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【明治異種格闘伝雪風】感想ネタバレ第4巻(最終回・最終話・結末)まとめ

無料漫画アプリ【マンガボックス】で連載していた『明治異種格闘伝 雪風』の最終巻4巻の最終回(最終話)を含めた感想ネタバレまとめ。結末(ラスト)はいかに!?

『無刀御前仕合』に雪崩れ込んだ帝国陸軍の手により、主催者の柴原典膳とともに牢獄へ収檻されてしまった風太郎と『無刀御前仕合』出場闘士たち。死刑が迫るなか、風太郎たちの元へ帝国陸軍中将・新沼権兵衛が訪れる。脱獄を手引きする代わりに新沼が提示した条件は虎太郎の暗殺!! 風太郎たち7人は、徒手で帝国陸軍東京鎮台に殴りこみをかけることに…!!

本編あらすじ

捕らえられた七人の格闘家たち。佐々木大五朗も生きていた。そこに現れた虎太郎。いまは新沼中尉と呼ばれている。虎太郎から今から三週間後に全員死罪が告げられる。それから一足早く、柴原典膳が絞首刑で死罪にあっていた。

鳴海幸文は七年前、琉球処分で琉球王国が滅亡してから唐手も失伝の危機に陥っているため、琉球唐手の強さを証明するためにここで死ぬわけにはいかないと説明する。その他のメンバーもなんとかできないかと苦悶する。

そこに天鵬のタニマチだった新沼権兵衛中将が登場。虎太郎が自身の婿養子であることが告げられ、脱獄させるかわりに義理の息子である虎太郎を殺してほしいと依頼される。その真意とは…。

虎太郎は陸軍士官学校にいたころ陸士主席を欲するあまり同級の山口を殺していた。その後、新沼権兵衛の娘さくらと結婚し婿養子となるが、娘さくらは虎太郎の異常な野心に気づき始め、証拠を掴んでしまった。それを問いだたし自首をすすめたところ殺されてしまった。父親である新沼権兵衛宛の手紙には恐怖と覚悟が滲み出ていた。

虎太郎を突き動かしているのは圧倒的な支配欲であるとし、帝国陸軍、大日本帝国、そして娘の仇のために殺してほしいと涙ながらに訴える。

新沼権兵衛の作戦は一週間後に七人を脱獄させ、帝国陸軍第一師団東京鎮台に夜襲をかけることだった。七人で武装した帝国陸軍兵五十人を相手にしなければいけない無謀な作戦だが、格闘家七人はそれぞれの理由からその作戦に乗る。

ついに作戦当日、新沼権兵衛は約束通り脱獄と移送の手引きに現れ、七人は移動する。新沼が調達した武器を渡そうとするが、自分達の身体だけで十分だと言い放ち誰一人として武器を受け取らない。その意気込みに新沼は(私は今、世界最強の部隊を見ているのかもしれない)。

五月三十一日深夜、新沼虎太郎暗殺計画始動。虎太郎がいる二階の二十五号室を強襲するが、そこには歩兵銃をもっている兵士が待ち構えていた。

脳天を撃たれて死亡する佐々木大五朗。勘のいい虎太郎は新沼権兵衛の作戦を気づいており襲撃を準備していた。屋上で高みの見物をしていた虎太郎だが、ついに風太郎が到着する。兄弟喧嘩のリターンマッチが始まる。

なんと兄の虎太郎も格闘家だった!パンチだけでなくキックや肘も使った総合格闘家のような動きを見せる虎太郎。防戦一方の雪村だが、相打ち覚悟の攻撃で活路を見出す。徐々に雪村の攻撃が当たり、ボディーブローで虎太郎を倒す。

ついに決着かと思われたが、ポケットから爆弾(ダイナマイト)を取り出した虎太郎は煙草で火をつけ、風太郎に投げつける。爆発音が鳴り響く。避ける暇もなく風太郎に直撃したと思われたが、天鵬が身代わりになってくれ風太郎は助かる。仁王立ちのまま亡くなった天鵬。

最終話 幸せを願う彼方から

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天鵬が死んでことでキレた風太郎が虎太郎を圧倒する。虎太郎の本当の願いは自分を止めてくれる人物が現れることだった。何もかも壊したい衝動を抑える事ができなかった虎太郎。心の中で止めてくれと叫ぶ。その役目を風太郎が成し遂げる。こうして天鵬と佐々木の二名が犠牲になったが虎太郎暗殺計画は成功した。

二週間後、ずっと恨みの中で生きていた風太郎は生きる意味をなくしていた。これからどうしたらいいのかと悩んでいたが、楓は幸せになることだと言う。その手伝いなら私にもできると恥ずかしながら伝えると、笑顔で手伝ってくれたら助かると答える風太郎。笑顔の二人。

五年後、源右衛門はよく家族と一緒に藤そばに食べにくる。アローナは藤そばで働いている。鳴海は沖縄の道場で唐手を指導しており、琉球唐手がなくならないように頑張っている。

兜はアメリカのカーニバル・レスリングの選手として活躍している。朝倉は日本中を旅しながら道場破りをしており、天下の講道館に喧嘩を売ると息巻いている。相変わらず血の気の多い性格の模様。源右衛門と一緒に捕まっていた我麻沼は商いの才能を発揮し、牛鍋屋を経営している。

天鵬の墓にお参りしている風太郎。その横には小さい子供が。楓と結婚して一男を授かった様子が描かれている。ここに完結。

***感想・評価・考察***

打ち切りの影響から最後は駆け足の流れでした。ポケットにダイナマイトなんてゴツイ道具が入っていれば気づきそうだが…。しかも虎太郎は拳銃をもっているのに一切使いませんでした…。

兄貴の本当の願いが「心のどこかでは弟に止めてほしかったのかもしれない…」みたいになってしまい、ロトの紋章やGS美神のアシュタロスみたいなありがちな終わり方になってしまったのも少し残念でした。

義理の父も死刑囚に依頼したり、民間に犠牲を出したくないという理由だけで敵が多い陸軍施設で仕留めようとするあたり杜撰な計画と言わざるを得ません。何気に女性を描くのが上手い。

第一巻の感想で『るろうに剣心+刃牙+はじめの一歩』のような漫画と表現しましたが、画は柿崎正澄による漫画『RAINBOW -二舎六房の七人-』『感染列島』に似ていると思いました。