【明治異種格闘伝 雪風】を読んだ感想評価ネタバレです。wikiがないマイナー漫画ですが密かに面白いマンガなのでご紹介。マンガボックスで連載していた作品で4巻で完結しています。 明治時代なのに剣術ではなく、ボクシングという異例の漫画。
明治十九年、東京。侯爵・柴原典膳が主催する『御前仕合』。徒手空拳の達人のみが集められ、命をかけて戦うトーナメントに一人の少年が参戦する。少年の名は雪村風太郎。武器は両手に秘めた米国仕込みの武術・“ボクシング”!!
本編あらすじ
旧相模柴原藩では体術による無刀御前仕合がおこなわれる。徳川譜代大名の柴原典膳は猛者達を家臣たちに集めさせており、家臣の櫻木源右衛門は一流の格闘家を探していた。
多くの流派を食らい伝統柔術を新たな地平へと押し上げた男「朝倉雷蔵」。古今無双の横綱「天鵬」。薩摩示現流剣術を素手で打ち破った琉球空手「鳴海幸文」。源平の合戦から先の西南戦争まで戦の陰に武蔵杉田流ありと謳われた武神「杉田厳狼斎」などの参加が決まった。
主君である柴原典膳に命じられ櫻木源右衛門は真剣を相手に素手で喧嘩をしていた雪村風太郎にその御前仕合への参加をお願いする。一度は断った風太郎だが、御前仕合の出場闘士の中には風太郎の家族の仇の一人がいたことで参加を決める。
「やっと一人見つけたよ」風太郎は刀の鍔を見ながら呟く風太郎。五年間アメリカで学んだボクシングの技術を用いて、無刀仕合に臨む。
第一仕合は天鵬対雪村風太郎。天鵬は幕内に上がってから三年間無敗。そのあまりの強さから天鵬だけは三つの技「張り手」「鯖折り」「閂」を禁じ手とされている大横綱。
仕合開始早々、禁じ手にされていた張り手を解放する天鵬。紙一重で躱し脇腹に左フックを当てる。続く張り手にも後ろに自ら飛んで衝撃を逃がす。その動きからボクシングだと気づく天鵬。(両の拳を武器として特化させた殺人拳と聞いていたが…確かにその言葉に偽りはない)
軽量級の風太郎だが、重量級の天鵬の脇腹に拳の跡が残るほどのパンチに驚く天鵬。とてもつもなく硬く、そして重い鈍器で殴られたような破壊力だと実感する。蝶の舞のようなフットワークで天鵬を翻弄しているように見えるが、天鵬もその動きに徐々に慣れつつある。
簡単にかわしているように見えるが一発一発が死の重圧と戦う風太郎。ついにリズムを崩されたところを二つ目の禁じ手「鯖折り」で捕まってしまう。
本来の鯖折りは腰をくじき落とす技だが、天鵬の場合はその剛力を生かし身長差に関係なく背骨を圧迫し損傷を与え、ついには脊髄を破壊する悪魔の技。
背骨を折られて終わりかと思われたが風太郎は身体をゆさぶり、拳を打ち出す反動をつけると、脳を揺らすパンチをこめかみに当てる。しかし、それでも天鵬は倒れない。決着は2巻に持ち越される。
***感想・評価・考察***
4巻完結。一言で言うと「るろうに剣心+刃牙+はじめの一歩」。フェザー級に見える風太郎だけど天鵬の脇腹に拳の跡が残る異常なパンチ力。風太郎は幕ノ内一歩の前世なのかな(;´・ω・)