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【レイリ】感想ネタバレ第6巻(最終回・最終話・結末)まとめ

別冊少年チャンピオンで連載していた『レイリ』の最終巻6巻の最終回(最終話)を含めた感想ネタバレまとめです。結末(ラスト)はいかに!?

天正10年(1582年)織田信長はついに甲斐・武田征討を開始した!黄昏の帝国に襲いかかる、圧倒的な覇王軍の攻勢に“武田の希望”信勝とレイリは、当主・勝頼を助けて最後の抵抗を試みる。その逆転の奇策とは!? 巨匠×鬼才が描く超本格時代コミック、完結巻!

目次

第30話 銃声
第31話 希望
第32話 声、響く
第33話 信玄からの手紙
第34話 戦
第35話 富士

5巻までのあらすじ

父母弟が自分のための盾となり惨殺された過去を持つレイリは、「自分も誰かの盾になって死ぬ」ことを望み、高い武術を身につける。その後、数奇な縁で武田家の御曹司・信勝の影武者となるが、恩人・岡部丹波守の窮地を聞き、徳川家康の軍勢に囲まれる高天神城に救援のため単身潜入した。

だが再会した岡部は自分の命よりも若い兵たちが生き残ることを願い、囮となって散る。レイリはその望みに応えて命懸けの脱出作戦を主導。ついに甲府への生還を果たした。戻ったレイリに信勝は優しい言葉をかける。覇王・織田信長の来襲に備え、緊張の高まる武田勢。当主・勝頼は巨城・新府城に移り迎撃を誓う。

一方、信勝はレイリとともに小山田城内の堅城・岩殿城を視察。いざという時にはこの城で籠城するという信勝の策に小山田信茂も感動し、最後の砦となることを快く約束した。

その後、信勝との勝手な視察を危険すぎると惣三に咎められたレイリだが、自ら進んで死を引き受けていった人々の心に寄り添うように「もう死にたいとは思わない」と惣三に新たな思いを語り、惣三はこれに喜びの気持ちを示す。天正10年、ついに信長は武田征討を開始した。

本編あらすじ

織田方の武田攻めが始まると武田家の親族である木曽義昌が早くも織田方に寝返った。武田勝頼は1万5千の兵で出撃するも、親族筆頭である穴山玄蕃(穴山信君)も裏切ったため、すぐに新府城に戻ってきた。

数日前まで1万5千いた武田軍はすでに千人にまで減っているため広すぎる新府城を千人で守ることは不可能。武田信勝は新府城を放棄して岩殿城を移ることを提案するが、これを父・武田勝頼は拒否する。

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武田信勝は穴山玄蕃の策略を考え、闇討ちがあることに気づき父・武田勝頼に伝えようとしたところを刺客に狙われてしまい勝頼の盾になり命を落とす。宿命を背負い、精一杯戦国を生きた少年・武田信勝はレイリの腕の中で静かに散る…。

主・信勝を失った悲しみも癒えぬまま、影武者レイリの最後の勤めが始まる。信勝は死ぬ間際に自分の死が知られれば内部分裂が起きてしまうことを危惧し、レイリに影武者を依頼する。

しかし、それでも噂は広まってしまい500人いたはずの兵が、すでに200人に減ってしまっていた。岩殿城まであと一歩の勝沼の場所まで到着するが、ふもとの集落で待たされていた。このとき武田勝頼一行の総勢は90人にまで減っていた。

ふもとの集落で待っていると突然、レイリの前に郡内領主の小山田信茂が現れ、レイリが影武者であること(武田信勝は死んでいること)がバレてしまった。

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それでも武田一行は、信勝の死を知り態度を変えた小山田信茂のもとへと向かう。勝頼は小山田を土壇場で主君に刃を向けた卑怯者と罵倒するが、レイリは一切責めず領民を救うためだということを理解し、里の安寧をお祈りすると伝え、その場を去るのだった。

レイリは武田勝頼からお役御免を言い渡される。影武者ではなく一兵卒としてお供することを進言するが、土屋惣三昌恒から息子・平三郎とともに生き延びてくれと頼まれる。死地に向かう惣三に納得がいかないレイリだが、自分の使命を全うするためだと説明する惣三に対して、レイリは最後に惣三が好きだと伝え、二人は別れる。

その後、追いつめられた武田勝頼一行は攻めよせた織田の大軍を相手にしばし抗戦し、多くは戦死。残りも全員自刃して果てた…。その時における武田家家臣・土屋惣三の奮戦ぶりは凄まじく、敵である織田方からさえも賞賛されるほどであった。その武名は多くの文書に記されて今日に伝わる。皮肉にも死んだ直後から名が全国に知れ渡ったのである。かつて戦国制覇の夢を追った名門・武田家ここに滅ぶ。

レイリは武田を裏切り信勝を暗殺した穴山玄蕃だけが生き延びていることが許せず、単独で穴山玄蕃を討ちに向かう。その頃、京都の本能寺では家臣の明智光秀が襲われ織田信長が死亡。本能寺の変が起きてから徳川家康は信長の同盟者である関西区域を脱出を図っていた。穴山玄蕃頭(穴山梅雪)も家康に同行している。そこにレイリは家康の背後から近づき、脅しながらある要求を伝える。レイリは信勝の姿に変装して家康と別行動をとっていた穴山玄蕃頭を打ち果たしたのだった。

あれから6年後ー

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天正16年(1588年)、武田、織田ともに滅び去って時は流れた。レイリは平三郎とともに寺に身を寄せながら過ごしていた。平三郎はレイリに父と同じく強い武将になりたい、そのために大名に仕えたいと懇願する。レイリは平三郎の想いを汲み取り協力することを約束する。

数日後、偶然にも近くに鷹狩りに来ていた徳川家康に自分の正体を隠して近づくことに成功したレイリは、家康に平三郎を紹介する。家康は「片手千人斬り」の異名を持つ土屋惣三昌恒の遺児であることに驚き、徳川家に仕えないかと誘い、平三郎もそれに同意する。

レイリは心の中で過去に徳川家康を襲ったときに殺さなくて正解だったと一人納得。家康は帰り際にレイリのことを思い出したようなセリフを言いながら去る。家康と一緒に去る平三郎の後姿を見守りながら「私もどっか行こうかな」と決心し、あてのない旅に出るのだった。 

***感想・評価・考察***

歴史の「もしも」を豊富な史料と大胆な発想で描かれており正統派歴史漫画としての名作と言っていい。中国を舞台にした歴史漫画『キングダム』の戦国時代版のような漫画でした。読み終わったあとのスッキリさは国民的超人気コミック『鋼の錬金術師』のような素晴らしさがあった。架空の主人公ですが、ストーリー自体や周辺の人物は史実と合わせた内容となり、どこか説得力のあるストーリーに感じました。