原作:夢枕獏、作画:板垣恵介による格闘漫画『餓狼伝』の最終巻26巻の最終回(最終話)を含めた感想ネタバレまとめです。結末(ラスト)はいかに!?
泉宗一、松尾象山、堤城平、次々と名のある武道家たちに立ち合いを挑む男・村瀬豪三!純なる闘いを追求する男の足は、やがて「最強」の頂を欲してやまぬ男へと…!
本編あらすじ
北辰館館長・松尾象山が喧嘩用にあつらえたスーツを纏い夜の街に繰り出していると、尾行されている気配がする。
人がいない神社に移動し、暗闇に話しかけると青年が出てきて松尾象山との立ち合いを所望するが、松尾と一緒にいたガチンコレスラーの伊達潮がマッタをかける。先に立ち会えと言うが「あなたでは(弱いから)キケンです」と意図せず挑発する青年に伊達潮が近づく。
伊達の左ひざを蹴りで破壊し、投げる動作で右肘も破壊、投げた後に追いうちの膝蹴りで肋骨と胸骨を粉砕。
救急車を呼ぶため立ち会ってる時間はないと説明する松尾象山に対して、素直に了承する青年。何かに勘づいた松尾象山は竹宮流の泉宗一郎をやったのもお前かと質問すると「はい」と素直に答える青年。驚きながらも松尾象山は「絶対にまた会おうぜ」と話す。
場所は変わり、病院のベッドの上で休んでいる泉宗一郎。そばには丹波文七がおり、泉に重傷を負わせた青年とやりあった状況を話す。自宅の庭先に突然現れた相手に対して地の利があると思っていた泉宗一郎だが、殺意と敵意を消して、正々堂々を約束する握手のように差し出された右手に油断してしまった。
泉が油断して近づいたところを目潰し。そして固い石の地面に頭から投げられて失神。勝負が決しているにもかかわらず迷いなくすぐさま左腕を折られる。
一連の動作に迷いが一切なく、清々しいとまで評価する泉宗一郎。もう一度会ってみたくなる不思議な魅力を持った漢だったと丹波に話す。最後に彼が訪ねてきた理由は、丹波に会うためだったと伝える…。
場所は変わり、スポーツジムで250キロの重さでベンチプレスをしている堤城平。感嘆する周囲。そこに伊達潮と泉宗一郎を倒した青年が現れ『村瀬豪三』と自己紹介し、勝負してくれと頼むが、堤は「かかってくればいい」とすぐに勝負を受ける。
不意打ちにとやかく言うようならばもはや空手家ではないと話す堤に対して「さすが堤城平っス」と話す。ただジム内で周囲に人も多いことから草の生えた空き地に移動する。
村瀬がその場で小石を蹴り飛ばし機先を制しようとするが、ひるまない堤。村瀬がアッパーを仕掛けるも逆にカウンターを当てられる。人体の急所を的確についてくる堤に(これが堤城平か~)と内心思いながら、複数人いるのではないかと驚くくらい絶え間なく堤の怒涛のラッシュが続き村瀬豪三は倒れる。
場所は変わり北辰館ではガチンコレスラーの伊達潮が倒されたことが噂されている。喧嘩となったら北辰館のトップクラスでも勝てるかどうかと言われるほどの実力者を病院送りにした人物は誰なのかと話している門下生たちのところに、村瀬を倒したばかりの堤城平が練習に顔を出す。
そこに先程倒されたばかりの村瀬豪三もボコボコにされた顔ながら笑顔で登場。何をしにきたのかを問われると「リベンジを」と答え、ざわつく道場内。伊達潮と泉宗一郎を倒したのが村瀬だとわかると道場内は殺気立つ。
一対一で戦うために周囲は壁際に移動した矢先に、村瀬が不意をついた高速タックルを仕掛け堤に馬乗りの状態になる。周囲の門下生が止めに入るが、全員離れろと指示させ、馬乗りの状態でそのまま続行させる堤。
馬乗りの状態で一方的に殴られる堤。そこに松尾象山が現れ「待った!」をかける。反則行為だと門下生が非難する中で「恥を知りなさい」と言い、武道には反則なんて言葉はないと教える。
堤も松尾象山の直弟子を名乗る以上、不意打ちでの不覚は恥とせねばならないと憤る。そして堤はこの場で再び立ち会うことを宣言。しかし、喜ぶ村瀬に後ろから近付いた松尾は振り向きざまに一撃を食らわし、続け様の握手のふりをして蹴りで失神させる。道場破りは戸板に乗せて帰すのが慣習だとして扉を壊し村瀬を運び出させる。
その夜、道場で一人で正座している堤の元に松尾象山があらわれ、あのとき村瀬を止めていなければ敗北していたとして、空手そのものを見直す時がきたと説明する。
翌日、松尾象山は門下生に馬乗りの有効性を説く。そして村瀬は格闘に勝つための格闘の技術を磨いていたと。では勝てないのかと質問されると「空手とは全方位角総合格闘技だ」と話す。
その頃、姫川勉が村瀬豪三について都内の道場や格闘技ジムを調査した結果を松尾館長に伝える。柔道・空手・ボクシング・柔術・キックボクシング・古武道といった道場で名前を確認できた。
奇妙なことに格闘技道場に所属していながら一切の試合をしていないと言い、実力は全国レベルではないが、どの道場ジムでもトップをキープしている。村瀬は「全科目で百点をとる必要はない」として、20点ずつ6課目修めれば120点になるため100点満点の武術家にも勝てるとの持論を持っている。故に6種目の武術を修めている。
松尾館長は武を足し算としてとらえる短絡さを指摘しながらも村瀬の人間性が見えてきたと話す。村瀬はその言葉通りの現実を成し遂げようとしている。姫川は『新たな時代の開始まり(はじまり)』だと話す。
同時刻、村瀬本人は野試合で丹波と立ち会っていた。低いタックルを仕掛ける村瀬に、飛び蹴りを当てる丹波。続けて丹波が打撃を仕掛けたところを村瀬が背負ったシーンで終了。
***感想・評価・考察***
タイトルには完結とつけましたが正確には休載中のため未完です。ただし、再開の目途が立っておらず再開はしないで実質的に未完のまま終了(打ち切り)ではないかという噂もあります。
アニメ化・漫画化した対戦型格闘ゲーム『餓狼伝説』と名前が酷似していますが、関係はありません。
餓狼伝シリーズは記憶に残る食事シーンも多く、第1巻の丹波文七が見所です。ハムを丸ごと『ガプ』と噛みつき、モニュモニュさせたら、牛乳、サバ水煮、生卵を食します。第24巻ではピザの斬新な食べ方を披露。