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【うせもの宿】感想ネタバレ第3巻(最終回・最終話・結末)まとめ

2014年から2015年まで月刊フラワーズで連載していた『うせもの宿』の最終巻第3巻の最終回(最終話)を含めた感想ネタバレまとめ。涙なくして読めない結末(ラスト)はいかに!?

遂に女将さんとマツウラの過去が明かされる。少女のような姿の「女将さん」こと松浦紗季と、宿の案内人「マツウラ」こと、松浦篤志。幼い頃に出会い、その後再会した二人は、やがて恋に落ちた。願いは一緒に幸せになること。だが、そんな二人を引き裂く悲劇が–!?失くしたものが見つかる不思議な宿「うせもの宿」が舞台の和風ファンタジー、衝撃と感涙の完結巻!

各話一覧

【うせもの宿】客人13『麦藁菊(むぎわらぎく)』
【うせもの宿】客人14『金木犀(きんもくせい)』
【うせもの宿】客人15『待雪草(まつゆきそう)』
【うせもの宿】客人16『綱手(つなで)』
【うせもの宿】客人17『有明の月(ありあけのつき)』
【うせもの宿】最終話『名もなき季節』

本編あらすじ

この最終巻では、これまで謎だった女将さんとマツウラの過去、そして2人の結末が明らかになります。

女将の生前は児童養護施設で育った紗季という女性でした。紗季は保育士の仕事をしています。1巻で「子供は好かん」と何度も言っていた女将さんですが、実は子供が好きな事の裏返しだったようです。

そんな仕事をしているときに偶然町で松浦(マツウラ)と再会します。2人は同じ児童養護施設の出身者でした。松浦は詐欺の罪で捕まり刑務所から出てきたばかりの悪い奴。最初は利用してやろうという気持ちで近づいた松浦でしたが紗季に少しずつ惹かれていきます。幸せそうな紗希と松浦。

しかし、松浦は刑務所時代の知り合いに犯罪を持ち掛けられます。紗季と幸せになりたいと誘いを断った松浦ですが、相手は紗希の事も知っており危害を加えようとします。

そのため松浦は声を掛けてきた男を殺すことにしますが、松浦の変化に気付いていた紗季は松浦をつけていて松浦が人を殺すことを阻止します。身を庇って刺されてしまったことで紗季は命を落としてしまいます。

紗季は大切な人を人殺しにしてしまった後悔から探し物を見つけようとせず記憶すらも消してしまっていたのでした。絶望の淵に沈む松浦は、そのまま自分の喉を切りつけて自殺を図り、そのまま8年間眠ったままです。

うせもの宿に来た紗希は、愛する人に自分を殺させてしまったと深く後悔し、そのため記憶をなくすことを選びました。このとき紗希を出迎えたのも、記憶をなくすためには宿の一番奥の部屋で眠ればいいと教えてくれたのも番頭さん。紗希が起きたときには子供の姿になっていました。

松浦は一命を取り止め彷徨っていたところ、うせもの宿にたどり着きますが、死んでいないことから入る事を拒否され、女将と呼ばれる子供が紗季であることに気付いた松浦は彼女の近くにいるために死者を連れてきていたのがこれまでの経緯でした。

最後では紗希に思い出を語った松浦は 約束を果たすと言い、ついに門を越えようとしますが、記憶を取り戻し元の姿に戻った紗希に止められます。そして「生きて」と言葉を残し、紗希は旅立っていきました。

その後、意識を取り戻した松浦は記憶を頼りに宿があった場所に行ってみますが、その場所には何もなく、二度と辿り着けることができませんでした。最後に空を見上げながら「世界は眩しいな…」と台詞を残します。

最後の数ページではうせもの宿で「お客さんがお見えになりましたよー。」という台詞と一緒に、番頭さんが新しい人を迎えるシーンで終わりです。悲しい恋の物語。泣ける感動のラストシーンでした。