マンガボックスで連載している『異常者の愛』の最終巻6巻に収録予定の最終回(最終話)を含めた感想ネタバレまとめ。結末(ラスト)はいかに!?
自らを殺してもらうことで愛の深さを感じようとする。そんな狂気的な発想を暴かれ泣き崩れる三堂。「異常なのは一途な愛を貫けないお前らの方だ」悪魔は再び、最後の反撃に出る。
目次
第62話~74話
本編あらすじ
第63話
悪魔殺しの秘策。先生の二重スパイは悪魔にバレていた…。再び調教を受ける先生。下僕に向けられる容赦ない言葉。あなたがカズミの足を引っ張っている…。
第64話
カズミの家で先生とともに待ち伏せをする三堂。周到に準備された隙のない作戦に先生は思ってしまう。こんな人に勝てるわけない…。
第65話
悪魔は少年に出し抜かれた。逆襲がようやく幕を開ける。
第66話
ついに三堂を捕らえたカズミ、シホ、イツキ。しかし、三堂は事前に四谷に危険が迫るよう罠を張っていた…。真実を吐かせるため始まりの場所で「拷問」を始めよう…。
第67話
捕縛した三堂を因縁の小学校に連れてきたカズミたち。手足を縛りつけ、暴力で押さえつけ、それでも悪魔は止まらない。止められない…。
第68話
窮地に追い込まれた三堂。ようやくすべてが終わる。みんなそう思っていた。ただ一人、悪魔を除いて…。言葉巧みに亀裂を抉るとたちまち先生を疑心暗鬼に追い込んだ。まだ戦いは終わらない…。
第69話
三堂の作戦を読み切り、ついに悪魔を追い詰めたカズミ。しかし、彼の心は支配されていた。「苦しませて殺したい」というおぞましい復讐心に…。異常で無常な愛の物語は驚愕のクライマックスへと向かう。
第70話
怒りと恐怖と憎悪と…。巨大な感情の渦に飲まれ我を忘れて力の限り暴力を振るうカズミ。もう誰も止められない。そう思った次の瞬間、四谷四乃が飛び込んできた…。
第71話
カズミの暴走を止めに四谷はやってきた。互いが互いを助けるため改めて思いを確認する二人。その様子に三堂は苛立ちを隠せない。物語はいよいよクライマックスへ…。
第72話
四谷によって明かされた三堂の狂気的な思惑。カズミに自分を殺してもらう。その愛はもう、まともではない。そして、三堂はようやく感情を露わにした。怒りを、苛立ちを、愛を、悪魔は声を枯らして叫ぶ。間違っている!と…。
第73話
三堂三姫が縄をカッターでふりほどき、最後の力を振り絞って車椅子の四谷四乃に襲いかかるも間一髪で一之瀬一弥が自分の左手を盾にして防ぐ。四谷はそのまま倒れる。
十年後、三十三歳になった一弥と四谷は結婚しており、四谷は妊娠していた。十年前に三堂とカズミは逮捕されたことが明かされる。色々あったが、幸せに生きている二人。そこに一通の手紙が届けられる…。
最終話
三堂の一件が解決してからちょうど十年。
今の俺の住所がわからないから実家を経由して手紙を送ってきていた。
拝啓、一之瀬一弥様…
なんて…堅苦しい挨拶は私達には似合わないねカズミ♡
元気にしてる?楽しい日々を送ってる?急な手紙で驚いてる?
私の愛を伝えたいと思って、この手紙を書いたんだ。
いざ何か伝えるとなると照れくさいねやっぱ。
私とカズミの出会いは小学三年生のときだったね。
カズミは覚えてないって言ってたけど、消しゴム拾ってくれた優しさがすごく嬉しかった。それで気付いたらカズミを目で追うようになって…。あぁ、これが好きってことなんだって初めて気付いた。
小学五年のとき文化祭準備で大変だった時、カズミが手伝ってくれて…嬉しすぎてドキドキしてる心臓の音が隣を歩いてるカズミにまで聞こえてないか体育館までの間ハラハラしたの今でも覚えてる。
そして次の日…。告白して一度振られたものの…そのあと恋人になれて嬉しかった。(中略)嬉しいをいっぱいありがとう。そしてこれからももっともっとたくさんの嬉しいに包まれてるといいな。
最後に…私はカズミと生まれ変わっても一緒になりたい…とは思わない。だって私がこの世に三堂三姫として生まれて、カズミが一之瀬一弥として生まれた。たった一度のこの人生でしかあなたと出会えてないんだから。だから今を生きてるこの人生…最後までカズミと一緒にいたいと思ってるんだ。これからもよろしくねカズミ♡
10年前の私より
ps:これだけは忘れないでほしいな。ただただ狂おしいほどに…あなただけを永遠に愛しています…。
最後に刑務所内で自殺していたことが明かされる。自殺した部屋では「愛してる」と血文字が壁一面に書かれていた。手紙はみらいポストを使って10年前に投函されていたものだった。自宅の鏡の前で裸にカズミの身体と左手には、いまだ痛々しい傷跡が多数残っている。
以下カズミの回想
話し合えば誰とでも分かり合える…そんな綺麗事は存在しない。世の中にはどうしようもなく感性の外れた人がいて…他人の幸せを引き換えにしてでも自分の幸せを手に入れようとする人がいて、そんな人と遭遇するのは事故と天災と同じ…ただの不運でしかないわけで…。
大事なのはそういう…どうしても分かり合えない人がいると認識した上でどう対処するか、三堂みたいな奴が現れた時、俺が取るべき行動の正解は自分で何とかしようとせず、ただ距離を置く…関わらないことだった。
関わらず…支え合える人、心から愛せる人、その人たちとの空間を守ることに全力を注いでいれば誰も傷つかなかったかもしれない。誰も失わないかもしれない…。だからもう二度と間違えない。不条理で理不尽な存在はいつでもそばに潜んでいる。そのことだけは忘れちゃいけないんだ。
***感想・評価・考察***
ただのメンヘラにストーカーされた話で終わらないのが本作。暴力的な部分で「なんで誰も反抗しないの?」とモヤモヤする部分はありましたが、最後はきっちり締めてくれました。最終巻の発売日は10月のようです。