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【祕十村】感想ネタバレ第3巻(最終回・最終話・結末)まとめ

無料小説エブリスタで連載していた『祕十村(ひじゅうむら)』の最終巻3巻の最終回(最終話)を含めた感想ネタバレまとめです。結末(ラスト)はいかに!?

祕十村(3) (ヤングマガジンコミックス)

祕十村(3) (ヤングマガジンコミックス)

 

一度、足を踏み入れると外に出られなくなってしまう祕十村。バケモノにさらわれた婚約者の未希が見つからない中、仲間が次々に覇の子に殺されていく。村から脱出する方法も見つからず、拓哉には絶望しか見えなくなってきた。そんなとき、拓哉の前に村の全貌を知り尽くす、あの男が現れた。はたして拓哉は未希を見つけて、無事に村から出られるのか!?究極のサバイバルホラー、ついに完結!!

これまでのあらすじ

学生時代の友人たちが結婚パーティーを開いてくれるというので実家に戻ってきた拓哉と未希。2人が会場となるシゲの家に行くと誰もおらず、使用人に数日前から行方不明になってているとぐ告げられる。

するとシゲから拓哉の携帯に電話があり、「タスケテ」「ヒジュウムラ」という言葉が聞こえて連絡が途絶えてしまう。拓哉と未希はわずかな情報を頼りに捜索に向かうが、そこは一度足を踏み入れると結界のため外に出られなくなる森だった。その森には無シ人、足刈と呼ばれるバケモノとともに、体内に呪いのハコを宿す「覇の子」という最強の子どもたちが存在していた。

拓哉と未希は行方不明になった仲間たちと合流して、森の中で唯一安全と言われている神殿を目指すことにするが、その途中で未希が覇の子にさらわれてしまった!!

拓哉は覇の子が棲む社に未希が囚われていると考え、仲間たちとともに救出に向かう。そこで呪術に長けた仲間の舞が、覇の子と対決する羽目に!舞は來と呼ばれる覇の子を罠にはめて倒すが強力な呪いを持つ龍に殺されてしまう。一方、リーダー格のシゲは脱出できそうな洞窟の捜索に出かけるが、出口と思われるあたりで結界に阻まれ、森から抜け出すことが出来なかった。

呪詛の弱い順にアキラ→斑(マダラ)→來(ライ)→茜(アカネ)→業(ゴウ)→龍(リュウ)。そして詠(ヨミ)の7人。一切の触媒なしに呪い殺せるのは業・龍・詠の3人。

本編あらすじ

重晴(シゲ)は結局逃亡できず業により殺される。祐輔は発情している桜をヤろうと寝込みを襲うが、逆に返り討ちにされ殺される。さすがの桜も火照った体になっているとはいえデブでブサイクはイヤだった模様。でも殺すほどのことか!?

そして桜が祐輔を殺害したことを誰も何も言わない。悲惨過ぎる…。喧嘩していた桜と菜穂だが祐輔の死をもって仲直り。しかし突如あらわれた覇の子によって菜穂は死亡、桜は拉致される。拓哉は桜を放置して未希だけを助ける。桜の生死は最後まで不明。

拓哉は未希が囚われていると思われる祭壇に侵入。そこにいたのは社探索の時、拓哉をかばって龍に殺されたはずの正樹だった。正樹はハーフで実は金髪。かつては地元の名家で、さらに昔は呪術師の一族。村の呪いを封印したのも正樹の一族で、先祖返り的に一族の血を強く引いた正樹だけは結界に阻まれず出入りすることができた。

正樹は幼少期にイジメられており、そのとき助けてくれた未希のことが好き。「こう見えてかつては地元の名家だった」と言われても、正樹の家の設定は過去になかったような…。

覇の子の目的はハッカイ作り。正樹の目的は未希と相思相愛になるため村の祭壇で儀式をする必要があった。よくはわからないがお互いの思惑が一致しているらしく、覇の子と同盟を組んでいたとのこと。多分祭壇を使わせてもらう代わりに村にカップルを誘いこむとか、そういう約束をしたのかもしれないが、それに関する言及はない。故に謎。

言い争っていると、ついに未希の胎内からハッカイが誕生。祭壇でまぐわった2人は永遠に結ばれるはずが未希から出た言葉は拓哉の名前だった。キレた正樹が拓哉を殺そうとするが、巻護符と舞の力で撃退。正樹はその場を逃げ、拓哉は未希を連れて逃げる。

十日経っていないのにハッカイが生まれたことを覇の子に問い詰める正樹。正樹は未希と数日間やりまくっていたが、10日前に拓哉と未希がエッチしていたため、ハッカイは正樹の子供ではなく拓哉と未希の子供だった。

ハッカイが生まれたことで用済みになった正樹は殺される。ハッカイは世界を滅亡させるほどの呪詛を持っている。ハッカイがいれば覇の子も結界の外に移動できる。結界部分まできた正樹は未希だが覇の子に追い詰められて絶体絶命のピンチ。

ハッカイは自分の父と母を守る為、覇の子と対立。龍を殺す。ハッカイと一緒なら誰でも結界もすり抜けることができるため、二人とハッカイは脱出に成功。

詠は「呪いは放たれた」として満足げ。覇の子は村の外に出たいのか出なくてもいいのかよくわからない…そして未希は生きているのかも謎。ハッカイの世界を滅亡させるほどの呪いはなんぞや?空気感染する致死性100%ウイルスみたいなもん?様々な謎を残しながら完結。

***感想・評価・考察***

祕十村(1) (ヤングマガジンコミックス)

祕十村(1) (ヤングマガジンコミックス)

 

話のモデルは絶対に検索してはいけない言葉として有名な怪談話『コトリバコ』になっており、小説からの漫画化。コトリバコは島根県あたりで実在する話ではないかと噂になるほど本当に怖い話。

モデルの怪談話では子供を殺して身体の一部を入れることがハッカイ(コトリバコ)の作り方となっている。ハッカイとは呪いそのものであるが、本作では子供の姿を形作っている点が違う(そもそも怪談話の中でもハッカイがコトリバコの中でも非常に危険な代物とだけ説明されており、具体的な真相については触れられていない)。

最後は含みを持たせた終わり方をしていながら、その後が描かれていないことに消化不良の部分が残るが、ホラー系らしい終わり方と言えばそうなのかもしれない。気になる点として最初から最後まで設定を省略しすぎな部分が目立つ。読者も理解が追いついていけないだろうなと思いつつ、早期の打ち切りが決定してしまっていたのかもしれない。

悪い点として3巻完結と短いながら敵・見方ともに登場人物が多く複雑。怖さよりも登場人物を覚える作業と設定への理解に時間がかかる。足刈とか1巻に登場して、その後は登場しない。覇の子のマダラは空気のような存在になっている。他にもバケモノが何人か登場するが、いずれも登場時間が短く、もうちょっと使いようがあるような…。

総合評価として設定を丁寧に説明すれば良作と言ってもいいと思うが、あと一歩惜しい気がする。繰り返しになるが3巻完結なので評価が難しい。5巻くらいの余裕をもって完結させていれば読者のモヤモヤが解消されると思われる。もう少し評価されていい作品。