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【バーテンダー】漫画の名言・名台詞・名場面・登場カクテルまとめ

2004年から2012年までスーパージャンプとグランドジャンプに連載していた原作:城アラキの漫画作品『バーテンダー』の好きな台詞や名場面をまとめました。

バーテンダー 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
 
ジンフィズ

佐々倉溜の言葉。プロが新しいバーに入ってその店のバーテンダーの力量を計るにはジンフィズがベスト。ジンフィズにはシェイクの技から酒と果汁の比率、炭酸や氷の扱いまでバーテンダーの基本技術が全て入っている。佐々倉は葛原に和三盆を含めたオリジナルのジンフィズを提供した。(第1巻6話 氷の技)

人に隠れバーのカウンターで一人泣く者が一番苦しんでいることもある。

バー・ホッパー伊丹の話。一軒で2~3杯、30分もいれば次の店に行く。まるでバーをホップするバッタの様に一晩に3~4軒は回る。一説によれば銀座には六百人のバー・ホッパーがいると言う。ある人はそれをバーのパトロールだと言い、ある人はバーテンダーが生きてるかチェックしに行き、またある人は親戚めぐりのようなものと言う。(第2巻10話 バー・ホッパー)

何を期待してこの店のトビラを押したのか。

佐々倉にジントニックが店の顔と呼ばれる所以を尋ねる東山。単純なレシピなのに様々な味のバリエーションがあり店の個性が出しやすいと答えるが、それでは50点だという理由は…。(第3巻17話 バーの顔 中編)

バーってのは夜だけ開いてる病院なんだよ。

若い頃の佐々倉はバーテンダーとは酒の知識・技術を磨いてお客様に楽しい時間をサービスする仕事と答えるが、先輩バーテンダーの北方は魂の病院と答えた。トマトジュースを用いたカクテル『ブラッディ・マリー』を飲ませながら酒には毒と薬の二つの顔があり、その中から薬の顔だけ引き出してやるのがバーテンダーの仕事だと話す。(第4巻24話 ふたつの顔)

バーではどんなに飲んでいても酔ってはいけない。

教師をしている木村先生の言葉。バーでは肘をカウンターの緑より奥に置くな。背筋も伸ばして前を見て飲めと教え子の木村に話す。なんのために来るのか問う生徒の木村に「やせ我慢を学ぶため」と話す。安酒をみんなでガブガブ飲んでも大人になれない。(第5巻39話 ロクデナシ)

マティーニ
バーテンダー 7 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
 

キング・オブ・カクテルと呼ばれるマティーニ。金城ユリはウォッカをベースにして川上京子に提供する。海外だとマティーニはウォッカでシェイクの方が普通。スッと喉を通って最後にガツンと芯がある。(第7巻49話 マティーニの顔 後編)

モヒート

小説家ヘミングウェイが愛したとされるカクテル。佐々倉が来島会長に提供。来島会長はミントの爽快感は生きているのに苦味はない、野性味があるのに味は繊細だと評価した。(第7巻51話 夏・2杯目の味) 

バーに来る飛べない鳥はな~んだ?

答えは「ひとり」。飛ぶのに疲れた鳥も飛べない鳥もカウンターで休む。佐々倉は百万ドルの異名をもつ『ミリオンダラー』を提供。百年以上前に横浜のホテルの支配人ルイス・エッピンガー氏が考案したカクテル。(第8巻56話 イーデンホールの幸運 前編)

バーの仕事の8割は磨くことです。

葛原隆一の言葉。開店前にはお店を磨き、ボトルを磨き、グラスを磨き、氷を磨く。そしてそれ以上に大事なのはバーテンダーとしての魂が曇らないように磨くこと。(第8巻62話 バーテンダーの魂 前編)

酒といえばラム!私にとってはラムだけが酒!!
ラム酒大全: 定番銘柄100本の全知識

ラム酒大全: 定番銘柄100本の全知識

 

マリア・メンドーサの言葉。彼女は南米の聖母と呼ばれている国民的な大歌手。ダークラム、レモンジュース、クローブ少々に角砂糖。お湯を足しシナモンスティックで角砂糖を溶かしながら楽しんだ。ラムは魂を温めてくれる。(第9巻66話 聖母のラム 前編)

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ビトウィーン・ザ・シーツ

世界一有名でセクシーなナイトキャップ(寝酒)。シーツとシーツの間、つまりベッドに入りましょうという意味。佐々倉はアグリコールという日本製のラムを使った。アグリコールは普通のラムと違い、サトウキビを搾ってそのまま発酵させている。大手メーカーの作る洗練された都会風の味とは異なり香りは強烈で味わいも荒々しい。サトウキビの収穫時期に合わせ無添加無着色で蒸留するため年に一度しか作れず生産量が少ないため貴重と言える。(第9巻67話 聖母のラム 後編)

スクリュー・ドライバー

イランで働いていたアメリカ人が作業現場でカクテルを作った。この時ウォッカとオレンジジュースを混ぜるのに使ったのがドライバーだったことに由来している。昔はレディー・キラーと呼ばれており、口当たりがよく飲みやすいのにアルコール度数は高い。(第10巻72話 写る魂 前編)

バーでは声低く語れ

佐々倉の言葉。バーではたとえ誰かと話をしていても実は自分自身と語り合っている。このとき大きな声を出すと囁きを聞き逃すことがあるから。ウィスパーとともに。(第11巻82話 心の棘 中編)

照葉樹林

サントリーカクテルスクールから生まれ福西栄三氏が命名した純国産のジャパニーズカクテル。甘さの中に抹茶独特の苦みがかすかにある優しい味わい。葛原隆一がコンシェルジュの三谷淳一に提供。 (第11巻86話 淳一の苦悩)

バーのカウンターに座ったら横を向いて話すんじゃない。

銀座のゴッド・マザーと呼ばれる諏訪の言葉。隣の相手と飲む時も前を向いて飲みながら話す。そうすれば言葉も気持ちもぶつかり合わずにすむから。だから口説く時も別れる時もバーのカウンターが一番だと話す。(第12巻89話 テネシーワルツ 前編)

テネシーワルツ

昭和24年(1949年)のちに日本バーテンダー協会会長になる長谷川幸保氏が雑誌「酒と音楽」4月号で発表し全国に広まったカクテル。バーの営業が解禁されたのも1949年5月。当時はバーのラジオから流れるテネシーワルツを聞きながら飲んだのではないか。(第12巻89話 テネシーワルツ 前編)

客の小さな孤独に気付けるかどうか。

バー・ホッパー伊丹の言葉。サービスには偶数のサービスと奇数のサービスがある。2人や4人の客ならバーテンダーは放っておくのがサービス。でも1人や3人の客には一言だけでも声を掛けるのがサービス。バーテンダーにとって一番必要な才能だと語る。夏に初めてバーに入って腕前が分からないバーテンダーに頼むにはいいカクテルとして『ジンリッキー』を飲みながら。(第13巻97話 奇数のサービス)

ブルー・ムーン

昭和30年代に流行ったカクテル。ブルー・ムーン(青い月)は、あり得ないことや出来ない相談という意味があり、昔は女性がこれを頼んだら断りのサインと言われたもの。(第13巻100話 失敗の優しさ 後編)

デュワーズ・ホワイトラベルのソーダ割

神戸スタイルのハイボール。氷を使わずにウイスキーとグラスをあらかじめ十分に冷やしているのが特徴。最近のハイボールは氷が入るが、神戸スタイルは氷がないので最後まで味が変わらずに楽しめるハイボールとなっている。(第14巻108話 献杯 前編)

ウォッカ・トニック

住宅街に構えるバーテンダー内田が提供したカクテル。和久井と白石は泡と氷の観点からハズレだと思うが、飲んでみたら飲みやすいのに決して薄くはない味に驚く。喉ごしが水のように軽いウォッカトニックを目指して三年の歳月を費やしたのは、住宅街という土地柄から、どこかで飲んで家に帰る前にちょっと飲みたくなる味に仕上げるためだった。(第15巻117話 嫉妬 後編)

マンハッタン

佐々倉が銀座一の老舗酒卸問屋『銀座の柳』に提供したカクテル。マティーニがカクテルの王様と呼ばれるのに対し、マンハッタンはカクテルの女王と呼ばれる。スイートベルモットが夕焼けを、赤いチェリーが沈む夕陽を表現していると言われている。(第18巻136話 バーの宝物-開店準備-)

會館フィズ

進駐軍が東京會舘を利用していた頃に生まれたカクテル。マッカーサーも愛していたと言われ、朝からジンフィズを飲むわけにはいかない将校たちのためにジンフィズにミルクをシェイクして生まれた。(第19巻149話 見えない味)

シャーリー・テンプル

1930年代のアメリカ合衆国の少女スターの名を冠したノンアルコール・カクテル。パーティーの時に主役のシャーリーだけがカクテルを飲めないのは可哀想という理由から生まれたと言われている。ウォッカを加えると『ダーティー・シャーリー』という別のカクテルになる。(第20巻157話 善い人)

エトレーヌとピンクリボン

実在する銀座のバー『酒向バー』のバーテンダーが考案した日本発祥のカクテル。エトレーヌは1991年回全国バーテンダー技能競技大会の優勝作品。ピンクリボンは乳がん啓発の願いが込められたカクテルで、クランベリーリキュールにバニラリキュールなどを加えたレシピとなっており、女性でも飲みやすいカクテルになっている。(第21巻160話~161話 オリジナル・カクテル)

まとめ

アニメやテレビドラマ化もされた本作。お酒にちなんだ漫画だが、正確には『バーテンダー』という職業漫画。お酒にも詳しくなれ、接客やビジネス視点でも読めるため酒やバーに興味が無い人が読んでも面白い。飲食店などサービス業の人が読んだら勉強にもなります。

内容は少し大人ですが、将来的にバーに行こうと思っている10代が読んでも良いでしょう。