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【進撃の巨人】感想ネタバレ第7巻まとめ

別冊少年マガジンで連載中の『進撃の巨人』感想ネタバレ第7巻まとめ

進撃の巨人(7) (講談社コミックス)

進撃の巨人(7) (講談社コミックス)

 

エレンの生家に眠る「巨人の謎」を求め、壁外調査に乗り出した調査兵団。その前に知性を持った「女型の巨人」が現れた。兵団壊滅の危機に陥りながらも「女型の巨人」を捕らえたエルヴィンは、女型の正体に迫る……。 

目次

第27話 エルヴィン・スミス
第28話 選択と結果
第29話 鉄槌
第30話 敗者達

本編あらすじ

第27話 エルヴィン・スミス

森の入口で巨人を足止めするクリスタら104期生たち。班長らしき上官を除き、誰も状況が飲み込めていません。森の奥から聞こえる砲撃音。ジャンは今回の作戦の目的が女型巨人の捕獲であること、そして兵団内部に抵抗勢力がいるから作戦が知らされていなかったことを看破します。

アルミンの分析では、エレンのように人為的に作られた巨人が存在し、壁を壊した巨人も同種のものと推定される。優先事項はその正体をつきとめ、壁の破壊を防ぐとともに世界の情報を引き出すこと。巨人を率い操っているのが人間だとしたら、その目的は何なのでしょうか?

ハンジが見えているものと本質は全然違うと言っていました。もしかしたら巨人は人類を殺すためではなく、何か意味のある目的をもって人を襲っているのかもしれません。トロスト区で巨人の襲撃が中途半端に終わった理由を「壁の破壊よりも重大なことが起こったからだ」とアルミンは考えます。それはすなわちエレンが巨人化して暴れまわったこと。あの時エレンの巨人化を見ていた者の中に、巨人側に通じている人間がいる…?

エレンとジャンはもっと多くの人に作戦の目的と敵の情報を知らせれば犠牲は減らせたと考えますが、アルミンは「それは結果論にすぎない」と反論し、団長の方針を支持します。確証のない選択をし、大事なものを捨てて事に臨める人でなければ何も変えられないのだと。

この作戦の疑問点は「罠は誰を捕まえるために張られたものだったのか?」ということです。これだけ大掛かりな仕掛けを、女型が初めてその存在を知られてから1時間やそこらで準備できるとは考えにくく、前もって設置してあったことが考えられます。

エレンを重要視する何者かが接触してくる可能性はあるにせよ、それまでに現れた知性のある巨人は超大型と鎧の2体だけ。元々は鎧の巨人を生け捕る想定だったのでしょうか…?だとすると単なるアンカーで鎧を貫くことができるのかという疑問が残ります。

女型は皮膚を硬質化させ刃を弾くことができます。「鎧の巨人と違って硬度を維持することはできない」らしいので、逆に鎧の巨人は硬質化を維持し続ける無敵の存在ということになります…。

うなじを両手でガードする格好のまま拘束された女型ですが、しばらく何のリアクションもなかったかと思うと、突如断末魔の絶叫を響きわたらせました。鬱蒼とした木々に遮られながらも森の外まで聞こえる大音量です。ミケの鼻が巨人の接近を感知しました。全方位・多数・同時に接近中!!

森の周辺では囮部隊を無視して多数の巨人が一斉に森へ侵入します。目標は女型の救出か?と思いきや、巨人たちは女型に群がり、噛み付きます。リヴァイらの必死の防戦もむなしく、巨人の群れに飲み込まれ、引きちぎられていく女型。相手の数が多すぎます。女型の巨人の最後の抵抗は、自殺。巨人に自らを食わせてすべてを抹消しました。全てを投げ打つ覚悟。巨人らしからぬ潔い最期でした…。

第28話 選択と結果

結局、あれだけの大損害を出しながらも何一つ成果が得られないままエルヴィンは撤退命令を下します。後のことが憂慮されますが今はまず生きて帰ることが先決です。エルヴィンは何かを予見してリヴァイに補給を指示。彼には何が見えているのでしょうか。

ハンジの推論によると、超大型が消えた時中身が見当たらなかったのは、立体機動装置を使って逃げたから。エレンは巨人化して戻るたびに憔悴し装備や衣服も破損しますが、それは練度の問題であり、もし慣れている者が自由に巨人と人間の姿を使い分けられるとしたら…?

そしてその人間が兵士の服と装備を身に着けていたら?エレンが正しい判断としたと褒めるペトラ。調子に乗るなと釘を刺すオルオ。その様子を見てエルドは二人が初陣で失禁したことを持ち出しからかいます。そこへガスを噴き出しながら近づく人影。起動がグンタと交錯します。

グンタはうなじを刈り取られ即死。敵です!迎撃態勢を取るリヴァイ班。眼前には再び女型の巨人が現れました…!エルヴィンは今回の教訓として、最善策では巨人に勝てない、全てを失う覚悟で挑まなければならないと痛感していました。

一方エルドはエレンを逃しリヴァイ班で女型を食い止めるのが最善策だと主張。ペトラの「私達が信じられないの?」という言葉に弱いエレン。リヴァイ班に後を任せて離脱します。さすが精鋭中の精鋭、巨人殺しの達人集団リヴァイ班。女型の両目を鮮やかに潰し、視力を奪うことに成功します。明確な殺意をもってさらに襲いかかる3人。腕の筋を切り、ガードが落ちたところで首を狩りに行きます!が、視力が回復した女型がエルドに噛み付きます!まっぷたつに食いちぎられてエルド死亡!

30秒も経っていないのに視力を回復した理由は、片目だけ優先して早く治したことでした。器用です。なんでもありですね。やはり巨人は単なる生命体ではなく、中の人間が意思によってその性質をコントロールできる道具のようなものなのでしょう。

体勢が崩れたペトラ。女型の跳躍からの踏みつけでブチュ!ペトラも死亡!怒りに燃えるオルオの渾身の一撃がうなじにヒット!が、硬質化した皮膚に阻まれます。ハイキックで撃墜され死亡!ものの1分でリヴァイ班全滅。エレンは激しく後悔し、巨人化して女型に殴り掛かります。はじめから協力していればあるいは…?後からこうしていればよかったというのは誰でもできる、アルミンの言葉が重く刺さります。

第29話 鉄槌

リヴァイ班、一瞬で全滅。生き残ったのはその場にいないリヴァイと、先行して離脱するはずだったエレンのみ。ペトラは足で潰されて圧死。とても穏やかとは言えない表情です。巨人化したエレン、女型に上空から襲いかかります。押し倒してマウント。激しく女型を憎悪します。この結末を選んだのはオレだ、オレの選択で皆が死んだ…

(だけどやっぱり…お前が悪い)逃げるか戦うか選んだのはエレンですが、そもそも襲ってきたのは女型なわけで、それがいなければ問題の起こりようがない。エレンは女型にむかって「オアェ!!ガァッ!!」と連呼します。「お前が!!」と言いたいのでしょうか?

だとすると巨人は人間の思考のまま喋れる可能性がありますね。エレンのような初心者ではなく、熟練した巨人化人間であれば普通に会話ができるかもしれません。イルゼに向かって話しかけた巨人の例もあります。「引きちぎってやるこの手が治ったらバラバラに…グチャグチャにコマかくシテ…かラクッテヤる」

エレンの思考は人間のものと巨人のそれとで境界が定まっていません。人間的な思考であれば「殺してやる」とは考えても「食ってやる」とは思わないでしょう。つまり巨人化エレンには思考の主体が2つあることになります。

リヴァイ班にやられた視力の回復を待っていた女型、両目が回復するとすばやい動きでエレンのマウントポジションを崩し、反撃に出ます。人間同士の格闘戦と様相は変わりません。追い詰められた女型は「待って!」と言わんばかりに手で相手を制する動作を見せます。驚いた表情も人間そのものですが、白目をむいたエレン。容赦のないラッシュをしかけます。

女型はカウンターでエレンの顎を砕きますが、エレンは顎を斬らせて骨を断つ戦法。渾身の左フックが女型のみぞおちど真ん中にストライク。巨人は見た目に反して体重が軽いはずなのですが、幕之内一歩が放つリバーブローばりのパンチが女型に突き刺さります。くの字に折れる女型。なんと上空へ吹っ飛びます。これで決まったか…と思いきや、まだ俊敏に動ける女型。巨人の内蔵機能は人間のそれとは異なるようです。ダメージなどまったくないのと同じ動き。目の光が消えていません。意を決したようにエレンへ近づく女型。そして…

神速の左回し蹴り!!エレンの右腕のガードごと頭を真っ二つに切断。崩折れるエレン。そして女型はゆっくりと口を開け…エレンを捕食!!しかしそれは母猫が子猫をくわえるように、優しく運び上げるものでした…エレンの足は折れたみたいですけど。

いずれにせよ女型は食べて殺すのが目的ではなく、エレンを誘拐したいようです。そこへ巨人の咆哮を聞き駆けつけたミカサ!リヴァイも向かっているはずです。人類最強の二人と女型の戦いはどうなるのでしょうか?

第30話 敗者達

班員たちが無残なボロクズと化した様子を静かに眺めるリヴァイ。もう慣れっこなのでしょうか、「ああ、お前もか…」とでも言いたげな顔で、遺体に特に近づくでもなく確認だけして去っていきます。

一方、女型とミカサは…?さすがミカサです。逃亡する女型をメッタ斬りに刻み、その顔は巨人の返り血で染まっています。逃走する女型も必死の形相で、これまでの落ち着き払った様子ではありません。やはりミカサを別格の脅威と捉えたようです。

女型が硬質化できるのはうなじ周辺だけのようで、腕や足は切られるままに任せています。アキレス腱を切られて倒れる女型。ミカサはエレンの生存を確信し、なんどもうなじめがけて斬りかかりますがここは硬質化に阻まれます。

どこにいたってその女殺して…体中かっさばいてその汚いところから出してあげるから「ごめんね。エレンもう少しだけ待ってて」さすがミカサ、エレンのためなら覚悟が違います。尋常ならざる目付きで女型を睨みつけます。

リヴァイが合流し、一旦距離をとって作戦会議。ミカサはリヴァイが審議会でエレンをボッコボコにした恨みを忘れておらず(エレン本人は恨んでいないのですが)、不信感を持っているようです。数瞬、何事かを考えこむリヴァイ。彼の判断は「女型を仕留めることは諦め、森を抜ける前にエレンを救い出す」。

「俺がヤツを削るお前はヤツの注意を引け」人類最強、一個旅団(数千人)の戦力に匹敵すると謳われたリヴァイ。兵士100人と等価、歴代最高の素質と称されたミカサ。人類が持つ最高の兵士二人の共闘です。リヴァイの戦闘速度は凄まじいの一言で、まさに旋風。一瞬で腕を駆け上り両目を潰し、全身を切り刻んで女型をその場に倒しました。

さすがのミカサも驚嘆。返す動きで今度はうなじを守る右腕に集中砲火。ガードが下がります。それを機と見たミカサ。リヴァイの制止をきかず、独断でうなじに斬りかかりますがこれは女型の狙い通り。ミカサの接近を察知した女型は迎撃で叩き落とそうとしますが、リヴァイがそれを膝蹴りでカット!…え?膝蹴り?

巨人の手首のスナップは小柄なリヴァイの体重で止められるほどに軽いのでしょうか…?リヴァイの膝が「ビキ」と音を立てます。ちくしょう、アバラが2本いかれやがった…いえ、アバラじゃなくて膝です。そこを歯を食いしばり最後の攻勢に出るリヴァイ。目の見えない女型の頬を切り裂き、エレンを救出成功!!

エレンを抱えて逃走です。「もうヤツには関わるな…撤退する」「作戦の本質を見失うな。自分の欲求を満たすことの方が大事なのか?お前の大切な友人だろ?」「ちがう…私は…」

振り返って様子を確認するリヴァイ。女型は…泣いていました。眼球を潰された反射なのか、それとも何か別の意味があるのか。ともかく、もう追ってくる気配はなさそうです。エレンが目覚めた時、彼は壁に帰還する馬車の上でした。出発からわずか半日。壊滅的な損害を受け、失意の帰還です。

それはエレンたちがかつて幼い頃に見た「英雄」の凱旋そのものでした。今回の遠征の失敗により、エルヴィンを始め責任者は王都へ召喚。エレンの身柄は憲兵団へ引き渡されることになります。何一つ成果のない、完全な敗北。生きてさえいれば機会もあるでしょうが、リヴァイ班を始め多くの人間が死にました。失敗したからと言って何度も挑戦できるようなものではありません。