り込んでいると太郎が助けに来てくれた。
カフェに戻ってくることができ石を返すことができたが、杉咲には異界を彷徨っている間に強くてやっかいな『何か』が憑いてしまっていた…。その『何か』は、とある石を探しており杉咲に協力を求める。霊から好かれる体質の杉咲。果たして杉咲の運命は…石探しの日々が始まる!
鬼哭石編
生きているのが不思議なくらいの霊媒体質の祥平。嫌々ながらも杉咲、太郎の三人で怪しい石の噂がある場所を調べに行く。鬼哭石(きこくせき)と呼ばれる曰くつきの石を調べるために家主が行方不明中の不気味な空き家を探す。
入口で杉咲に憑いている紅緋(べにひ)が入れずに分断される。祥平と杉咲は金庫の下に隠されていた地下に行方不明中の家主と思われる死体を発見。杉咲は霊に食べられてしまうが、霊の中に隠されていた鬼哭石を見つけ、霊から剥がすことに成功。
紅緋が家に入れるようになり、鬼哭石の霊ごと食べて撃退する。最終的に鬼哭石は探していた石ではなく、鬼哭石も憑いていた霊も食べられてしまったことで、ただの石コロに戻る…。
赤想石編
赤想石(せきそうせき)と呼ばれる村八分にされていた母子が殴り殺された時に使われた石の噂がある場所を調べに行く。赤想石が赤いのは母子の血とされ、持ち帰ると祟られると噂されている。
現在は廃校になった木造校舎の裏山を調べる。なぜか校舎の景色に見覚えがある杉咲だが思い出すことができない…。目的の赤想石を見つけるも杉咲が崖から転落。杉咲が意識を取り戻すと真っ赤な夕日に照らされた岩があり、その岩こそ本物の赤想石だった。
2体の霊があらわれ1体は紅緋と争い、1体は杉咲を追ってきた。杉咲は逃げながら子供会のキャンプで訪れたことがあることを思い出す。子の霊に襲われ、地中に連れ込まれそうになる杉咲。
太郎が助けに来たおかげで霊が離れ逃げ出すことに成功。その頃、母親の霊と紅緋が対決しており、太郎は解放されるチャンスだと話す。負ければ取り込まれ、勝ってもここの地縛霊に取って替わると話すが、紅緋を見捨てずに助ける杉咲。おかげで紅緋が霊を食べて勝利する。 集まっていた浮遊霊も散っていった。
カフェで次はどんな石を探しにいくか太郎と話しあっているシーンで終了。
***感想・評価・考察***
第1巻が最終巻となっており完結しています。絵が少女コミック寄りだったので半信半疑で購入してみましたが、意外に面白かった。設定が雑ながら、絵とストーリーが上手く1巻で終わってしまったのが残念な作品です。紅緋はオカルト話で有名な『巣くうもの』に近い存在のような気がしました。
気になったポイントは、紅緋を筆頭に女子高生の千尋やマスターの特徴は結局分からずじまい。祓おうとすると術者を殺せるほどの紅緋の存在とはなんぞや?紅緋がなぜ石を探しているのかも謎のまま。もう少しストーリー内で設定の説明が欲しかったが、おそらく打ち切りで回収できなかったと推測される。本格ホラー系作品の連載は継続しにくい傾向があるのかなと。