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【ヒメノスピア】感想ネタバレ第2巻まとめ

月刊ヒーローズで連載中の原作:村田真哉、作画:柳井伸彦による『ヒメノスピア』最新第2巻ネタバレまとめ。

ヒメノスピア(2) (ヒーローズコミックス)

ヒメノスピア(2) (ヒーローズコミックス)

 

姫乃の楽園となった学校を強襲する警察の特殊急襲部隊!狙いは「女王」姫乃の捕獲と兵士たちの殲滅だった。警察による予想外の暴挙に戸惑う姫乃だが、彼女を守るために一人また一人と仲間が倒れていく…。犠牲となる友人、崩壊する楽園を前に姫乃が下す決断とは…!?

目次

第6話 兵
第7話 怒
第8話 籠
第9話 擴
第10話 性

本編あらすじ

警視庁警視総監の土岐田は今回の事態を未曾有の好機と考えている。生きた状態での女王を捕える事はほぼ不可能とされてきたが、人間ともなれば話は別。兵士を生み出す機構が解明されれば様々な利用価値がある。公安部特務捜査課の指揮のもと警備部機動隊と特殊急襲部隊に協力を要請し、女子高の半径1キロ以内を完全に封鎖。警視庁の全戦力を以て如何なる犠牲を払ってでも女王・姫乃を捕獲する作戦が始まった。

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校内に突撃した強襲部隊は躊躇なく一般生徒も殺しながら進んでいく。侵入に気づいた姫乃たちは姫乃だけでも逃げ延びてと言う。そんな事できる訳ないと姫乃は叫ぶが、服部は姫乃にキスをして「このまま捕まれば姫乃も兵士になった仲間も命の保証はない。だから逃げるんだ」と語り、仲間も次々と大丈夫だと姫乃を安心させる発言をする。皆で生き残るから先に逃げてほしいと伝える。

兵士とはいえ彼女らはごく普通の女子高生であり実戦において専門の訓練を受けた特殊強襲部隊を上回るものなどありはしない。だが、ハチと同じ膜翅目に属するグンタイアリの兵士は脳組織が退化し全く存在しないのにも関わらず何故か互いに連携し協力し合い緻密で複雑な作戦行動を可能とする。司令塔も命令系統もそれを受ける脳すらもないが兵士は一切迷う事がない。まるで何者かの意思に導かれているかの様に…。

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兵士が戦っている中で姫乃は服部と一緒にダストシュートを利用し校外に脱出する。警察組織の大貫に見つかってしまうが、そこにフジモト生物科学研究所研究主任の原口理栄が車で助けに来て難を逃れる。原口は所長・藤本康臣の協力のもと警視庁のデータベースに不正アクセスをして女王捕獲計画の全容を把握し、女王の退路を確保してきていた。

三人は長野の観測施設に向かう。道中で服部は原口に警察の真意や蜂について聞くと、蜂についてはわからないことが多いが、彼らは何よりも女王の力を欲している。兵士を生み出す女王の能力を化学的に解明し、技術として抽出できるなら軍事面・政治面での利用価値は計り知れない。特務捜査課も研究所も表向きは蜂に関する犯罪を収拾するための組織だが、その本質的な存在意義は女王を捕らえる事にあると語る。

観測施設につくと「私が皆を殺してしまった」と後悔の言葉を口にする姫乃。テレビでは鷺宮女子高等学校で集団テロ事件が発生したと報道されている。首謀者は姫乃とされ、犯行グループを組織し、大量の銃器を調達した上で多数の生徒や職員を無差別に殺傷したと報道される。犯行に協力したとされ母親も留置所に移送されるシーンが映し出される。

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母親を人質にとられたことに怒る姫乃は「ママを助けに東京に帰ります」と即決。罠だとわかりつつも「どんな手を使ってでもママを取り戻します」と決意する。服部と原口には内緒で、たった一人で東京に向かう。

ところが事件から一週間が経過したが、いまだに姫乃は東京に現れない。しかし黒田は必ず現れると確信をもっている。姫乃は不幸な生い立ちから普通の人間であろうとする気持ちは人一倍強い。凄惨ないじめを受けながら学校に通い続けたのも母親に虐待されながら家を出なかったのも普通に対する憧憬の表れであり、母親を犠牲にして逃げ延びるという選択は心情的にありえない。警視監の桑原は女王の確保は上からの至上命令だから失敗は許されないと語る。それは警視総監よりも上の存在だと言う…。

ついに警視庁本庁舎に現れる姫乃。大勢の警察官が見守る中、取調室で黒田と対面する姫乃は取引しに来たとして「ママを解放して下さい。そうすれば私は大人しくあなた方に協力します」と語るが、黒田はお前は我々と取引できる立場には無いと話す。事前にどんな手を打とうともこの建物内にお前を助けてくれる兵士は存在しない。

なんの恨みがあるのか問う姫乃に黒田は妻を蜂に殺されたと語り始める。15年前、蜂が絡んだ爆破テロ事件に巻き込まれた死傷者の内の一人。妻が身籠っていた子供も亡くなった。そのときに一匹残らず根絶やしにしてやると誓っていた。

黒田から母親は一週間前に射殺されていたことを明かされる。テレビに映っていたのは変装した別人。衝撃の事実に泣きながら電話をかけさせてくれとお願いする姫乃。姫乃が電話をかけた先は観測施設にいる仲間ではなく、テレビ局だった。テレビでは臨時ニュースが報道され、鷺宮女子高校銃撃テロ事件は警察当局による虐殺事件だった事が判明したと報道される。警察が無抵抗な人間に対して発砲している映像も映し出される。

姫乃は一週間前にアナウンサーの鹿島優美を仲間に取り込んでいた。鹿島の人脈を通じて警察関係者かそれに近い女性をできるだけ多く紹介するよう伝えていた。たったそれだけの事を十回ばかり繰り返しただけで頂点まで辿り着いていた姫乃。

留置場に拘留されている藤本康臣は蜂の目的を聞かれ理想の社会を作る事だと話す。そのために最も効率的な方法が社会寄生。人間は社会性生物としては落第点。人間社会はその規模や機能性とは裏腹に非常にもろく壊れやすい。大半が男性が占める警察組織など格好の獲物と言えると語る。

黒田のもとに警視総監から電話が入り、園藤姫乃を無罪放免ですぐに釈放しろと伝えられる。警視総監の後ろには妻と娘らしき女性が針を出して構えている。黒田は命令に反して拳銃を取り出し姫乃を殺そうとするが、姫乃の針にメッタ刺しにされる。

その後、テレビ局の単独インタビューに応じる姫乃。そこで国を作る事を表明。自身に備わっている特殊能力があれば犯罪も暴力も貧困もない全ての人の直向きさが踏み躙られる事なく報われる完璧な社会が作れると語る。「誰一人悲しむ事のない理想の世界それが姫乃の楽園(ヒメノスピア)」。

***次回予告***

ヒメノスピア(2) (ヒーローズコミックス)

物語は新章へ!女王・姫乃は理想を求めて国を作る。そこは理想郷か偽りの国か。一人の少女が楽園都市へ踏み入る!