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【バジリスク~桜花忍法帖~】感想ネタバレ第7巻(最終回・最終話・結末)まとめ

週刊ヤングマガジンで連載していた『バジリスク~桜花忍法帖~』の最終巻7巻の最終回(最終話)を含めた感想ネタバレまとめです。結末(ラスト)はいかに!?

成尋の狂儡によって操られた響が、八郎の前に立ちふさがる。対峙する二人には殺し合う道しか残されていないのか!?桜花に翻弄される双子が、最後に選び取った忍の運命とは!?忍たちの死闘、ついに完結!

第7巻までのあらすじ

忍法合戦から十年の歳月が経過。甲賀弦之介と朧の子供である甲賀八郎と伊賀響。二人は双子ながら相思相愛の仲だった。そこに超絶の魔術を操る正体不明の五人組『成尋衆』が現れ、伊賀と甲賀の精鋭たちを倒す。成尋衆の狙いは甲賀八郎と伊賀響の瞳が重なった時に発揮される桜花と呼ばれる超忍術。成尋衆首魁・成尋の「失われた真の歴史を取り戻す悲願」とは一体…。

成尋の能力『傀儡』によって響の五体はバラバラにされるが、それでも生きている響。甲賀八郎は一度は敗れた成尋衆を倒すために新しい伊賀と甲賀の仲間七人と一緒に響を取り戻す戦いに再び挑む。いまだ謎に包まれる八郎と響の瞳に秘められし特別な力は、この世界に何をもたらすのか?

仲間が次々と倒れながらも成尋衆の輪廻孫六、涅哩底王(明石全登)、夜叉至(細川ガラシャ)、孔雀啄(森蘭丸)を倒していく。その中で成尋(織田信長)の傀儡は五十年しか効果が無いため、信長が自分自身にかけた傀儡は解けて死ぬことがわかる。そして桜花とは望んだ別世界と現世を繋げる超忍術であることも判明。

本編あらすじ

甲賀八郎と伊賀響は本来の世界軸からは存在しない人間だった。矛眼術と盾眼術が合わさる事で発動する桜花とは、世界の改変とも呼べる新世界創造だった。成尋(織田信長)は『傀儡』のチカラで伊賀響を操り桜花を発動させ、自身が明智光秀に負ける運命を変えて新世界の王となることが目的だった。

成尋の狂儡によって操られた響が、八郎の前に立ちふさがる。八郎は桜花発動の瞬間、響の瞳術を夜叉至の鏡に反射し響自身へと返すことで傀儡を無効化させていた。

しかし、桜花発動の際に信長の念も僅かに混ざっていたため、どちらの世界にも傾く危険性を孕んでいた。より強い意思をもっている者がこの世界を統べる権利を得る。

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信長は全てを望み、八郎たちは『何も望まない』ことを強く望んだ。それはつまり桜花と共に消えることでもあったが、これが愛するものを守るための答えだった。歴史は八郎と響きの二人がいない元通りの世界に戻る。

 ~エピローグ~

高野山領の一角で始めた「おとし茶屋」が思いのほか繁盛して複雑な滑婆。根来転寝と夫婦になっており滑婆は妊娠している。伊賀忍者の涙・現・蓮が、忙しい店を手伝いにきてくれる。

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滑婆は伊賀甲賀の棟梁なんだから滑婆が命令すればいいのにと現は言うが、元棟梁だと訂正し「うちらはもう忍でも何でもあらへん」と言う。徳川家を陰から支える役目は忍者から柳生になっている。服部響八郎も存命。碁石才蔵も庭先でのんびり囲碁を打っている。

ふと桜を見て涙を流す滑婆。唯々湧き出る寂しさは誰のためであったか滑婆は知らない。歴史にも誰の記憶にも残らぬ戦いがあった。それは何かを変えることが出来たのか…。あるいは無意味なものであったのか。それを知る術はない。すべては散り行く桜花の如く。

***感想・評価・考察***

前作は忍者バトル漫画だが、本作は完璧な空想科学バトル漫画。瞬間移動や魔獣召喚や時空転移など『何でもあり』な世界観になってしまった。。また最後まで読んでも能力がよくわからない。ラストは特に設定や世界軸がよくわからないので、読者側に疑問点を残したままの完結となり消化不良の部分が残った。

ネット上ではかなり酷評されており、前作の続編として読むと落胆する。本作は続編とされているが、続編として読まないことを推奨する。これほどまでに世界観が違うのは作者が違うためで、存命だったら山田風太郎先生も失望すると思う。

テレビアニメ版や小説版もあるが、こちらも「つまらない」「駄作」「ひどい」「クソアニメ」との評判が多い。結末だけでなく物語の展開が小説・アニメ・漫画で全然違うストーリーというのも珍しいし、『甲賀忍法帖』が名作だけに酷評される結果となった。