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【エンバンメイズ】感想ネタバレ第3巻まとめ

【エンバンメイズ】感想ネタバレ第3巻まとめ

エンバンメイズ(3) (アフタヌーンコミックス)

エンバンメイズ(3) (アフタヌーンコミックス)

 

「迷路の悪魔」の異名を持つスゴ腕のダーツプレイヤー・烏丸 徨は、自分をダーツ・プレイヤーとして育てた「ある施設」の情報を求めていた。その施設の手がかりを得るため、烏丸は「写し身(ツインズ)」と呼ばれる二人組と勝負をすることに。烏丸初のタッグマッチの内容は大量の針に刺されなければダーツの矢を得られない、地獄のようなバトル。パートナーにダーツの素人・絹守(きぬもり)を指名した烏丸に勝機はあるのか?

本編あらすじ

今回はタッグマッチ戦。烏丸は自身と肩を並べる実力者である桂木鈴音に手を貸してほしいと依頼するが、ルールを聞いて本番では絹守一馬を指名する。

相手は「写し身(ツインズ)」と呼ばれる時盾実と山田ロミオ。

ルールは『節制の的』と『懺悔の口』。基本は一人3投を投げる6ラウンドの『カウントアップ』による勝負。ボーナスチャンスを得る『懺悔の口』にはランダムで1~3本の矢が入っているが、口に手を入れると針に刺される。

『懺悔の口』はどれかの口をランダムで噛むのを止めることができるため、運が良ければ60点の支払いで怪我を負わずに3本の矢を手に入れることも出来るが、運が悪ければ点数を支払ったのに噛み付かれ、1本しか手に入らない場合もある。実力以外に運と苦痛に対する我慢が明暗を分ける勝負だと言える。

先攻は烏丸・絹守ペア。注目の絹守一馬の一投目は36点。二番目の烏丸が144点を獲得し、ちょうど安全圏である180点を獲得する。後攻のツインズは一人90点で二人で合計180点を獲得。

絹守一馬の実力を怪しむツインズだが第二ラウンド目で素人だと気づく。三流がいくら上手ぶっても一流になれないのと同じく、一流の人間があそこまで三流のフリをするのは不可能。烏丸がリスクのある二番手をやっているのも絹守では得点が調整できないからだろうと予測。しかし、二人から邪悪がにじみ出ていることもわかるため油断は禁物。

嵐の前の如く静かにゲームは続いた。時期尚早と誰一人リスクを冒す者はなく各ラウンドを不動の180点対180点で終えていった。第4ラウンドと均衡が続き、ゲームが動いたのは第4ラウンド終了時。ついに時盾が『懺悔の口』使用を宣言する。

120ポイントを使い2台止める。これで三分の二の確率で負傷することなく追加の矢を得ることができる。結果、矢は止められ怪我をすることなく2本の矢を得た。最高点120点を獲得したが、結果的には現状維持のまま。

そして山田も挑戦。120点を払うが、運悪く噛みつく口を選んでしまった。共有を大事にする時盾は、痛みを共有するため自分の手にダーツを刺す。負傷と引き替えに懺悔の口から三本の矢を得たため山田は180点を得た。

第五ラウンドも烏丸・絹守ペアは180点を獲得するが、ツインズはついに360点を獲得し、勝負を仕掛けてきた。節制の的のルールにより時盾の右手に18本の針が打ち返される。第五ラウンドは懺悔の口を誰も使用せず、得点差は240点で最終ラウンドに突入する。

第6ラウンドは相変わらず180点の烏丸・絹守ペアに対して、山田・時盾ペアは360点を獲得。今度は山田が18本の針を受け苦痛と引き替えに勝負を決めにくる。これで両チームの得点差は絶望的とも言える420点差になってしまう。

やっと自分の出番がきたと呟く絹守。勘がいい相棒で助かると烏丸もこれから絹守が始めることを気づいている様子。報酬は今回の賭け金である三十億円であることを確認した絹守は納得して懺悔の口に名乗り出る。

支払う点数はゼロであることに驚くツインズ。一台も止めない。点を得るために点を払う行為はバカげていると伝え「この世で最も得な取引は強奪なのですから」と持論を展開する。手は射抜かれ血が噴き出すが、絹守は無表情のまま三本の矢を得る。手に風穴が開いても全く意に介さず的へと歩を進める。しかし、手を負傷したものの相変わらずの42点という低得点。

ここにきてようやくツインズはルールの盲点に気づく。懺悔の口の使用が一回限りとは誰も言っていないことに。絹守は逆転するまで何度でも希望し続けることを宣言し、手がもげるまで続けようと話す。「迷路の入口へようこそ。ここからが地獄ですよ」「針の山で血の池を満たしましょう。私がガイドを務めますよ」

10度目の懺悔の口を使い終えて、むしろ山田・時盾ペアが青ざめた表情。「素人ほど実力以外の何かにすがりたがる。結局は経験こそがすべてに勝る。君たちはダーツの。私は苦痛の熟練者と言うだけの話です」と絹守。

「麻酔のない歯医者さんにかかった経験はないでしょう」と笑いながら語る。負傷をものともせず低得点を積み重ねた絹守のおかげで、420点あった点差は122点まで縮まった。

ついに山田・時盾ペアも動く。手を傷つけたくなかった二人だが、点差を死守するため支払う点数を60点に減らし一台だけ止める。運よく負傷せず三本の矢を得た山田は180点を獲得し、再びリードを広げる。安心したのもつかの間、笑顔で懺悔の口でベストスコアを出すと宣言する絹守に汗がでる時盾。

痛がる素振りを全く見せない絹守に対して、観客達は誤解していた。それほど痛くはないんじゃないかと。しかし、時盾が痛がるのを見てそれは誤解だと気づく。あまりの痛さに吐いてしまう時盾。しかも得たのは一本の矢。しかし「共有はオレたちの義務だ。損得はカンケーねぇ!」といまだ心は折れない山田・時盾ペア。

地獄の光景が続く。痛みを恐れぬド素人の鬼・絹守。ツインズは手を守るために60点を支払い続けても三分の二の確率でハズレがあるため、負傷は避けられない。時間とともに両チームの点差は少なくなり、手に空いた穴だけが増えていった。

ついに時盾は0点で懺悔の口を使用する。ここにきてツインズは初めて理解する。痛みとは異常を伝える信号なのだと。ついに狙った枠を外してしまう。

そして地獄の終わりが見えたのは懺悔の口使用開始より386巡目。異常なまでに右手が腫れあがった山田が放った矢はアウトボード。的にすら当てられなくなり、気迫では補いきれないほどの重傷を負ってしまっていた。

そのときタバコを負傷している右手で吸っている絹守に違和感を覚えたツインズ。何百回も手に針を刺しているため痛みを感じていないにしても利き手に力を入れられるのは不可能だと叫ぶ。

「君達も痛みについて理解を深めましたね」と右手を見せる絹守。その右手には四つの傷口しか開いていなかった。絹守は機械に噛みつかれるより早く自ら貫通した傷に針を通していたのだった!

絹守「私が純粋なダーツ勝負で君達に敵わぬように、君達が私より長く苦痛に耐えることは不可能です」と冷徹に言い放つ。ついに二人の心が折れてしまい敗北を宣言。勝負は決する。最凶コンビが余裕の勝利。

***感想・評価・考察***

今回は利き手(右手)しか使えないルールのため、ツインズはもっと絹守の右手に注意しろよと突っ込みたくなりました。386回まで気づくないなんて…。ルールも「一回だけなんて誰も言っていない」なんて後付けもいいところだよとご都合主義的なルールでしたね。ただ絹守の狂気が存分に発揮された回は面白かったです。