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【感染列島】感想ネタバレ第1巻まとめ

2008年にビッグコミックススペシャルで連載していた『感染列島』の最終巻1巻の最終回(最終話)を含めた感想ネタバレまとめ。結末(ラスト)はいかに!?

この作品は、人類がかつて遭遇したことがない新型ウイルスの感染爆発(パンデミック)が現実になった場合、どのような影響が社会や人類に及ぶのかを膨大な取材データに基づいて検証し、物語を構築したリアルシュミレーションコミックである。

本編あらすじ

2011年1月3日

僕は、その日"それ"に出会っていた。

2011年1月4日

それは始まった。救急救命センターに運び込まれたのは松岡が前日に診断した男性・真鍋秀俊だった。全身感染による多臓器不全を起こしており、とんでもなく厄介なウイルスの仕業かもしれない。病院内では新型インフルエンザの感染者と疑われる患者に接触したスタッフは一時的に隔離され、タミフルを飲むように指示が出される。

2011年1月5日 午前3時28分

真鍋秀俊はそれによる最初に死亡者となった。同日、東京都や宮城県でも吐血する人物があらわれる。最初に診断した救急救医の松岡は自責の念にかられる。そこに看護師から院内感染が発生したことが報告される。驚く松岡の隣で倒れる安藤先生。
感染者6名、うち1名が死亡。
それは何か?
それは何をするのか?
それはどこから来たのか?
それをどう殺すのか?
僕たちはまだ何も分かっていなかった…。

2011年1月6日 午前9時13分

それは見えない所で確実にこの国を蝕んでいった。内閣官房・関係省庁連絡会議で状況報告がおこなわれている。都内の感染者数は48名。専門家から最悪のケースとして死亡者数64万人と推計された。WHOメディカルオフィサーの小林栄子は現場で直接指揮をとることで感染拡大を防ぐと提案する。

2011年1月7日

鳥インフルエンザの可能性がある養鶏場の前にはマスコミ報道や、野次馬からは誹謗中傷の嵐。養鶏場の家の子供も学校でイジメに遭う。WHO小林栄子が、いずみ野市立病院に派遣される。

2011年1月9日

安藤先生が息を引き取った。予想以上の感染拡大に病院はすでに対応する能力を失っていた。タミフルが全く効かない謎の感染症…。致死率60%。それによる感染者は2310人、死亡者は856人を数えた。

2011年1月16日

最初は鳥インフルエンザかと思われたが、実際は違った。これまで人類が遭遇したことがない未知のウイルス。それに名前が与えられた。ブレイムという名が…。養鶏所を営んでいた男性は犯人扱いされていたため自殺してしまっていた。ウイルスの正体は一体…。

2011年1月18日

感染者4127人、死者1989人。
ブレイムとの闘いが始まった。ワクチン完成まで、あと半年…。

2011年1月21日

政府は新型インフルエンザ国内発生指針案に準じてブレイム対策をおこなうことを閣議で決定。感染源とされる東京都いずみ野市のほか、すでに発生済みの地区も地域封じ込めが始まった。

ワクチンが完成するまでの半年間、現場にできることは対症療法だけだった。あらゆる医療機器が足りない中で、生存の可能性が少しでも高い患者を優先させる小林栄子。それは回復の見込みがない重傷者を見捨てる非情な判断をしなければいけなかった。みんな、極限状態の中で必死でこらえていた。ただひたすら…ワクチンの完成を待って。

2011年2月24日

WHOから小林栄子に長野県への配転命令が出た。松岡は小林に最後に世界が平和に戻ったら会いに行くと伝える。長野へ向かおうとする矢先、鼻から血が滴り落ちる。ついに小林も感染してしまった…。

第一感染者死亡から50日後…
感染者 約250万人
死亡者 約90万人

ブレイムによる感染者、死亡者数は増加の一途をたどった。WHOからは日本への渡航禁止勧告が出された。どの都市も無人だった。そこにいるのはただ死者のみ…。埋葬する場所がないほどの死者で溢れていた。

2011年3月1日

感染者は東京都民の人口と並び1000万人に達し、死亡者は300万人を超えた…。看護師の三田多佳子が息を引き取った。一緒にブレイムと闘ったスタッフの死。それは明日の自分の姿かもしれなかった…。

2011年3月2日

松岡宛に長野からテレビ電話が入る。そこにはベッドで横たわりながら話しかけてくる小林の姿が…。小林栄子がアフリカに治療に行ったとき、エボラで助からないと思われた患者を救った治療法について語り出す。

それは治癒した人間の血清を輸血して、体内にウイルスの抗体を作る方法を実践したところ、8人中5人が助かったという事例だった。科学的に証明された治療法ではないため小林のいる長野では反対されており、最後の希望を松岡にお願いする。

絶望の中で小林がくれた一筋の希望を信じ、松岡は決断する。ブレイムから回復した第一死亡者の妻・真鍋麻美の協力のもと血清を患者に投与すると心拍、血圧とも安定する。血清が効いた!

2011年3月3日

松岡は血清を携えて小林栄子が入院している病院に駆けつけるが一歩遅かった。最後に松岡へ感謝の言葉を伝え、WHOメディカルオフィサーとしてブレイムと闘い続けた小林栄子はその闘いを終えた。

2011年7月12日

ブレイム発生から半年後、ワクチンが完成。ブレイムは徐々に沈静化していった。
感染者3950万人
死亡者1120万人

スイス・ジュネーブにいるイヴィツァの元へ松岡から国際メールが届く。

イヴィツァ君へ 
ママの代わりにお手紙を書かせてもらいます。
日本は少しずつ元気を取り戻しています。
君のママが命をかけて伝えた治療法は日本中で多くの人々を救いました。
でも医学的な確証がないからと治療法としては正式に認められず、
今も研究中だそうです。けれど僕は思います…
君のママの勇気がたくさんの命を繋ぎとめてくれたのだと。
そして僕も君のママにもらった一人です。
最後に…栄子がきっと君に伝えたかった言葉を書きます。
たとえ明日、地球が滅びるとも…今日、君はリンゴの木を植える。

***感想・評価・考察***

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映画化もされた本作。妻夫木聡や国仲涼子など豪華キャストが起用されている。映画に関しては原作と違う部分も多く、一部ではひどいと言う評判もあるが、漫画で読むと違和感は少ない。バイオハザード系のパニック系として読み応えあり。

実際に日本でパンデミックが発生したらどうなるだろうかと考える。日本の総人口が1憶2千万人いる中で、どこまで影響されるだろうか。致死性の高いウイルスに4人に1人が感染したと考えると怖いが、感染者が60歳以上中心(労働人口にはそれほど影響ない世代)と考えると本作ほどの影響ではないと思う部分もある。

漫画では廃墟と化す都市部だが、現実的にあんなひどい状況になるのだろうか。それこそ飛沫感染しないためには無人島に避難するか、山でサバイバル生活するしか方法はないように思える。

実際に新型ウイルスが猛威を振るったら抵抗力の無いシニア世代が中心になると考えられる。全世代が感染したとしても若い世代が重症化するのは少ないと思われる(少なくともシニア世代から先に死ぬだろう)。日本には60歳以上が四千万人いるので、そうなった場合の影響度も知りたいと思った。