2004年に週刊モーニングで連載していた『エマージング』最終巻3巻の最終回(最終話)を含めた感想ネタバレまとめです。結末(ラスト)はいかに!?
未知なるウイルス「エマージング(新興)ウイルス」は猛威を振るい、次々と発症患者が現れる。しかも、空気感染する可能性までが疑われ…!?人類はこのウイルスに勝てるのか!?驚天動地の最終巻!!
本編あらすじ
未知のウイルスによって岬あかりが死にかける。厚労省は空気感染の可能性を隠蔽し勝手に終息宣言をするが、内部告発により空気感染の疑いがあることがニュースに流れて社会はパニックになる。
厚労省によって強制隔離による封じ込め作戦の実施が決定され、感染拡大を防ごうとするが、決定的な治療法がなく隔離されることがわかっていれば検査に来る人もいないため潜伏者まで見つけることは困難。
封じ込め作戦が始まった翌日、すでに十名以上が死亡。都内全域の救急車両を動員して集められた隔離者数は150名を超え、病院はさながら野戦病院のようになる。東京の人々はいつどこで感染するかわからない恐怖に怯えて過ごすことになる。
岬あかりを含む4人の患者は感染症治療の専門家がいて設備の整ったアメリカに移送し治療することが決定。小野寺もWHO(世界保健機構)とCDC(アメリカ疾病管理センター)の合同医療チームに参加することになる。しかし、小野寺は岬あかりの体力がアメリカに移送し治療法が確立するまでもたないことを理解しており苦悩する。
岬の彼氏の大島は病院に侵入し岬に接触。感染を疑われる大島の血液検査の結果は陽性反応だった!既に感染しているはずなのに無事なのは、体内に免疫抗体があるためで、血液から血清を作り投与すれば助かる可能性が出てきた。
厚生労働省感染症対策部の平山課長の一存でバイオセーフティーレベル4研究施設の使用が許可される。血清を作っている最中に国立伝染病研究所の森室長も感染したことが発覚し、関口が一人で血清を作成。終わったときには森室長は意識を失っていた…。
~エピローグ~
それから三か月後…ようやく終息宣言が出される。
血清治療の効果は絶大で重症者たちも一命を取り留めた。その後潜伏者の中から新たに免疫抗体を持つ者が確認され、血清治療が患者全員にできるまでになっていた。治療法があるという情報は逃亡していた感染者たちを検査に向かわせる結果を招き世間は落ち着きを取り戻していった。
小野寺と関口の二人は感染源調査に参加していた。建設会社に勤めていた最初の感染者である山田は発症前にリゾート開発の測量調査で日本アルプスを訪れていた。この地のどこかでウイルスに感染したと思われ昆虫・哺乳類・鳥類などなんらかの生物を媒介して感染したと考えられるためサンプルを集める。
森室長は死んでおらず、アメリカのCDCに今回のウイルス研究は委託されているためCDCで働くために単身渡米。アメリカでのびのびと働いている。日本は救われたが空気感染に変異したら…ウイルスの恐怖は終わらない…。
***感想・評価・考察***
未知のウイルスとの恐怖に挑む医療サスペンス漫画。整理すると「未知の危険な新型ウイルス感染症だったけど第一感染者が異常な死に方をしたおかげで早期発見できて奇跡的に日本中に広まる前に血清が作れて解決しました」というのが本作。パンデミック(広範囲に及ぶ流行病)には至っていない。もう少しパニックになってもいいと思う。
本作内でエボラ出血熱と比較されるウイルスだが、エボラ出血熱が致死率90%なのに対して本作のウイルスは10%程度と症状が重そうに見える割に死亡率は低いので大したことはない病気なのか?と思わせる部分もあった。現に初期感染者の岬あかりは生き残っている。バッドエンドは好きではないが、全然死なない未知のウイルスに恐怖はあまり感じなかった。
【感染列島】感想ネタバレ第1巻まとめ - 漫画ネタバレ無料まとめ事典
第一巻は面白かったが第二巻で間延びしてしまい、第三巻で足早に完結させた印象。どうしても『感染列島』と同じ流れになってしまっている印象を与える。似たような漫画がある以上はどう差別化するかがポイントになるが、差別化しづらいのが欠点のジャンルだと言える。1巻完結の感染列島に対して、エマージングは三巻続いたとはいえストーリーはほぼ同じになっており最後はあっという間に解決した。