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【進撃の巨人】感想ネタバレ第2巻まとめ

別冊少年マガジンで連載中の『進撃の巨人』感想ネタバレ第2巻まとめ

進撃の巨人(2) (講談社コミックス)

進撃の巨人(2) (講談社コミックス)

 

夢も希望も許されない。人類は巨人に勝てない!? ――巨人が支配する世界。まだ見ぬ壁外の世界に憧れるエレンは訓練兵となり、仲間と共に巨人に対抗する技を磨く。だが外壁を超える大巨人の出現により、無数の巨人が壁の中に侵入。親友であるアルミンを助けようとするエレンだったが、代わりに自らが巨人に食われてしまう!!その事実をまだ知らずに、前衛隊に合流したミカサが見た光景は……?理不尽なほどに残酷な世界に希望はあるのか!?

目次

第5話 絶望の中で鈍く光る
第6話 少女が見た世界
第7話 小さな刃
第8話 咆哮
第9話 心臓の鼓動が聞こえる

本編あらすじ

エレンが巨人に食べられてた頃、壁の周辺では名も無き駐屯兵団が巨人に砲撃を浴びせていました。恐るべきは巨人の再生能力!頭をふっ飛ばしてもすぐに元通りです。刀を持って止めを刺す先遣班はすでに全滅。もはや時間稼ぎ程度しかできません…。

 

エレンに助けられたアルミンは訓練同期生と合流、皆それぞれに気が動転していて小競り合いが起こります。そんな時でもクリスタは天使。発言が天使。アルミンはこの世界の現実に気付かされます。「最初からこの世界は地獄だ」「強いものが弱いものを食らう 親切なくらい分かりやすい世界」…。

 

アルミンは路上で倒れているフランツと、その救命措置をおこなうハンナを見つけます。何度も蘇生術を施しているのにフランツが生き返らないと訴えるハンナ。それもそのはず、フランツの身体は腰から下がなくなっていて、ハンナは上半身だけになったフランツに心臓マッサージと人工呼吸をしていたのでした。

 

場面は代わり、内地へと向かう門の前ではなぜか住民がもめています。どうやら荷車がつっかえて門を塞いでしまったようです。荷車の持ち主は街の商会のボス、避難に際して自分の莫大な財産を全て持ちだそうとしたようです。そもそも、門を通れないようなサイズの荷車をなぜ使ったのかという疑問は残りますが、よーく見ると荷車本体の横幅はギリギリ門を通れそうです。上の荷物が横に膨らんだために通れなくなったのでしょうか。

 

悪いことにそこへ一体の巨人が突入してきました。このままでは全滅する!一目散に追いかける兵士たちも、全力疾走する巨人に追いつけません。そこへひとつの影が後方から急接近。一刀のもとに巨人のうなじを刈り取り、地面へ切り伏せます。影の名はミカサ・アッカーマン。歴代でも随一と呼ばれる実力の持ち主です。

 

ミカサはボスに詰め寄ります。仲間が命がけで戦っているのだと。ボスはこれまでタダ飯食わせてやったんだから死んで当たり前だと反論。ミカサも黙っていません。「人が人のために死ぬのが当然だと思ってるのなら… きっと理解してもらえるだろう 時に…一人の尊い命が多くの命を救うことがあることも」

 

光のない目でボスに歩み寄るミカサ。殺る気です。ミカサは15~16歳といったところかと思われますが、こんなにも冷徹に人を殺せるのでしょうか?まったく躊躇や葛藤を見せません。それがさも当然だと言わんばかりに、スタスタとボスへ近づきます。ボスも殺されてはたまりませんので、「お前の上司に言いつけちゃうもんね~!いいの?クビになっちゃうよ?」と精一杯の抵抗。

 

「? 死体がどうやって喋るの?」この言葉にボスも動揺して、「ふっ…荷台を引け…」と大物ぶるのが精一杯。お礼をいう住民に敬礼で応えるミカサですが、またいつもの頭痛が始まります。この頭痛の正体は一体?追いついてきた上官もミカサの落ち着きように困惑。一体過去にどんな経験をしたのか不思議がります。

 

ここでミカサの頭痛にまつわる回想シーン。

 

時は844年。シガンシナ区壊滅の「あの日」から1年前、物語の現在から6年前。ミカサは母から右手首に刺青をされていたようです。母によると「この印は私達一族が受け継がなきゃいけないもの」なのだとか。包帯に隠れて図案は見えません。

 

家には父親もいます。どうやらこれがミカサの生家と実の両親のようです。今日はイェーガー医師が往診にくるとのことで、それを待っている様子。見たところ皆元気そうですが、誰か病気なのでしょうか?

 

イェーガー医師は息子のエレンをつれて往診にやってきましたが、アッカーマン家のドアを叩いても返事はありません。ドアを開けたイェーガーの前に広がるのは、血の海に沈むアッカーマン夫妻の変わり果てた姿でした…。

第6話 少女が見た世界

ミカサの両親が冷たくなった姿で発見されました。見つけたのは往診に来たイェーガー医師と息子のエレンです。近くにミカサの姿はありません。どこかの森の小屋へで後ろ手に縛られていました。

 

どうやら人身売買が目的の誘拐のようです。ミカサはこの世界で絶滅した東洋人の血を引いており、マニアの富豪が地下街で高い値段をつけて探しているらしい。純血の東洋人はミカサの母でしたが、抵抗したため逆上した誘拐犯三人組の一人が殺してしまいました。

 

監禁小屋へエレンがやってきます。迷子と称して泣きべそかいていたエレンですが、犯人の一人が近づいてくると態度を豹変、ナイフの一突きで喉を掻っ切って殺害します。

 

「死んじゃえよクソ野郎」どう見ても小学生くらいの年齢のエレンに一瞬で殺されるゴロツキA。エレンは続いて2人目も刺殺。「お前らなんかこうだ!こうなって当然だ!」倒れた相手にマウントから短刀でメッタ刺し!「ドス」という効果音を数えただけで10回以上刺してますね。やりすぎです。断末魔の絶叫をあげ、誘拐犯Bは動かなくなりました…。

 

なぜ、単なる誘拐犯をここまで憎むのでしょう?イェーガー医師は憲兵団に通報すると言っていました。この世界では憲兵団が警察の役割を負っていることがわかります。ミカサの拘束を解いて自己紹介を始めるエレン。そこへ最後の誘拐犯Cが戻って来ました。エレンが床のナイフを拾うより早く、誘拐犯Cの蹴りがエレンのみぞおちを直撃!

 

もんどり打って床に這いつくばるエレン。誘拐犯Cがネックハンギングでエレンを吊り上げます。首を絞められながらもエレンはミカサに「戦え!」「戦わなければ勝てない」と絶叫。ミカサは血まみれのナイフを拾うも、膝はガクガク鼓動は早打ち、「そんな…できない…」と涙を流します。この頃のミカサは普通の少女だったようです。

 

その時思い出した

私が今体験している非情な出来事は

今までに何度も見てきたものだ

そうだ

この世界は…残酷なんだ

 

生き物が他の生き物を殺し食べることで生存する、そんな当たり前の事実を再認識したミカサ。自分が生きるためには残酷な世界のルールに従わなければならない、それが自然なことだと気づきます。

 

自分が今この残酷な世界で生きていることを実感した瞬間

体の震えが止まった

その時から私は自分を完璧に支配できた

 

超戦士ミカサの覚醒です。目がすわり、鬼気迫る表情で背後から誘拐犯cをめがけて渾身の一突き!握りしめたナイフの柄も踏み込んだ床板も音を立てて割れます。ここまでの物理的なパワーを発揮できるのかわかりませんが、ともかく肋骨を貫通してナイフが縦に入ってます。

 

かけつけたイェーガーはエレンの危険を顧みない行動を叱咤しますが、エレンは「早く助けてやりたかった…」と答えるのみ。なぜあそこまで敵意をむき出しに単身で乗り込んで大立ち回りをしたのか、そこまでの動機があったのかは不明のままでした。

 

現実に戻り、茫然自失のミカサ。自分にはもう帰るところがない、寒いとつぶやきます。エレンは自分のマフラーを外し、ミカサの首にグルグルと不格好にまきます。顔が隠れるほどに。「あったかいだろ?」「早く帰ろうぜ オレ達の家に」ミカサの袖を引いて促すエレン。これがミカサのいう「一度死んだ自分を蘇らせた」という記憶。そして二度と家族を失いたくないという精神的な抑圧の源になっているのですね。

 

場面は現在に戻り、住民の避難と門の施錠が完了!撤退の合図が鳴ります。ミカサは前衛の支援に回ると言い残し単身で後衛を離脱。エレンの元へ向かいます。「私には…この世界に帰る場所がある エレン…あなたがいれば私は何でもできる」

第7話 小さな刃

巨人に包囲された前線の拠点で、兵士が一人自殺しました。立てこもっているのは補給部隊で、巨人に包囲されて戦意喪失したらしい。拠点へ行かないと前線の兵士たちは機動装置にガスが補充できず、壁が登れません。巨人は人間の存在を感知するらしく、わらわらを群がっています。

 

ジャンは完全に諦め顔。「つまんねえ人生だった」「こんなことならいっそ…言っておけば…」死ぬくらいなら告白しておけばよかった…相手は誰でしょうか?この場にいないのはミカサですが。

 

アニとライナーの気になる会話。「ライナー…どうする?」「まだだ…やるなら集まってからだ」何をやるのか、集まってどうするのか、よく分かりません。残った兵士が集まってから?それとも巨人が一箇所に集まってから?彼らは何をやろうとしているのでしょうか。

 

そこへミカサが合流。エレンを探します。アルミンは号泣しつつエレン以下34班の全滅を宣言、ミカサにエレンの死を告げます。ミカサのとった反応は意外にも冷静。「アルミン 落ち着いて 今は感傷的になってる場合じゃない さあ立って」エレンを亡くした現実感がないのか、冷静に状況を確認し、周囲を鼓舞する演説まで始めるミカサ。

 

「私は強い…あなた達より強い…すごく強い!…ので私は…あそこの巨人どもを蹴散らせることができる…例えば…一人でも」「あなた達は…腕が立たないばかりか…臆病で腰抜けだ… とても…残念だ」「ここで指をくわえたりしてればいい…くわえて見てろ」「できなければ…死ぬだけ でも…勝てば生きる。戦わなければ 勝てない」

 

ミカサは普段あまり感情を表に出すタイプではなく、この演説も淡々とした調子で語りかけます。人前で話すことに慣れていないのでしょう、つっかえながら精一杯自分の言葉を絞ったミカサは、言葉の通りに単身飛び出していきます。

 

ジャンが後に続きます「お前ら!本当に腰抜けになっちまうぞ!」一人、また一人と前進を始める兵士たち。ミカサの勇気が兵士たちに活路を与えたのです。ミカサは獅子奮迅の活躍を見せますが、いつもと違って冷静さを欠き、ガス欠になるまで残量に気づきませんでした。

 

ガスを失って露天のテントへ墜落。そこへ巨人が2体接近します。2体の巨人に挟まれたミカサは正座して「いい人生だった」とまとめモード。安らかな表情です。やはりエレンを失ったらこんなに脆い。が、ミカサは思い出してしまいました。誘拐犯を殺したあの日、エレンが声の限りに叫んだ「戦え!」という言葉を。

 

ごめんなさいエレン…私はもう諦めない…死んでしまったらもう…あなたのことを思い出すことさえできない。だから 何としてでも勝つ!何としてでも生きる!涙を溜め、再び立ち上がり、折れた刃で巨人に立ち向かうミカサ。果たして勝ち目はあるのか!?

 

ドドォ!轟音とともに唸りをあげたのは背後から近づいていた巨人の拳!その拳がもう一体の巨人の顔面にクリーンヒット!下顎が吹き飛びます。これは予想外の展開!倒れた巨人へ追い討ちをかける巨人!巨人が巨人を殺してる!?前代未聞の光景にただ絶句するミカサ。この巨人は味方なのか?なぜミカサを守ったのか?

第8話 咆哮

巨人が巨人を襲うなんて聞いたことがない…戸惑いながらも目を離せないミカサ。すかさずアルミンがミカサを抱き上げて屋根の上へ救助。先ほどの巨人、さらに別の巨人と相対しています。そしてなんと拳を固め、ファイティングポーズを取った!!一撃で叩き伏せ、相手が再生しないようにきっちりトドメを刺す巨人。これは今までの巨人とは違います。明らかに考えて行動している!

 

アルミンはミカサとガスボンベを交換し、自分を置いていくよう提案。ただし自決用の刀だけは残して行ってくれと。ミカサはアルミンを残すことを拒否。強い口調で置いて行ったりしないと宣言しますが、アルミンは自分のせいでエレンを死なせた負い目があるため、逡巡します。悩んだ末、アルミンは考えがあると切り出します。

 

一方ジャン達は…徐々にガス切れの者、それを助けようとして返り討ちにあう者が増え始めました。冨樫漫画に出てきそうな顔の巨人がいます。ジャンはここで現実的な決断。仲間が食われているスキに本部へ突っ込む!一度足を掴まれながらも、巨人の指を切り飛ばして脱出!もう少し胴体の方を掴まれていたらアウトでした。間一髪で拠点へ滑り込みます!

 

中で膝を抱えていた補給班をボコって憤るジャン。どうしようもなかったと抗弁する補給班ですが、「それを何とかするのがお前らの仕事だろうが!」と責め立てます。拠点に人が集まりすぎたせいで、余計に巨人が群がって来ました。巨人は視覚で兵士たちを見つけて集まっているのではなく、何かしらの超感覚で認識しているように思えます。

 

圧倒的な巨人の数に絶望するジャン。「これが普通だよな…」現実はそうそう漫画のようには行かないということでしょうか。そこへゴッ!と何者かの拳が、拠点に群がるオッサン型巨人を吹き飛ばします。さきほどミカサを助けたあの巨人です。ミカサたちがここまで誘導してきたのでした。

 

アルミンが考えついた策とは、巨人の力を利用して脱出することでした。ここまでは上手く行ったようです。なぜ、あの巨人は人間に興味がないのか?普通の巨人たちの空虚な目と違い、明らかに目に意志が宿っているように見えます。

 

第9話 心臓の鼓動が聞こえる

前回、巨人を攻撃する謎の巨人を利用して一箇所に合流できた兵士たち。拠点の中まで入り込んだ巨人を殲滅しない限り、ガスの補給ができません。

 

アルミンの考えた策は囮役が銃で巨人の目を潰し、そのスキに上から別働隊が襲いかかって巨人を倒すというもの。巨人の弱点は、大きさに拘わらず頭より下うなじにかけての縦1m 幅10cm!「もしくはこいつを奴らのケツにブチ込む!弱点はこの2つのみ!!」こんな状況でも冗談を飛ばせるライナー。

 

予定通り配置につき、囮役が十分に巨人をひきつけます。合図で一斉に発砲!上から別働隊が襲い掛かる!!別働隊のうちサシャとコニーが失敗!仲間がフォローに向かいます。サシャは巨人相手に必死の説得!後ろから突然…た 大変失礼しました…と謝りますが当然巨人は無視してズンズンと近寄ってきます。フォローに入ったミカサとアニがあっさりと斬り倒して無事作戦完了!これでガスの補給ができます。

 

一方、外ではあの特殊巨人が他の巨人3体に押し包まれて食われています。ミカサとライナー、アニは巨人を救出して戦力として活用する可能性を支持、ジャンは反対しますが、もめている間に巨人は自力で包囲を脱出、周囲の巨人を皆殺しにして自分も膝をついて倒れました。

 

その直後。巨人のうなじから蒸気が立ち上り、中から人間の姿が。呆気にとられてみつめる兵士たち。駆け寄るミカサ。気絶しているようです。心臓に耳を当てると、トクントクンと確かな鼓動が。ミカサは声を上げて泣きます。

 

エレンでした。それも、五体満足。アルミンが最後に目撃したエレンは片手と片足を失い、巨人の胃袋へ飲み込まれたはず。そのエレンが別の巨人のうなじから出てきた。仲間たちは困惑とも戦慄ともとれる表情で彼らを見下ろしています…。