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【屍牙姫】感想ネタバレ第5巻(最終回・最終話・結末)まとめ

月刊コミックゼノンで連載していた『屍牙姫(しがひめ)』の最終巻5巻の最終回(最終話)を含めた感想ネタバレまとめです。結末(ラスト)はいかに!?

屍牙姫 5巻 (ゼノンコミックス)

屍牙姫 5巻 (ゼノンコミックス)

  • 作者:佐藤洋寿
  • 発売日: 2019/05/20
  • メディア: Kindle版
 

恋人・ちかが血族として覚醒し、完全に崩れ去った修の日常。彼女の暴走により、学校中を巻き込んだ殺戮劇が引き起こされる。変わり果てた恋人を、修はみずからの手で葬ることを決意するが……。ついに終局を迎える、少年少女の歪んだ青春。そして美輪子が明かす、「血族」と「使い魔」の真実とは!?戦慄のホラーサスペンス、衝撃の最終巻!

第26話 宣告
第27話 卒業
第28話 拒絶
第29話 愛別
第30話 遊戯
最終話 救済

本編あらすじ

広田修(ひろたおさむ)の彼女である村瀬ちかも一次感染者に。村瀬は自分も広田と同じ立場(血族)になったことを喜ぶが、広田は村瀬には普通でいてほしかったため二人の想いは交錯する。

村瀬によって気絶させられた広田は気がつくと学校にいた。残されていた伝言に従い体育館に向かうと、そこでは生徒全員が殺し合っていた。広田は気絶している間、村瀬ちかによって学校の生徒全員が血族にされてしまい体育館で争っていた。

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広田は嫌々ながらも全員から襲われたため仕方なしにクラスメイトを含めた生徒全員を殺す。オリジナルである美輪子の使い魔である広田の圧勝。

いじめられっ子の橘壮一(たちばなそういち)は村瀬の使い魔を志願するが、村瀬は彼氏である広田を使い魔にしたいため断られてしまう。橘の言動や行動(自分で自分の心臓を引き出して差し出す行為)に若干引き気味の村瀬。美輪子も村瀬も自分を選ばず広田を選んだことに嫉妬から殺意を覚える橘。

その頃、広田は彼女の村瀬がかつて自分が知っている村瀬ではなくなっていると感じ、殺すことを決意するのだった。翌日、学校の生徒が惨殺死体となって発見されたことが一大ニュースになっていた。マスコミをよそに広田は鉄塔でひとりたそがれている。

村瀬は美輪子に広田を使い魔にしたいとお願いするが、広田は自分の使い魔だからと断られてしまう。そのため美輪子を殺せば広田がフリーになると思った村瀬は美輪子を殺そうとする。そこに広田が登場。

村瀬は広田に「美輪子さんにトドメを刺しちゃって」と頼むが広田は無視。逆に美輪子が広田に「村瀬を狩り殺しなさい」と命令すると素直に従う広田。それにキレる村瀬は広田を天井にのめり込むほどの威力で倒すが、以前の傷が開いてしまい屋敷を飛び出す。

道端で傷つき倒れそうになっているときに橘壮一が現れてくれたため、助けてほしいと懇願するが「またきっと村瀬さんは美輪子の様に僕を捨てるんでしょ」と橘は村瀬を一刀両断する。広田が到着したときには時すでに遅し。

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彼女を殺された広田は橘と交戦。二人はお互い致命傷を相手に与えながら朝を迎え朝日を浴びたことで二人とも倒れる。

かろうじてまだ生きている二人。環と助け出される橘だが、肉体の再生はもう無理だと見放されてしまい放置される。広田は両手両足を失いながらも美輪子に助け出され、美輪子に優しく介護される。全てを失った広田は殺してくれと嘆願するも拒否される。

美輪子からまだまだ私達の遊びに付き合ってほしいと話される。美輪子たち姉妹は生きている人間を一人、屍牙の力で躾け調教し、忠実な猟犬にしたて、また生きている獲物へ駆り立てその「生」の象徴たる証を狩り合わせる。姉妹達は牙をむき赤く染まってゆく彼らの「生」をただ心ゆくまで馬上で堪能するという遊びをしていたのだった。

自分の命を遊びに付き合わされて台無しにされた広田は怒りを露にするが、永遠に生きる事がある種のコンプレックスであると美輪子は話す。広田とはまだ一緒に遊びに付き合ってほしい美輪子だが、本来再生しない炭化した身体の移植治療は10年から20年かかる。

そして18年の月日が流れた。ようやく身体が回復した広田は美輪子に復讐を誓い、美輪子を探しに出る。一方、別の場所では不完全ながら橘も身体を再生させており、主人である環(たまき)を殺す。

広田が住んでいた街は静かになっていた。様々な事件が起きた街からは人が自然と姿を消えていた。広田を迎えに来た美輪子。そして美輪子を殺しに来た橘だが、あと一歩のところで広田が助ける。

広田は美輪子たち血族を不死身の化物で恐ろしく残忍な悪魔でこの世界で一番淋しい生き物だと結論付ける。もう十分に苦しんだ橘に「楽になれよ」と伝え昇天。橘はようやく死ぬことができたのだった。

広田は美輪子への唯一の復讐だとして館にはついていかなかった。「どうか永遠に一人ぼっちで…」と伝え、その場を去る。一緒に生きるのも殺すこともせず一人にさせることが自分にできる唯一の復讐だと考え、広田は一人で姿を消すのだった…。涙を浮かべ「意地悪なんだから…」と呟き、その姿を見送る美輪子。

***感想・評価・考察***

屍牙姫 1巻 (ゼノンコミックス)

屍牙姫 1巻 (ゼノンコミックス)

  • 作者:佐藤洋寿
  • 発売日: 2017/10/20
  • メディア: Kindle版
 

Wikipedia(ウィキペディア)もないほどマイナーですが、エログロとソフトリョナを含んだホラー漫画で面白かったです。1巻から2巻くらいまではアニメ化もした『怪物王女』みたいな展開かと思ったが違った。名家の令嬢のような美輪子、下僕気質の橘、メンヘラの村瀬など個性的なキャラが良かった。

美輪子はシンプルに言ってしまえば「不老不死で暇だった」というオチ。不老不死の血族といえど飢えと使い魔の猟爪と日の光で死ねると自分自身が証言しているので、生きるのに飽きたならその方法で死ねばいいのではと疑問に思う部分が残った。

変な含みを持たさず完結したのは良かったが、四姉妹のストーリーがないまま終わったのは不満点。最終巻にしてようやく登場した閑(しずか)と朱音(あかね)の姉二人は過去の回想の中で数コマだけ登場し、結局顔もわからないまま…。登場させようとしていたが打ち切り等の理由からできなかったのか不明だが、姉は生きているのか死んでいるのかも不明で謎のまま…。少し勿体ない。