1996年から1999年まで週刊少年サンデーに連載していた北崎拓の陸上競技を題材にしたスポーツ漫画『なぎさme公認』の最終巻18巻の最終回(最終話)を含めた感想ネタバレまとめ。結末(ラスト)はいかに!?
走ってるアイツがまぶしくて…走ってる彼にときめいて… 湘南の高校を舞台に展開する、なぎさと雅斗のアスリート青春ラブストーリー。
前巻までのあらすじ
高校入学以来、ずっと一緒に暮らしてきたような藤井雅斗と紺野凪沙。だが、そんな二人のことが悪い噂となり、学校寮への引っ越しが勝手に決められてしまった。そのことを日本選手権の開催地・熊本で知らされたなぎさは女子5000M決勝レースを最後に引退すると宣言!しかし、レースは鷹木と娘のみすずちゃんが原因で不調に陥る。
本編あらすじ
紺野凪沙は過去に戦ってきた色々な人の想いを背負っていることを理解する。レース後半から驚異的な追い上げをみせ、最後は写真判定で日本選手権を優勝する。雅斗も仲田との800M勝負を経て部活動に戻る。
その後、凪沙は世界陸上の日本代表に選ばれ海外の強化合宿やテレビ出演など忙しい日々を送るようになり、雅斗と会う機会が減ってしまう。
自身も同年代では全国トップレベルでありながら彼女が日本を代表する長距離選手という苦悩を抱えている藤井雅斗。
そんなとき雅斗の試合会場に現れたのは元カノの大江由紀。「私ならずっとそばにいられる」と雅斗に告白するも雅斗はなぎさを追いかける。
浜辺で歩きながらこれまでのことを思い出す二人。世界陸上で優勝した凪沙はまだまだ凄い選手が世界にはいるから勝ち続けたいと言う。後ろから飛びつき「これからもあたしのことをずーっと見守っててね」と完結。
***感想・評価・考察***
スポーツ漫画の中では珍しい陸上競技。しかも人気の高い短距離やマラソンではなく中・長距離(トラック競技)を題材にしており、世界陸上やオリンピックでは(日本代表が弱いこともあり)注目されない競技ですが、その面白さを発掘し、これでもかと表現されています。
日本では800Mや1500Mは長距離のイメージが強いですが、世界的には中距離と呼ばれており、トラックの格闘技と言われるくらい激しい種目です。そうした魅力や楽しさを教えてくれたのも本作でした。スピード感の演出が難しい中距離での表現は見事の一言に尽きます。
のちに『クピドの悪戯シリーズ』で人気を博す北崎拓が描くヒロイン凪沙が可愛く、スポーツラブコメとして評価が高い。中学生や高校生の陸上部員なら買って損はなし。ラブコメが好きじゃない人も、シンプルにスポーツ漫画として見られる作品で、長年マラソン以外は世界で通用しないと言われ続けてきた陸上界を盛り上げる漫画として必見です。