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【進撃の巨人】感想ネタバレ第6巻まとめ

別冊少年マガジンで連載中の『進撃の巨人』感想ネタバレ第6巻まとめ

進撃の巨人(6) (講談社コミックス)

進撃の巨人(6) (講談社コミックス)

 

エレンの生家に眠る「巨人の謎」を求め、壁外調査に乗り出した調査兵団。そこにはアルミンやミカサらの姿も。順調かと思われた道中、突如としてアルミンの前に「女型の巨人」が現れて陣形を破壊し……。 

目次

第23話 女型の巨人
第24話 巨大樹の森
第25話 嚙み付く
第26話 好都合な道を

本編あらすじ

第23話 女型の巨人

突如現れた女型の巨人がアルミンに迫る。馬から振り落とされ、女型に追いつかれ、アルミンピンチ!と思いきや、女型はアルミンのフードをつまんで顔を覗き込み、そして殺さずにその場を去ります。今までの巨人には見られない行動です。

巨人の唯一の行動原理は人を食うこと、その原則に反している。やはり女型の巨人の正体は人間であり、人間としての意識を保ったまま行動しているようです。自分に襲いかかってきた班長と兵士は一瞬で叩き殺しましたが、逃亡したアルミンは顔を見ただけで殺さなかった。その理由は?

ライナーとジャンがアルミンに合流します。情報によると陣形の右翼は壊滅、すでに索敵が機能せず、下手すれば全滅の恐れもあるとか。女型が引き連れてきた巨人による被害です。アルミンは女型が探しているのはエレンだと考えます。エレンの位置は兵士たちにそれぞれ異なった情報が与えられており、アルミンはそこにエルヴィン団長の意図を感じ取ります。

しかし、今は考え事をしている時間はありません、このまま女型の本隊接近を許せば全滅です。ジャンの提案は、自分たちが囮になって時間を稼ぐことでした。「オレには今何をすべきかが分かるんだよ!そしてこれがオレ達の選んだ仕事だ!力を貸せ!」かつてマルコ、そしてエレンに言われた言葉をジャンはその身に刻み、糧として成長したのでしょう。

とにかく、作戦は時間稼ぎ。相手は知性を持ち、うなじの弱点を把握している。普通の巨人とは別次元の存在です。無茶はしないことを確認し、馬で追いすがります。接近したところで女型は進路を変えて反転、アルミンの馬を潰し、襲いかかるジャンも簡単に払いのけます。

女型がジャンのワイヤーを掴んでTHE・END!と思ったその時!「ジャン!仇をとってくれ!右翼側で本当に死に急いでしまった死に急ぎ野郎の仇だ!そいつに殺された!」頭を打って血まみれのアルミンが叫びます。「死に急ぎ野郎」は訓練兵同期の間でのエレンのあだ名ですが、なぜか女型の動きが止まりました。

明らかにアルミンの言葉に反応しています。そのスキを見のがさず、ライナーが女型のうなじめがけて急襲!しかしこれには女型が素早く反応し、ライナーは巨人の右手で捉えられてしまいます。握った拳に力を入れる女型。泡を吹くライナー。THE.END!

と思いきや!ライナーは扇風機の如く女型の指を切り落として奇跡の生還!この体勢から生きて帰った人間はそう多くないのではないでしょうか。さすが訓練兵団の次席(2位)。女型はライナーたちの追撃をやめ、方向転換して去っていきます。その向かう先は…陣形の中央後方、エレンのいる方向!?

第24話 巨大樹の森

女型をなんとか追い払ったアルミン、ライナー、ジャンの3人ですが、困った問題が起こりました。馬が足りないのです。人間の足では巨人から逃げ切れませんので、壁外での移動は馬が基本。しかしアルミンの馬は女型に殺され、ジャンの馬は逃げたまま戻って来ません。

3人に馬1頭しかない状況で、誰かが残らなければなりません。非情な決断を迫られますが、ジャンが一縷の望みを託して打ち上げた信号弾を見て、我らが天使・クリスタが駆けつけてくれました!しかも馬を2頭引き連れています。

ちょうど近くを通りかかってジャンの馬を見つけたところへ緊急事態を知らせる煙弾が上がったのを見てやって来たようです。マジ女神です。涙目で安堵の表情を見せるクリスタ。後光が差しています。

さあ、陣形配置に戻って撤退命令を待とうというところで緑の煙弾が。指令は撤退ではなく、進路の変更です。壁を離れて1時間足らず、すでに壊滅的な損害が出ているにもかかわらず、一体何を続けるというのでしょうか。

女型の巨人は陣形の奥深くへと侵入し、迎撃する兵士たちを次々と葬っていきます。陣形は進路を東に取り、数十メートル級の木々が鬱蒼と立ち並ぶ「巨大樹の森」へと向かいます。森の中では陣形が機能しませんが、団長は構わず中列に前進を指示、両翼は森を避けて回りこむ形です。森へ入ったリヴァイ班。リヴァイ以外は班員たちもこの状況が理解できていません。そこへ後方から女型が出現!リヴァイは剣を抜けと指示します!!

第25話 嚙み付く

104期生たちは森の入口、樹上で巨人を引きつけていました。ここで囮をやっていればこれ以上巨人が森へ侵入することは防げ、リヴァイ班が女型の相手に専念できます。リヴァイ班に追いつき、エレンを視認した女型。背後から現れる増援の兵士を次々と叩き潰します。

オルオとエルドがリヴァイに応戦の指示を求めますが、リヴァイは応じません。とにかく前へ進めと。味方が殺されていくのに耐えられなくなったエレンは、巨人化して戦おうとします。ペトラは止めますが、リヴァイは…「エレンお前は間違ってない。やりたきゃやれ」「自分を信じるか俺やコイツら調査兵団組織を信じるかだ」「俺にはわからないずっとそうだ…自分の力を信じても…信頼に足る仲間の選択を信じても…結果は誰にも分からなかった…」「だから…まぁせいぜい…悔いが残らない方を自分で選べ」

百戦錬磨、人類最強の兵士がいうと重みのある言葉です。これまで戦場で数え切れない決断をし、その結果生き延びてきたリヴァイ。ただそれも結果は予測できたものではなく、誰にも先の読めない濁流の中を必死に這いずりまわってきた結果なのでしょう。

エレンはリヴァイ班に編入されてからのことを思い出します。自分が巨人になりたいと思ってもうまくなれず、後から遅れて発動したこと。班員たちが誰よりも強く巨人に対する敵意を持っていること。一人では大したことが出来ないから互いを信じて組織で活動するというペトラの言葉。

エレンは仲間を信じて前進することを決意。全力で馬を駆りますが、そのせいでまた増援が女型に殺されます。吹き荒れる死の嵐。エレンは早くも自分の決断を後悔しはじめます。なぜ仲間を見殺しにしてまで前進することを選んだのか、それは信頼という言葉の響きに酔ったからじゃないのか?

化け物扱いされて辛かった、だから仲間とつながっていたかっただけなんじゃないか?そう自問した時、リヴァイ班は目的地へ到達します。木々に隠れて配置された大量の砲。エルヴィンの合図で四方から一斉にワイヤーが放たれ、女型はその場に釘付けになります。さらに入念にボルトを打ち込み、巨人の関節を固定。形勢は一転し、女型はまな板の鯉となりました。さあ、リヴァイ兵長による巨人の解体ショーの始まりです。一体中にいるのは誰なのでしょうか…?

第26話 好都合な道を

巨人化能力を使いこなすための訓練中、前触れも許可も自覚もなしに突然右腕を巨人化させてしまったエレン。リヴァイ班のメンバーは班長のリヴァイを除く4人でエレンをぐるりと囲み、抜刀して彼を睨めつけています。

恐々とし距離を取ったままエレンを問い詰めるエルドやオルオら。彼らが抱えている任務はエレンの保護と監視、さらに必要であれば実力を持ってエレンを行動不能に追い込むこと。目の前にいるのはピンの抜けた手榴弾のようないつ爆発してもおかしくない危険物。それも超特大の。

エレンがもし「巨人側」の存在だとしたら、悠長に言葉を交している場合ではない-。数多くの巨人を殺してきた経験豊富な彼ら精鋭班であるからこそ、その脅威には敏感にならざるをえないのでしょう。一方でリヴァイは落ち着いています。エレンのそばで他の班員から庇うように立ちメンバーを諭しますが、興奮した班員たちはリヴァイの言葉に耳を貸そうとしません。

が、さらにその上を行く大興奮な人物が雄叫びとともに木立の向こうから駆け寄って来ました。巨人偏愛症候群のハンジ君。グンタを突き飛ばしてエレンに駆け寄ると、素手でエレンのむき出しの巨人腕を掴みその熱さに自身もヒートアップ。サッカーの試合でゴールを決めた選手のように膝でスライディングしつつ天を仰ぎ、歓喜を全身でアピールです。

ハンジの言葉で我に返ったエレンは、巨人の右腕から自分の腕を引っこ抜いてしまえば巨人部分が消失すると思い出します。力を込めるとブチッという肉が千切れる音と共にエレンの腕が抜け、巨人の腕は蒸気を噴いて霧散しはじめました。

落ち着きを取り戻した施設内で、自分が全く信用されていなかったことにショックを受けたとエレン。リヴァイは調査兵団の精鋭たちのことを語ります。彼らが非常に多くの巨人と渡り合ってきた達人であること、生き延びるために迅速な行動と、最悪を想定した非常な決断が常に求められてきたこと…。そんな彼らだからこそリヴァイは信用して班員に選んだこと。

他のメンバーたちと再び合流し、今回の件について事後ミーティングです。食堂で待っていた班員たちはハンジを除きエレンを緊張した面持ちで見ています。少なくとも友好的とは言いがたい表情。かまわず切り出したハンジが言うには、巨人の右手が指でティースプーンをつまんでいた。

そして熱や圧力による変形はない。エレンはスプーンを拾おうとした時に突然巨人化したことを思い出して伝えます。そこからハンジが導いた推論は、「巨人化能力は何かしらの用途があって存在している道具」。明確な目的がなければ巨人化能力を行使することは難しいのではないかと考えます。

そして同時に「人を食べる存在でしかない巨人は誰にとって都合がいい存在なのか」という疑問。巨人は明らかに人為的に作られたものです。こんな生物が自然に発生するはずがない。
では何のために巨人は存在しているのか?単純に考えれば敵対勢力を脅かす自動兵器、あるいは人類を一定の領域に押しとどめておくための檻…といったところでしょうか。

ハンジとエレンのやりとりを見ていたリヴァイ班のメンバーたち。エレンに害意がないとやっと納得し、互いに目で合図をするとおもむろに自分たちの右手の親指の付け根を噛み始めました。血を滴らせながらエレンと同じ痛みをわずかでも共有しようとするリヴァイ班。これが彼らなりに考えたけじめであり、信頼を共に得るための代償でした。

長い回想が終わり、場面は「今」に戻ってきます。巨大樹の森を急ぎ駆けるエレンとリヴァイ班。後ろに迫る女型の巨人。彼女の足止めをするため次々と調査兵団の増援が現れては羽虫のように瞬殺されていきます。

エレンは重大な決断を迫られていました。すなわち、決まりを破って巨人化し、自ら女型に応戦するか?調査兵団の組織を信じ、目的も作戦も知らないまま進むか?エレンはペトラの右手の歯型-「信頼」の証-を見て、仲間に未来を委ねることを決意しますが、直後に名もない隊員がまた犠牲になるのを見て早くも後悔します。

逡巡するエレン。仲間や信頼という美しい言葉にすがりたかった。自分にはその力があるのに戦おうとせず、歩調を合わせて群れの中にいる方が都合がいい。だから仲間を見殺しにする「美しい」道を選んだ。なぜ自分はこの都合のいい道を選んでしまったのか…すでに後悔をし始めているエレンに女型が追いすがります。

その時。エルヴィン団長の号令が森にこだまし、女型の周囲四方から銛付きのワイヤー弾が爆音と共に放たれ、不意を突かれた女型は無数のワイヤーによって絡め取られてしまいました。リヴァイは当然この計画に噛んでおり、班の指揮をエルドに任せて自分はエルヴィンと合流。仲間を信じた結果、女型を生け捕りにできたことに安堵し昂揚するエレンでした。