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【有害都市】感想ネタバレ第2巻(最終回・最終話・結末)まとめ

となりのヤングジャンプで連載していた『有害都市』最終巻2巻の最終回(最終話)を含めた感想ネタバレまとめです。結末(ラスト)はいかに!?

有害都市 下 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

有害都市 下 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

 

2020年、オリンピックを目前に控え、浄化作戦と称した異常な排斥運動が行われている東京。漫画家・日比野幹雄は「DARK・WALKER」を雑誌に発表するが、一人の抗議文により、掲載中止に追い込まれてしまう。単行本が有害指定を受けるリスクを感じながらも、Web掲載に活路を見出す日比野。

目次

第8話 抜け道
第9話 70年前からの手紙
第10話 華氏451度
第11話 燔祭
第12話 正しさの暴力
第13話 表現者たち
第14話 我々は何を恐れているのか
第15話 5年3組の奇跡
最終話 70年後の手紙

本編あらすじ

日比野幹雄はアメリカの翻訳出版社代表・アルフレッドからから有害図書を決めるのは1冊の本の総ページ数に対して暴力表現や性的描写など過激表現がどれだけ含まれているページがあるかで審議されることが告げられる。

つまり過激な表現は同じページ内に詰め込むことで全体の有害ページとされる割合を下げることができ、有害図書に指定される可能性を下げる事ができるという話だった。

日比野は自分の作品を見直してみると審議対象になるのは明らか。構成の変更を考えてみるが、どうしても見開きの配置が崩れ会話の流れがおかしくなってしまう。そして考えた結果、内容を修正せずにそのままの形で本を出すことを決める。

アルフレッドにも「有害指定を避けるために作品を読み辛くしておかしな方向に変えてしまうよりはずっといい」と泣きながら気持ちを訴える。

その真意を聞いたアルフレッドからある物が送られてくる。その箱の中身は70年前にアメリカで起きたコミックス倫理規定(コミックス・コード)と闘ってきた漫画家の決意が綴られた手紙だった。

その頃、有識者会議委員の戸田ユキヲは行き過ぎた規制を止めようと頑張るが、漫画を悪と断定するメンバーの考えに限界を感じて審議委員を辞退する。その後、健全図書法成立の大きな後押しになった殺害事件の報道を見直すと机の上に置かれた『イノセンス』の単行本の映像が不自然なことに気づく。

そのことを加害者の父親に直接インタビューすると非難の矛先をかわすために父親が息子の机の上に置いたことが判明。まるでイノセンスが少年の嗜虐心を煽り事件と深い関係のあるものだと報道されたが、実際は漫画を読んだことがあるかもわからないのが真実だった。

そして遂に有識者会議の審議の結果、ダーク・ウォーカーは有害図書に指定されることが決定された。日比野には有害作家認定の公開審議を開きたいと公聴会の召喚状が送られてくる。担当編集者の比嘉忠岑は過去にこんな例はないと嫌な予感を覚える。日比野が行ってみると公聴会と言っておきながら、まるで裁判のような場所が用意されていた。

そこで言い掛かりのようにダーク・ウォーカーが児童ポルノだと断定され有害だと指摘される。日比野は上手く反論できない。そこに『イノセンス』で有害作家認定をされた松本慎吾が登場。漫画家の立場から規制の必要性を語らせるために呼ばれた松本だが、正直な自分の考えを述べた上で「今の君の率直な意見が聞きたい」と話す。日比野は「イノセンスの続きが読みたい!」と力強く答える。

有識者会議の審議委員が主催した公聴会は混乱のうちに幕を閉じた。戸田ユキヲ氏は健全図書法成立のきっかけとなった事件に関わる風聞を正す指摘をしたが、その模様を伝えるはずだったインターネット配信サイトは突然の回線トラブルによって放送は全て中断されていた。

戸田氏の発言は不規則発言として処理され、その内容は全て議事録から削除された。松本慎吾氏の名誉が回復されることはなく健全図書法の運用が見直されることもなかった。そして日比野は有害作家として施設に収容され薬物投与や外科的アプローチが実施されることになった。

特別な矯正プログラムによって模範的な作家に生まれ変わる前に日比野はダーク・ウォーカーのネームをメッセージと共に未来の漫画家に託すことを決める。メッセージにはこう記されていた。

この作品が七十年後に翻案され再構成されることを望む。キャラクターの名前や舞台設定もその時代や文化に合わせて変更しても問題ないと書くがタイトルだけは『有害都市』に決めてある。この作品を七十年後のクリエイターに捧げる。と最後に残して…。

***感想コメント***

有害都市 上 (ヤングジャンプコミックス)

有害都市 上 (ヤングジャンプコミックス)

 

2017年に第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞した本作。有害図書というテーマはオリジナリティが高く、考えさせられる作品。漫画好きの読者の琴線に触れるテーマだが、それ故に本作が面白いかどうかの定義が困難。

作者自身の実体験が本作の創作意欲になっているのは明らかだが、漫画家や出版業界向けともとれる描写もあり読者層を狭めている気がする。素人に漫画家や漫画の現実を伝えるという風にも捉えることが出来るが…。

作中の漫画『ダーク・ウォーカー』のラストは炎上している平和記念像の前で倒れるシーンで終了しているが、これは作者の筒井哲也氏が『マンホール』で長崎県の有害図書指定を受けたことへの作者なりの抗議だと受け止めることが出来るが、その一連の経緯を知らないと「?」で終わってしまうと思う。

心に刺さる名言がいくつもありながら読後感にどこか物足りなさを感じるのは私が有害図書について興味はあるが知識もないし真剣に問題視していないせいかもしれない。有害図書にどれだけ共感できるかで本作の評価が全て決まる。なぜならそれしか書かれていないから。

第一巻(上巻)は誰が読んでも面白いが第二巻(下巻)は最後にモヤモヤが残る。最終的に打ち切り終了だと感じてしまうのは有識者会議委員長・故寺修の子供が漫画家を目指すという伏線がありながら最後まで登場しなかったこと。また米国の翻訳漫画専門出版社アルフレッドの役割が中途半端だったことが挙げられる。渡米もしくは米国での活躍がなければ無理に登場させる必要もなかったのではないかと思う。

故寺修の子供に関しては最初の段階から登場しない設定だったかもしれないが、途中で登場し親子喧嘩からの関係修復、そして健全図書法の改善(もしくは日本を捨てて米国で活躍)といったハッピーエンドを想像していた私からしたら見事に裏切られた結末になっている。

あえて一言コメントを言うなら比嘉さんが社会人として素晴らしい。