となりのヤングジャンプで連載中『DINER(ダイナー)』感想ネタバレ第3巻まとめ。
カナコの命を救ったダイナーの常連客・スキン。だが、その恩返しにと出した“完璧なスフレ”は図らずも、過去(トラウマ)の再起動(トリガー)となってしまう。スキンは残忍な殺し屋に豹変し、無差別殺戮を始める。ボンベロは、彼を止める唯一の方法、「死」の救済をカナコに命じる。思いとは裏腹に、カナコの持つナイフはスキンの心臓を貫く事に……!! 貧しくも幸せだった少年スキンと美しき母。母子を絶望の底に引きずり込んだ壮絶な過去とはーー!?
目次
第20話 メルティ・リッチと蜂蜜のスフレ⑥
第21話 メルティ・リッチと蜂蜜のスフレ➆
第22話 メルティ・リッチと蜂蜜のスフレ⑧
第23話 メルティ・リッチと蜂蜜のスフレ➈
第24話 ゴーゴンの髪と紅のダリア①
第25話 ゴーゴンの髪と紅のダリア②
第26話 ゴーゴンの髪と紅のダリア③
第27話 サンドラの苺とゲイシャ・ムルシエラゴ①
第28話 サンドラの苺とゲイシャ・ムルシエラゴ②
第29話 サンドラの苺とゲイシャ・ムルシエラゴ③
本編あらすじ
メルティ・リッチと蜂蜜のスフレ
理性を失った殺し屋スキンに対してボンベロは暴徒鎮圧用高密度分子発泡銃(ジオポリマー・バインダー)を駆使しスキンの動きを止める。動きを止めているうちに心臓を突けと言われるも躊躇するカナコだが、ボンベロの踵落としによって強制的に胸を刺す。
スキンの回想によって子供の頃のスキンが登場。スキンの本名はユギトと言い、父親は不在で学校に行っていないため友達もおらず母との二人暮らし。母はキレイな人だったことが明かされる。教会で熱心に祈りを捧げる母だがスキンは教会も神様もあまり好きではない。だが礼拝後の母親の手作りのスフレは大好きだった。
ある日、スキンの母親はなんらかの事情で神父と浮気していたため神父の妻から薬品をかけられ醜い顔にされてしまった。スキンは母と同じく自分で自分の顔を傷だらけにしたのだった。仕方なくスキンの父親を頼るが議員の父親によって殺されそうになる。父親は雇っていたクサカベという名の殺し屋も殺そうとするが逆に殺されてしまう。
殺し屋に息子を託そうとする母親だが、殺し屋は「この子が銃で母親を撃ったなら連れて行こう」と条件を出す。最初は死んでもいいと思っていたスキンだが、その場にあったスフレを食べたことで生きたいと願うようになり最終的にスキンは最愛の母親を撃つのだった…。
心臓を刺されたスキンだが、意識を取り戻すとカナコを殺そうとする。しかし、カナコの泣きながらの抱擁に母親の影を重ねて再度意識を失う。その後、ボンベロが手配した医者によって何とか一命を取り留めたスキン。スキンは十万人に一人と言われている心臓の位置が逆という全内蔵逆位(サイタスインバーサス)の持ち主で奇跡的に死なずにすんだのだった。しばらくしてからまたお店に姿を現すようになったスキンは、スフレを完食できるようになったのだった。
ゴーゴンの髪と紅のダリア
その日来店した女性はこれまで来店したどの殺し屋よりも異彩を放っていた。菊千代が震えるほど怖がるお客は炎眉(エンビ)と呼ばれ、エンビにとってボンベロはこの世界に引き込んだ殺しの師匠。トイレで豊満な胸をさらけ出し、カナコと比較する。凶悪な嫉妬による殺意が滲み出す。
突然組織の人間が来店し、現ウェイトレスを破棄し新品と交換しろと命令が下り、カナコは死(クビ)を言い渡される。エンビから生き残った方がお店のウェイトレスになれるという入店試験(トライアウト)を提案され、新しく連れてこられた女性はやる気満々。
カナコはボンベロにどちらを処分するのか託すとボンベロは連れてこられた女性にナイフを投げつける。実は女性はボンベロを殺しにきた刺客だった。それに気づいていたボンベロは返り討ちにするがエンビも刺客の一人だった。
頭のダリアにスズラン等を身に着けていたエンビ。ダリアは花言葉で裏切りの意味。スズランには猛毒があり毒使いの存在を指していた。エンビはかつてボンベロと組んでいた頃とは別の装飾を身につけることで密かに警告を発しそれを察知するか否かでボンベロの生死を決しようとした。
エンビはボンベロを殺せるチャンスがありながら結果的に撃つことができなかった。ボンベロを殺すのを諦めたエンビ。ボンベロの殺害を依頼してきた組織から保険として毒を打たれており、ボンベロを仕留めれば解毒剤をもらえないため死ぬのを覚悟していたが死ぬ直前にボンベロから「忘れ物だ」とゴルゴンゾーラチーズをたっぷりと使用したハンバーガーと解毒剤が届けられたのだった。
サンドラの苺とゲイシャ・ムルシエラゴ
後日ボンベロは病院で診察を受けていた。エンビから受けた傷を見てもらうためお店は閉店しており、カナコは片付けと掃除中。予想以上に早くボンベロが大きな荷物と一緒に帰宅。それはボンベロの姿をした偽物だった。本物のボンベロはカナコに絶対コーヒーを淹れろと指示しないことから偽物だと気づいたカナコは応戦する。
大きな荷物の中にはどこかから誘拐してきたと思われる子供が入っていたが、菊千代はなぜか子供を狙う。その菊千代を蹴り飛ばす子供はキッドと名乗りだした。姿は子供だが年齢はカナコよりも上だと説明するキッドは、異常な生育環境と常軌を逸した様々な体験が生んだ加虐性愛者(サディスト)として有名な殺し屋。
すべてはキッドが仕組んだ罠で、偽者もキッドの手によって穴鋸(ホールソー)を体内に埋め込まれており殺される。ディーヴァ・ウォッカを盗みにきたキッドに菊千代が襲い掛かるが、キッドは子供の姿になるために頭蓋を削っておりチタン製の人工骨が頭を護っていた。
逆に菊千代は口をホチキスで止められてしまい反撃される。強引に口を開きホチキスを解くが最後は失神してしまう。ボンベロが駆けつけた時には時すでに遅く、カナコは連れ去られた後だった。凄惨な悪戯を残して悪童去る。