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【進撃の巨人】感想ネタバレ第18巻まとめ

別冊少年マガジンで連載中の『進撃の巨人』感想ネタバレ第18巻まとめ

進撃の巨人(18) (講談社コミックス)

進撃の巨人(18) (講談社コミックス)

 

王政を打倒し、旧体制派を一掃した調査兵団。新たに手に入れた光る鉱石とエレンの硬質化能力によりウォール・マリア奪還作戦への準備を着々と進める。一方、ライナーとベルトルトは獣の巨人と共に迎撃態勢を整え……!! そして決戦前夜、シャーディスが語るエレンの父・グリシャとの出逢い、そして「845年のあの日」の真実とは!? 

目次

第71話 傍観者
第72話 奪還作戦の夜
第73話 はじまりの街
第74話 作戦成功条件

本編あらすじ

第71話 傍観者

20年前。「どうやって壁を越えてきた!?」まだ一兵卒でしかなかったキース・シャーディスが、壁外調査の岐路にシガンシナ区の外で出会った青年がグリシャでした。彼の第一声は「壁の外で何を…まさか…戦っているのか?」

不審人物ということで拘留された若きグリシャは調査兵団の存在を知らず、問いかけに対する答えも要領を得ません。それどころかこの世界の歴史や成り立ち、通貨に至るまで壁の中の文化を全く理解できていなかったのです。「被害者がいるわけでもねえ。上への報告は無しだ」この頃すでに勤務中の深酒が常態化していた様子のハンネスは酒のせいで頭をやられたのだろうと言い無罪放免。

グリシャが覚えていたのは自分の姓名と、医者であることだけ。グリシャは「貧富の差こそあれこの壁の中は平和で巨人に怯えて暮らしているわけではない」ということを知って「よかった」といいます。またグリシャは「そんなわけないだろ。あなたたちはこの壁の誰よりも賢く勇気がある。調査兵団の存在は人間の想像力や魂が自由であることを示す証拠であり人類の誇りそのものだ」と褒める。「私なんぞに務まるものではないでしょう。調査兵団はもっと特別な選ばれしものでないと」

グリシャが後に妻となるカルラと出会ったのもこの頃。もとはシャーディス行きつけの酒場の給仕&客という関係でしたが、グリシャがカルラと彼女の両親の流行り病を治してみせたことで関係が深くなっていった。シャーディスはカルラに恋をしていますが後からグリシャに横取りされた格好。二人の結婚式にも参列したものの露骨に呆けた顔をしており、二人と会話をすることもなく立ち去る。

カルラに袖にされた空虚を埋め合わせるためか、シャーディスは壁外遠征に励みます。しかしその意気とは裏腹に空回りして成果が出ず、部下や住民たちからは無能呼ばわりで散々な陰口を叩かれるようになっていました。エルヴィンは長距離索敵陣形を考案し、戦わないことで活動範囲を広げるという提案をしますが、キースは却下します。シャーディスが何度目かの遠征から帰投した際、偶然再会したカルラは胸に男児を抱いていました。心が摩耗したシャーディスは、あの号泣の直後に自ら団長の座をエルヴィンに譲る。

シャーディスが何度目かの遠征から帰投した際、偶然再会したカルラは胸に男児を抱いていました。シャーディスの身を案じる言葉をかけたカルラに、図星を突かれたシャーディスは逆上。「凡人は自分の死以上の価値を見いだせず、偉業はそういう人間には成し遂げられない。手当り次第に男に愛想を振りまき、酒を注いで回るしか取り柄のないものなんぞには決して」と罵倒します。
シャーディスは団長の職を辞した後、寂寞と後悔に胸を覆われていました。(特別な人間はいる。ただそれが自分ではなかったというだけのこと。たったそれだけのことに気づくのに大勢の仲間を殺してしまった)

心が摩耗したシャーディスは、あの号泣の直後に自ら団長の座をエルヴィンに譲り、王都への帰路につきます。しかし期せずしてその日にシガンシナは超大型巨人に襲われカルラが死亡。鎧の巨人にウォール・マリアを突破され、人類はその後しばらく続く地獄への第一歩を踏み出すことになったのでした。

シャーディスにその思い込みのきっかけを与えた男が、ふたたび彼の目の前に立っていました。シガンシナの家を出発後、レイス家領地の教会地下で巨人化してフリーダを殺害し、叫びの力を奪って逃げてきたばかりのグリシャ。青ざめた顔でシガンシナ襲撃後の家族の安否を求める。避難所でエレンを探し当てたグリシャはカルラの死亡の報せを聞くなり、エレンを連れて森へ入ります。

「お前が討てばいいだろ。カルラの仇を。なんせお前は特別だからな。その子がお前の期待どおりの人間じゃなかったらどうするんだ。私のように」「この子はあんたと違う。私の子だ。どうか頼む。関わらないでくれ」シャーディスは森のなかで激しい閃光と雷鳴のような音が轟くのを目撃し、現地へ向かった所倒れているエレンを見つけ保護。それが彼の知る全てであり、彼が何も成し得なかったことの記録でもあります。

そして数年後。訓練所の教官となったシャーディスは「通過儀礼」の場でカルラの息子と再会し、その瞳に並々ならぬ決意を感じ取ります。(あの目だ。あの子は父親が願ったように自らの命を燃やし、壁の外で燃え尽きるだろう。母親の想いも知らずに)シャーディス教官はその日、エレンが身に付けることになる姿勢補助用のベルトに細工をしました。エレンを試験で不合格とし、兵役や巨人との戦いとは無縁の暮らしをさせるために。

しかし、エレンはその小細工を気合でこじ開けて訓練兵になります。母の願いとは無縁の場所で自らの意志を貫こうとするエレンの姿を目の当たりにし、シャーディスはここでも己がただの脇役にすぎず、そもそも誰かの生を捻じ曲げるような力は自分にはないと思い知らされます。そして、ベルトの不備を認めてエレンを合格とし、行方知れずのグリシャの姿をエレンに重ねるのでした…。

(そうだったな、私はただの傍観者に過ぎなかったのだ。私には何も変えることは出来ないのだから)

第72話 奪還作戦の夜

ウォール・マリア奪還作戦の準備は着々と進み、本日その全てが整いました。主目的は人類生存領域の回復(シガンシナの壁を塞ぎ巨人を駆除すること)、およびグリシャ・イェーガーが残した地下室の謎の究明です。

昂揚し、景気付けに肉を食おうなどと話しながら退室する調査兵団の幹部たちをよそに、リヴァイだけが浮かない顔をしていました。リヴァイは、エルヴィンが片腕を失っていることから巨人と遭遇した場合に運良く生きて帰れる確率は低いと考えています。

調査兵団を支え、様々な策を弄し、他の兵団も引き込んでクーデターを成し遂げた立役者であるエルヴィン。右手を失いハンディキャップを抱えたままの彼をむざむざ死地へ送ることは、政権運営や兵団の指揮系統にとって得策とは言えません。

しかしエルヴィン本人は自らが最前線に臨むことを譲らず、自分でなければ作戦成功率が下がると跳ね除けます。リヴァイはそれが建前であることを知っており、本当は団長の個人的な妄執がその原因であることも分かっています。

エルヴィンが調査兵になり真実を知りたいと願ったきっかけは、教師であった父が壁の秘密に言及し憲兵団に粛清されたからでした。それ以来彼は執念深く機をうかがい、王権を打倒しヒストリアという傀儡の樹立までやってのけたのです。

しかし単に権力の座についただけではエルヴィンが求める真実は手に入らず、その核心はどうやらグリシャだけが知っていた。その彼が隠していたものこそ、世界に失われた歴史を表す記録なのではないか。だからこそ、彼は自分がそこへ赴きたいと考えています。兵団のため、世界のため、そんなものはどうでもいいのです。すべては己の知的好奇心を満たすため。父によってかけられた呪いを解くための個人的動機に過ぎません。リヴァイはその判断を「信じる」ことに決め、扉を開けて去って行きました…。

出陣の前祝いとして表向きには非公表で集められた調査兵。テーブルには肉、酒が並ぶ。「マジかや…」壁の世界では家畜を飼うだけの土地がなく、肉は大変な貴重品。目の色を変えて我先に手を伸ばす兵士たち。その中で戦場よりも殺気立ち、一際騒がしいのはサシャ&コニーの周辺。

ローストビーフの塊と思しき物体を両手で抱え、むしゃぶりつくサシャ。「やめてくれサシャ。俺…お前を殺したくねぇんだ…」それを後ろから裸絞めにして意識を奪おうとするコニー。白目をむき唸り声を発しながら肉塊に噛み付くサシャから肉を奪い取ったジャンですが、サシャはすでに意識がないにも関わらず本能でジャンの手を食いちぎろうとする始末。「サシャ!?その肉はジャンだ!わかんなくなっちまったか!?」「調査兵団は肉も食えなかったのか。不憫だな」巻き添えで殴られて鼻から大量出血するマルロに対し、ミカサは正面から腹を殴られてもビクともしません。ひとしきり暴れまわったサシャは結局数人がかりで柱に括りつけられ、ようやく沈静化したのでした。「こんなヤツでも肉を分け与えようとしていたんだよな」「2カ月分の食費をつぎ込んだのがよくなかったようです」

「いい調子じゃねぇかイノシシ野郎!」「てめぇこそ何で髪伸ばしてんだ。この勘違い野郎!」エレンとジャンは些細な口論から殴り合いに発展。ミカサはアルミンと並んで笑顔で見守るだけ。(何で…誰も止めてくれねぇんだ…)(いつまで続くんだ?)結局リヴァイに殴られ「もう寝ろ」と解散。サシャは柱に縛られ猿ぐつわを噛まされたまま、何も食べることなく宴を終えました。

夜は更け、軒先に腰を下ろす幼なじみの3人。「考えてもしょうがねぇことばかり考えてた」何でオレにはミカサみてぇな力がねぇんだって妬んじまったよ」「人が人と違うのはきっとこういう時のためだったんだ」「襲ってくる敵を全部倒したら…また戻れるの?」「戻すんだよ。でも…もう全部は返ってこねぇ…。ツケは払ってもらわねぇとな」

アルミンは海の話をします。「壁の外にあるのは巨人だけじゃないよ。炎の水、氷の大地、砂の雪原、それを見に行くために調査兵団に入ったんだから」と。そんなことをすっかり忘れていたエレン。「だから!まず海を見に行こうよ!」「約束だからね!」そんな思い出話を戸板越しに聞いていたリヴァイ。

出発は非公開ではあったのですが、肉の仕入先であるリーブス商会の若き会長フレーゲルから情報が漏れたようです「全員無事に帰ってきてくれよ!」「でも領土は取り戻してくれ!」街路は調査兵団の見送りに出た市民で賑わっていました。

「これだけ調査兵団が歓迎されるのはいつ以来だ?」エルヴィンにとって、これだけ好意的に見送りがあったことなど記憶になく「私が知る限りでは…初めてだ」。エルヴィンは市民に応え壁上から雄叫びを上げるや、そのまま全隊へ進軍を命令。調査兵団最大の作戦がいよいよ始まる!ライナーとベルトルトがシガンシナで待ち構えている!!

第73話 はじまりの街

人類が明日も生きられるか、それを決めるのは人類ではない。すべては巨人に委ねられる。なぜなら人類は巨人に勝てないのだから。だが、ある少年の心に抱いた小さな刃が巨人を突き殺し、その巨大な頭を大地に踏みつけた。ある者は誇りを、ある者は希望を、ある者は怒りを叫び出した。ではウォール・マリアを奪還したなら、人類は何を叫ぶだろう。人類はまだ生きていいのだと信じることができるだろうか。自らの運命は自らで決定できると信じさせることができるだろうか。ウォール・マリアさえ奪還できればー。

兵団は巨人が不活化する夜間に行軍してきましたが、新月の闇の中で山を通り抜けるのは調査兵たちであっても簡単ではなく、シガンシナへ到着した時にはすでに日が昇りかけていました。わざわざ新月の夜を選んだのは、かつて月の明るい晩に、コニーとヒストリアがウトガルド城で遭遇した敵…獣の巨人が率いる巨人の群れという事例を考慮したためです。今回も敵の中に夜行型の巨人がいるかもしれないと。

月は太陽の反射光であり、いわば日光と同質なものではないか?夜でも動ける「新種」の巨人は微量な光をエネルギー源にできるのではないか、というのがハンジの仮説。

ようやく辿り着いたシガンシナ区。エレンは見晴るかす、壁上からのシガンシナ区の街並。ここからいよいよ作戦開始。段取りとしてはまずエレンの硬質化能力を使って壁を塞ぎ、新たな巨人がシガンシナ区内へ入って来られないようにします。その後ゆっくりと壁内の残敵を掃討し、イェーガー家の地下室を目指す。調査兵は全員で100名。ライナーとベルトルトはエレンの身柄を狙っているが、調査兵団は全員フードを被り顔が見えにくいようにしているため簡単には判別できず、特定される前にエレンは壁を塞ぎ終えるだろう…ということのようです。

また、シガンシナの中に巨人の姿がまったく見えないのが不気味です。壁の穴は開いたままですが、ただの一体もいないのはやはり不自然。何らかの罠がすでに張られていると考えるべきでしょう。

思わず立ち止まってしまったエレンを、リヴァイが「止まるな!外門を目指せ!」と檄を飛ばします。胸にこみ上げるものをこらえ、立ち止まりたい欲求を押さえて外門へ急ぐエレン。一方、アルミンは壁上にたき火の跡があるのを見つける。空中で右手に歯を立て巨人化の構えを取る彼の様子を、どこか閉所の覗き穴から活目凝視するベルトルト。待ち受ける彼らの戦術とは?

第74話 作戦成功条件

エレンは立体機動装置で静かにシガンシナ外壁の穴へ近づくと一気に右手を噛みちぎり巨人化。輝く閃光と共に変身を遂げ、ビキビキと音を立てて体組織を硬質化。すぐさまエレンは巨人の躰から離脱しミカサが救助。ここまでほんの数呼吸、敵の襲撃は確認できず。

外門の穴は巨人の姿をした彫像で見事に隙間なく塞がれており、壁の内外から成功を知らせる煙弾が上がります。エレンは外套を失ったものの立体機動装置は健在、体調にも変化は見られず。当のエレン本人が拍子抜けするくらいにあっけなく作戦の第一段階はスムーズに成功。

エレンは無事にひとつの穴を塞ぎました。シガンシナ区外壁、つまり「壁外」への出口です。ここを閉じればあとは中に残っている巨人を殲滅すればいいのですが、その巨人の中には当然ライナーとベルトルトが含まれています。リヴァイはそんなエレンに「奴らが健在なら何度塞いでも壁は破壊される」と声をかけます。エレンたちはどうやら内門(ウォール・マリア)へ向かうようです。巨人化した際にマントを失くしてしまったエレンに、ミカサが自分のマントをかけます。

一方、周囲を捜索していたアルミンからエルヴィンへの報告。地面に野営道具一式が散乱。壁上から落としたものでしょうか。カップは少なくとも3つ、中には「紅茶のような」「黒い液体」の跡。コーヒーカップとポットが冷めていたことから敵は直前まで悠長に茶飲み話をしていたわけではなく、調査兵団の来訪に備える時間は十分にあったはずとエルヴィンは理解。アルミンに一隊を任せ引き続き敵の捜索に当たらせます。大きく賭けたな、という副官にエルヴィンは、実績を見て判断した、彼は我々の大きな武器のひとつだ、と言います。

内門周囲の民家を探すよう命令を出し、思索にふけるアルミン。彼が思い当たったのは壁の構造体の内部。調査兵団は女型捕獲作戦の際に壁の内側にいる巨人の人柱の存在を知り、巨人が入れるだけの空洞があることを突き止めました。アルミンは、「壁の中の空間を調べて下さい」と指示を出し、壁の点検を始めた兵団員。やがて不自然な反響音を確認した隊員が狼煙を上げると、壁面の蓋が内側から前触れもなく開き…

中から姿を現したライナーが立体機動装置のブレードで隊員を刺殺。明確に己の意志で、人の姿のまま人を殺したライナーを目撃した調査兵たちが戦慄するより速く、壁面を駆けたのはリヴァイ。研ぎ澄まされた人類最強の刃が壁上からの落下速度を伴って正確にライナーの頚椎を左から右へ刺し貫き、もう一方の手で心臓へ二刀目。一呼吸の間に体の真芯を貫く会心の一撃を2回受け、ライナーは即死…と思われましたが、ライナーの目の光は消えていません。それを見るやリヴァイはライナーを蹴落として離脱。あと一歩及ばず、感情に任せ悪態をつくリヴァイ。顕現する鎧の巨人。

時を同じくして、ウォール・マリア内(シガンシナ内門より中)で同時多数の発光。そして噴煙と共に現れた獣の巨人と、巨人の群れ。岩石をつかむと砲丸投げのように内門に向かって岩石を投げ入れ、みごとなコントロールで門を塞ぎます。これで兵団はシガンシナ区に閉じ込められた格好となり、馬を使っての脱出は不可能。調査兵団の退路が断たれた。これから始まるのはどちらかが滅ぶまで殺しあう殲滅戦が始まる!!