週刊ヤングジャンプで連載中の『テラフォーマーズ』感想ネタバレ第13巻まとめ
怒りと哀しみの果てに、膝丸燈、覚醒!! 秘められた能力を発動させ、燈は九頭龍からの猛攻に立ち向かう。だが圧倒的に不利な状況は変わらず、敵が勝利を収めかけたその瞬間、誰も予期せぬ奇跡が起こる…! 悪と戦い抜く意思が、「継承」された魂が、火星の大地に今、光をもたらす!!
目次
第119話 THE SHARPEST LIVE 刃
第120話 RAISE LIGHT 再生
第121話 PLANARIA 虐待動物
第122話 LINE 生命線
第123話 CHASER 追跡者
第124話 KRABI-KRABONG 剣と棒
第125話 ANOTHER ONE 護る者と勝ち取る者
第126話 TOO EMPTY TOO LIVE TOO YOUNG TOO KILL 2つの命
第127話 BOERTE CHINUA 蒼白の狼
第128話 THE SELFISH GENE 延長された表現型
第129話 TERRA FOR MARS 誰が為に
本編あらすじ
第119話 THE SHARPEST LIVE 刃
凱は燈の斬撃を見て「母親から受け継いだ方の能力」と言う。中国兵のセリフによるとやはりカマキリの特性であったようだ。今号の扉絵にはバグズ2号の副長であった張明明(ミンミン)の姿が見え、前号で爆将軍が「返して貰おう」と言っていることからベースの由来は彼女と思われる。
ミンミンは元々スパイとしてバグズ技術を盗むためにアメリカへ潜入したが発覚して捕まり、国家間取引で被験体にされて20年前に火星に飛ばされ、作戦中に死亡した。劉翊武(りゅういーう)とは幼なじみだ。
一方で、小町は燈がアキちゃん(秋田菜々緒)の子であると言う。先ほどの扉絵には菜々緒の顔も見え、一見するとこの2人の女性から能力を受け継いだように見えるが、菜々緒のベースはカイコガであり、燈が手術に用いたのはオオミノガだから単純にイコールではない。
母体が2つあるというのは物理的にありえないので、「出産」の他に「特性」「遺伝情報」「体組織」などを受け継いでいることを指して「母親」と呼んでいるのは分かる。本多博士は燈をどこでどうやって誕生させたのか?ミンミンが火星に行く前に出産しているとすると、オオミノガの手術をしたところで「アキちゃんの子」にはならない。謎は残る…。
仲間の死での覚醒を果たし忘我に陥った燈。複眼となり右腕はカマキリのそれに変形している。「カマキリの刃がついたオオミノガの糸」を鎖鎌のように使い、周囲の中国兵を一瞬で皆殺しにする燈。命乞いに激高し怒り心頭ではあるが、人としての意識はあるようだ。
はるか上空の九頭龍からさらなる「マーカー」を打ち込まれ、捕縛罠の蛇绕(シュアラオ)が雨あられと放たれる。ミッシェルを一撃で殺すような威力の兵器、本当に捕まえる気あるのか…?
燈は九頭龍付近にまで斬撃を飛ばし応戦するが、いかんせん物量が違う。やがてワイヤーに絡め取られ、その身を上空へ引き上げられてしまう。
刹那、半球状のフィールドが辺りを覆った。けたたましい破裂音と共に焼き切れ、その機能を停止する捕縛装置。目を見張る凱・爆の両将軍。その力を行使したのは…一体の風格あるテラフォーマーであった。そしてテラフォーマーの背後には裸身の女性の姿。この女性は一体・・・?
第120話 RAISE LIGHT 再生
激高する凱。電撃の能力者といえばアドルフ・ラインハルトだが、彼はすでにこの地で死んだはずだ。それも中国の工作によって。予期せぬ反撃にあい、一度は手中にした彼らの旅の目的、膝丸燈がまたこぼれ落ちる。
これを機会とばかりに燈めがけて走り寄るテラフォーマーの群れ。金髪の女性は燈に糸を要求。その考えを察した燈は糸の片方をテラフォーマーの群れへ、もう片方を彼女へと飛ばす。これで導線はできた。
あとは…放射状の糸に電撃を流し込み、襲い来るテラフォーマーの群れを撃滅する女性。雷の破裂音が空気をつんざく。崩折れるテラフォーマーの群れ。その中央に立つ彼女の顔を、燈はよく知っていた。
エヴァ・フロスト。アドルフとともに爆死したと思われた彼女であったが、手術ベース・プラナリアの持つ何らかの特性によりあの爆発を生き延びていた。アドルフの能力を吸収して。この場所は、かつてドイツ班がテラフォーマーの軍勢に襲われたまさにあの場所であったのだ。
「道(そこ)を…退(ど)きなさい」雷光を纏い立つエヴァの姿は、彼女がこれまで見せたことのない凛とした決意と、何をしてでも仲間を必ず助けるという覚悟に満ちている。雷神が再び火星の夜を斬り開く。
第121話 PLANARIA 虐待動物
日本原産「波渦虫」。プラナリアとも呼ばれ、日本列島及び朝鮮半島・台湾・中国の澄んだ淡水に生息。最大の特徴は全身に「全脳性幹細胞」を持つ点。
マーズランキング100位の彼女が手術ベースとしていた生物はプラナリア。戦闘能力は皆無だが、全身に幹細胞を持ち驚異的な再生能力を有する。生命の神秘としてよく実験対象になっている生物だ。
プラナリアの特長はどれだけ細切れに切断しても死なずに分裂して増えること、脳がなくても記憶を継承できることなどが特筆される。アドルフが自爆したあの時、エヴァも確かに爆風に巻き込まれて肉体はバラバラに千切れ飛んだ。
だが彼女の胸部を覆っていた分厚い脂肪(おっぱい)が心臓を守り、そこを基点に全身が…脳や記憶までもが再生していたのだ!再生する際にアドルフの遺体を吸収していたらしく、そこからデンキウナギの能力までも取り込むことに成功している。エヴァの片目の色が違っているのはそのためで、今の左目はアドルフ由来。
デンキウナギの能力は「放電する際に自分自身も感電する」という弱点がある。本来のデンキウナギは分厚い脂肪でそのダメージを防いでいるものの、アドルフは大きく裂けた口元の皮膚からもわかるように直接そのダメージを体に負ってしまう。それゆえアースを埋め込んで対策していたが、エヴァにはその装備がない。
エヴァは電撃を放つと大火傷をするが、プラナリアの再生能力で無理やり治していた。能力を使う度に感電し、火傷で激痛が走る。それでも彼女はテラフォーマーの群れに向かって雷槌を落とし続ける。九頭竜からの熱線攻撃にも怯まず、顔の半分を吹き飛ばされても瞬時に再生。もはや反則の能力。
脱出機に乗り込み逃走を試みる面々。九頭龍が放った攻撃をエヴァが電磁バリアで反らし、そのまま逃げ去ることに成功。バーサク燈の「飛ぶ斬撃」でアームとウィングを失っていた九頭竜は姿勢制御がうまくできず、追撃がままならない。爆将軍の提案でひとまず着陸し、1号機に積まれたサンプルを回収することにする。走る車上で、エヴァはミッシェルの体に電位が見えるという。
第122話 LINE 生命線
凱(カイ)将軍は言う。バグズ手術には次の可能性があり、人類を人工的に進化させる材料として研究されるべき成功例が4人いる。
ミッシェル・K・デイヴス、膝丸燈、蛭間一郎、エヴァフロスト。
ミッシェルはMOを先天的に遺伝で受け継いだため、手術の成功率が著しく高かった。なぜ父親が手術で獲得したMOが自然生殖で遺伝したのかは謎。膝丸燈は本多晃によって作られた子で、産まれた時からMOを持つ。どうやら張明明と秋田菜々緒にも関係があるらしい。
蛭間一郎は旧世代のバグズ手術でネムリユスリカの能力を与えられている。戦闘能力は並だがクリプトビオシス(Cryptobiosis=隠された生命)という特性により、仮死状態になった後は驚異的な環境耐性を持つ。高温・低温・放射線被曝にも生身で耐える事が可能だ。もとはネムリユスリカの幼虫が砂漠で乾季を生き延びるための防衛行動らしい。水をかけると生き返る。
エヴァは戦闘能力のランキングでは最下位だが、心臓ひとつから全身を再生し記憶まで蘇らせるという治癒能力がありほぼ不死身。栄養源の確保が課題だ。他にも中国は軍事利用を前提に不完全変態や細菌型など独自のアプローチで成果を上げてはいるが、上記の4人はいまだ特別な存在のようだ。
エヴァが操縦する脱出機で、ミッシェルに人工呼吸を施す燈。左の肺から空気が漏れてくる。燈は指先から糸を出す。その先端には小さなカマキリの刃がついており、丁度針のついた縫合糸のようになっている。
燈は意を決するとミッシェルの胸元からシュアラオの破片を抜き取り、胸に空いた大穴の中を冷静に診て取る。心停止、肋骨骨折、左肺、肺静脈の損傷…それらをミノムシの糸で縫合し、接着していく。
「うそ…速い!!」目を見張る八重子。なぜ燈が外科的な知識と技術を持っているのかは分からない。U-NASAの基礎訓練に含まれているのだろうか。燈の糸はミッシェルの命を繋ぐか…!?
焦点の定まらない、力のない目をして膝をつく小町。背後には袴を履いたテラフォーマーが蟷螂の斧を振りかざしている。自分はただ火星で死にたかっただけなんじゃないか、そんな疑念が頭をかすめる。隊員たちの無事を願う小町へ、テラフォーマーの斧が振り下ろされ…。
宙を舞ったのは小町の首ではなく、テラフォーマーの腕であった。斬ったのはジョセフ。ジョセフは斬り飛ばした腕をかじり、噛み砕き、飲み下す。テラフォーマーにとどめを刺すのは劉翊武。二人とも体のあちこちが欠損している。劉は両腕がなく、ジョセフは右脚の膝から下がない。
ジョセフは見て分かるほどの速度で肉体を再生しており、その栄養補給のためテラフォーマーの肉片を食っているのだろう。「艦長…薄々気づいてるんでしょう…?ならばあなたが死ぬのは…ここじゃあない…」ジョセフが言おうとしていることは何だろうか。死に場所を得られなかった小町、なおも生存!
第123話 CHASER 追跡者
エヴァがミッシェルに電気ショックを施して蘇生を試みていたまさにその時、空を切って「何か」が彼女を襲った。衝撃で吹き飛ばされるエヴァ。糸でとっさに繋ぎ止め脱出機からの転落を阻止する燈。
振り返ったその目に映る人影は、中国班のジェット、そしてドルジバーキ。劉や爆が乗った車両に合流するといってアネックスを飛び出した後は消息不明だったが、ここにきて最悪のタイミングで襲来。先ほどエヴァを撃ったのはジェットが持つニシキテッポウエビの能力か。
ジェットはドルジとの連携プレイで燈の忍者刀を奪い取ると、脱出機の上で前後からの挟み撃ち隊形を採る。脱出機の上には横たわるミッシェルとアレックス、驚異の再生能力を持ち斬っても斬っても(多分)死なないエヴァ、そしてすごく臭い八重子。今まさに命がけの攻防が始まらんとする脱出機。
一方、アシモフらが乗った車両の上で捕虜となった西(シイ)が目を覚ました。「やって貰うことがある」アシモフの鋭い眼光が西を射抜く。思わず身をこわばらせる西。果たしてアシモフの要求とは!?
第124話 KRABI-KRABONG 剣と棒
貧民街出身で食い扶持にありつくため軍に志願したジェット。子供の頃から武術を学び強くなりたいと思っていたらしい。彼が老師から教わったのは「カビー・カボーン」(KRABIKRABONG)と呼ばれる二刀術。
燈の忍者刀を奪い、刀と鞘を両手に構えたジェット。燈は糸とカマキリの刃を組み合わせた鞭、もしくは鎖鎌のような武器。舞うように剣を交える最中、巧みに糸をつかってジェットの腕を封じる燈。瞬時に戦法を切り替え、足技を繰り出すジェット。燈の首筋へハイキックが入ったと思いきや、体勢を崩し、膝をついたのはジェット。
攻撃を食らいながらも燈はジェットの右脚をくるぶしから切断。ジェットは冷静な表情で燈の戦力を分析。この余裕はおそらく再生能力によるものだろう。甲殻型のため瞬時に再生が可能。
さてもう一人はドルヂバーキだ。彼がまともに戦闘したシーンはなく、モンゴル出身で鼻がいい手術ベース、くらいの情報しかなかった。今回はエヴァと対峙し名乗りを上げる。出自は普通の家から普通に軍人になっただけで回想すらない。
ドルヂバーキは野性味あふれる見た目と裏腹に、極めて常識的かつ紳士的だ。エヴァがおとなしくするなら傷つけることはしないが、目的遂行の障害となるなら容赦なく殺害すると宣言。戦場に似つかわしくない男気あふれるスポーツマンである。
エヴァの不退転の決意を確認すると、彼は静かに目を閉じ…。雷光よりも疾くエヴァの懐へ潜り込み、ミドルアッパーから足払い、転倒したエヴァに馬乗りでラッシュ。中国班のメンバーのほとんどは、その特殊能力とは別に「職業」として対人格闘の訓練を積んでいる軍人である。
ドルヂバーキは変態しても見た目にこそ大きな変化はなく、「ただの毛深いオッサン」と言っても通じる程度の姿ではあるが、人間として習得している殺しの技術はエヴァのそれと比較にならない。
一方のエヴァはプラナリアの再生能力があるため、普通に殴って殺傷しようとしても難しく、電撃が当たれば一撃で相手の内臓まで焼く。だから最後は捨て身で相手に接近して直接電気を流せばいいはずだ。今はドルヂバーキの方から密着してくれているのだから、一瞬の隙さえあれば勝機はある。
第125話 ANOTHER ONE 護る者と勝ち取る者
ジェットは燈から奪った忍者刀を持っているが、鞘を衝撃波で飛ばし燈の喉を突く。受けた燈は「明らかに投げた威力じゃねー」。メキメキと骨が音を立てる。相当に重い攻撃だったようだ。
燈が切断したジェットの右足は一瞬で何事も無く再生している。投げ技からマウントポジションを獲った燈に、ジェットは起死回生の衝撃波を叩きつけ内臓を揺らす。続けて顔面へ2発目。白目をむき、膝をついた燈の首筋へジェットが忍者刀を突き立てる。雨音だけが火星の空に広がり、勝者を静かに讃えていた。
第126話 TOO EMPTY TOO LIVE TOO YOUNG TOO KILL 2つの命
まだ燈が火星に向け地球を離れる前のことだ。蛭間七星はとある用件で応接室に燈を呼び出した。話の中身は燈の実の両親のこと。U-NASAでは調べはついており、燈が希望するならその情報を開示する。その意思確認だった。
燈はそれを知るべき時は今ではないと笑顔で拒否、任務完了後に考えると返答する。七星は承諾し、専用武器である忍者刀・膝丸を燈へ託す。膝丸の特殊能力は12種類あるらしいが、そのうちの1つについて解説がなされる。
忍者刀・膝丸は自ら超音波を発し、燈の手術ベースであるオオミノガがそれを反射する時の波長を感知して起動する。つまり燈からのシグナルがない場合は性能を発揮しない。つまりジェットが燈の首筋に斬りかかっても起動状態にない膝丸はナマクラの包丁と同じで、燈の頭部を切断するにはまったく及ばないということらしい。
確かにランカー上位の専用武器はテラフォーマーに強奪・回収された場合を想定し、能力との噛み合わせがないと活用できない仕組みになっているのが前提だ。アドルフの電撃手裏剣、ミッシェルの加速装置、加奈子のエアロパーツなどを思い出して欲しい。
仮に回収されてもテラフォーマーではそれを活かせない。だが膝丸がもし普通の刃物として十分な切れ味を持っていたらテラフォーマーでも簡単に使えてしまう。それでは携行条件に合致しないのだ。
ジェットが渾身の力を込めて首を横に薙いだ忍者刀は、主である燈を絶命せしめることなく表皮で留まる。ジェットが目を見張った次の瞬間には、燈はその両腕を大鎌に変態させジェットの両脚を切断していた…。
第二の能力・張明明から受け継いだ「ハナカマキリ」に覚醒した燈。今回でようやく能力の出自が明言された。空中戦艦をも斬って捨てる驚異の斬撃を前にジェットはなすすべもなく防戦。最後に繰り出したキャビテーションも届かず、衝撃波ごと袈裟懸けに斬られ脱出機から転落。
明確な死の描写はないが、生きているにせよ相当な深手だ。ひとまず決着。自分の力だけでは勝てなかった。自分に2組の親がいることに改めて感謝を述べ、呼吸を整えた燈が見やった方向にはエヴァをボコボコにした荒ぶるドルヂバーキが待ち構えていた。
第127話 BOERTE CHINUA 蒼白の狼
対峙する燈とドルヂバーキ。勝負は一瞬だと燈は覚悟を決め、制空圏に入った瞬間の居合いに全てを賭ける。だが、敵が間合いに入ったことを感知する暇すら与えられず、次のコマですでに密着を許してしまっていた。
ここでバーキの能力がハイイロオオカミであると明らかになる。能力はニオイで世界を「視認」できること。我々が高いところに登って遠くまで見渡すと、ずっと向こうで煙が上がっているのが見える。それで何かが燃えていると分かり方角やおおよその距離を判断できるのだが、イヌの場合はそれと同じことを目でなく鼻で判断することができるというわけだ。
その嗅覚をプロの軍人が対人格闘に応用するとどうなるか。筋肉が発する乳酸の臭いで相手の眼球運動が把握できるらしい。だから動きが読め、敵を圧倒できるという理屈。なすすべもなくラッシュに沈んだ燈。容赦なくトドメを浴びせようとするバーキの前に、八重子が身を挺して割り込みクスリを使う。
バーキはその意図を察し、親切にも忠告する。臭気でダメージを与えることはできないと。八重子の能力はシマスカンク。テラフォーマーの群れが進むのをためらうほどのニオイを発する。イヌのような嗅覚に優れた動物なら気絶させられるのでは?と考えるのは自然な流れだが、バーキもそんなことは承知している。
イヌは人間の1億倍の嗅覚を持つと言われるが、1億倍の強さでニオイを感じているわけではないらしい。バーキも決して無駄な争いを望んでいるわけではなく言葉で解決できるならそうしたいが、八重子も黙って仲間を見殺しにはできない。イチかバチか、やってみなきゃわかんないと意を決して分泌液を尻から飛ばす八重子。
せっかく放った分泌液も手で軽く払われてしまった八重子。万事休すかと思われたが、このアクションの裏で燈はこっそり糸を紡いでいた。その糸はドルヂバーキの鼻に向かっており、八重子の分泌液は糸を伝ってダイレクトに鼻の粘膜へ!!
くさやの16,000倍とされるニオイの源、有害成分「ブチルメルカプタン」が直接ドルヂバーキの嗅覚細胞を破壊する。顔を手で覆い絶叫しながら車上を転げまわるドルヂバーキ。
その背後にユラリと立ち上がるエヴァ=フロスト。彼女が放った電撃を起点に、スカンク由来の引火性ガスが大爆発を起こす。ドルヂバーキの巨体が軽やかに宙を舞い、脱出機のはるか後方へ墜落。「まったく…失礼なヤツだったわ」安堵する八重子の足元で昏倒し白目をむいている燈…。
第128話 THE SELFISH GENE 延長された表現型
第129話 TERRA FOR MARS 誰が為に
息つく間もなく、凱将軍に操られた『ゾンビ』ゴキブリが迫る。地球では首相たちがなにやら動いているようだ。皆殺しをもくろむ凱将軍とは裏腹に、中国首相は帰還を命じる。ドイツ、日本、アメリカにもなんらかの情報が伝えられたようだ。
火星に走る『フロンティアスピリッツ』からの通信。健在なもの、倒れているもの、燈は捕まっている。伝えられるアシモフの娘と孫の無事。アシモフは発奮、燈も果敢に反撃を試みる。
小町一行はバグズ1号の着陸地点にいた。なのに―機体がない?映されるスキンヘッドゴキブリに、今まで登場した『MO手術』ゴキブリの面々。そこは―地球⁉