1995年から1999年まで週刊少年サンデーに連載していた曽田正人の消防士漫画『め組の大吾』の好きな名言・名台詞・名場面をまとめてみました。
今まで、火が出なかったんじゃない、出さなかったんだ…
朝比奈大吾の言葉。めだかヶ浜の所轄は、木造家屋がスシ詰め状態で、もしも火が出たら手のつけようのない地域でありながら、めったに火事が起きず出動もほとんど無い平和な地域のため、めでたいめ組と呼ばれる。しかし、それは偶然や幸運ではなく五味所長や植木による努力の賜物だった。毎日遊んでいるように見えて、何十年も所轄の見回りは欠かさない五味の後姿から何かを学ぶ。(第20話 めでたいめ組)
言っとくけど、知り合いは一番後回しにするぜ。
朝比奈大吾の言葉。高校の後輩、近藤純と世間話をしているときに近藤が「(なにか起きたら)先輩に助けられたい」と話すと顔つきが変わり、知り合いは一番後回しだと真剣な顔をして伝える。(第25話 噂の男)
さすがだぜ、ほかの連中は…。
陽光新聞社千国支局社会部の記者・丘野明の言葉。プライベートの慰安旅行できている宿泊先のホテルで、めだかヶ浜出張所のメンバーは無意識のうちに非常口の場所をチェックしている。万が一の可能性でもイザという時に宿泊客を誘導するため緊急時に備える消防官。これが国内外問わず一流の消防官に共通する習性だと丘野は考える。(第32話 旅の宿にて)
階上で煙に追いつめられた後の悲惨さがわからねーのか!?
丘野明の言葉。火事での死因の大部分は、煙による一酸化炭素中毒。建物火災の避難で階上に上がるなんて愚の骨頂だと考えるが…。(第34話 黒煙の迷路)
何トロトロ走ってんだよ、影山さん…
一時的に救急隊に回される朝比奈。ゆっくり走っていると思われたが実際は90㎞もスピードを出していた。全く揺れないため遅いと勘違いしたが、救急隊のドライブテクニックが光る場面。(第41話 峠を越えて)
あんな面白そうなの…め組で独り占めはないでしょう。
荒教官の言葉。朝比奈を独り占めしている五味さんを「ズルい」と嫉妬し、荒は問題児の朝比奈を特救研修に合格させる。五味をもってしてレスキュー隊員の中でも屈指の凄腕と評価され、恐ろしいまでに切れると言わしめる荒教官。ただし悪い方にキレなければ…(第87話 英雄の行方)
生まれてくるのさえもう少し遅かったらわたしも…あなたたちと同じように、現場に出られたのになあ……
警防部救急救助課・忍足ミキの言葉。朝比奈から現場に出ない気楽な立場と言われての一言。忍足の時代は消防局でまだ女性がポンプ隊員に採用されなかった。忍足は出ないのではなく出られなかった。(第120話それぞれの役割)
自分達の大切なものは、自分達で守れ!
15年前、えび谷温泉郷の寺で起きた火災。寺が燃えるのをただ茫然と見ていることしかできなかった地元の人に五味が言った言葉。消防車もポンプもない中でバケツリレーだけで消化した。ガッツあるぜ!(第129話 バケツの伝説)
あのとき、こんな便利な機械があったらな…。
五味俊介所長の言葉。水の微粒子を衝撃波で放射する最新の消化システム装備『インパルス』を見て思わずつぶやく。今すぐインパルスを抱えて15年前に起きた千国市立病院火災に駆け出したい気持ちに駆られる。(第134話 至近距離)
俺はもっとヤレたんだ!
五味俊介所長の言葉。生死の境をさまよう大怪我をおった6週間後、千石市立病院火災で伝説の救助をして尊敬を集めているが、本人はあのアクシデントがなければもっと踏み込めたと悔しそうに語る。あの娘(忍足ミキ)の母親も、昔の俺ならきっと助けられたと話す。(第161話 敗者)
VALUE OF THE MAN(その男の価値)
総人員45名・ヘリコプター2機。世界最大級の輸送機アントノフ1機。ヘリテレビ送信装置、GPS、赤外線画像装置一式…総重量170トン、本来、今回の活動に投入されるはずだった全装備分の価値が朝比奈一人にある。(第176話 帰途)
まとめ
2012年に文庫版としてリニューアルしてくれたのは万感の思い。アニメやテレビドラマ化もされ、雑誌連載中に消防官の採用試験の倍率が跳ね上がったという逸話をもつほど人気を誇った不動の名作です。人命救助を題材にした漫画では小森陽一・久保ミツロウ『トッキュー!!』と双璧をなすと思います。