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【自殺島】感想ネタバレ第17巻(最終回・最終話・結末)まとめ

2008年から2016年までヤングアニマルで連載中の『自殺島』の最終巻17巻の最終回(最終話)を含めた感想ネタバレまとめです。結末(ラスト)はいかに!?

自殺島 17 (ヤングアニマルコミックス)

自殺島 17 (ヤングアニマルコミックス)

  • 作者:森恒二
  • 発売日: 2016/11/29
  • メディア: Kindle版
 

仲間の中でひとり、前を向けず悩むリョウ。その孤独を、あの男が見逃すハズがなかった…。幽閉されたカイの暴走により、次々と倒れゆく仲間たち。最大のピンチを迎えた時、セイは――。"生きる意味"を問い続けてきた彼らの、結末を見逃すな!自殺未遂者たちによる、極限サバイバルドラマ遂に完結!!

本編あらすじ

リョウがカイの泣き声を聞き、死ぬところを看取ってほしいという懇願を受け入れて独断でカイを牢から出してしまう。それを発見したリヴとミキが引き止めている最中に、カイは隠し持っていたナイフでリョウの腹部を刺す。そしてカイはリヴを人質に取って山に逃げ込む。

腹部を刺されたリョウは重傷を負ってしまい、みんなに看取られながら亡くなる。最後にエリの幻を見ながら…。カイの狙いは自分だと感じたセイ。カイはリヴを躊躇なく殺すだろうとして、気づかれずに仕留めるためにイキルと一緒に一人でカイの後を追う。

カイの狙いはやはりセイだった。カイ曰くこの島の中心はリョウでもリュウでもなくセイであり、体格も体力も気力も平凡なセイが生きる力を取り戻す姿に自分を重ねて皆が同調していったと説明する。

リブに何がしたいのかと聞かれ「自己肯定」だと答える。皆殺しにして自分が正しく優れていたことを証明するために殺すんだと話す。自分とおなかの子供の為にカイに素直に従うリヴ。

小屋の水場に向かったあとに身を隠す場所がほとんどない低草地の丘に逃げ込む二人。カイは中心地になる木にリヴを縛りつけセイを迎え撃てる体制を整える。ようやく二人を見つけたセイは初めての殺意を覚えるが、一撃で行動不能にさせるために近くまで移動するには明るすぎるため日没まで待つことにした。

逆にカイは日が落ちれば勝ち目がないことを理解しており日没までがタイムリミットだと考える。セイを誘い出すためリヴの手首を切る。自分の愛する人を殺されそうになり怒りで気が狂いそうになるセイ。

そこに偶然現れたのが先住さんだった。この冬に作物が全滅したためセイを頼りに山を下りてきた最中だった。その姿に驚いたのかイキルが吠えてしまい居場所がバレてしまい、ついにリヴが妊娠していることにも気づかれてしまう。

先住さんに自分のマントを着せ、イキルと一緒に囮になってもらうことで、セイはカイに気付かれることもなく近くの茂みに身をひそめることに成功。カイが気づいた時にはすでにセイが射程距離まで近づいており、一撃で心臓を撃ちぬかれる。

もう助からないとわかっているカイは人の気持ちがわからないことに人知れず苦しんでいたことを告白する。この島にいる深く心に傷を負った人間達の間なら自分も変われると思っていた。しかし、皆が変わっていく中で自分は変わることができなかった。

置いて行かれた劣等感が殺意に変質してしまった。一人きりになった世界で静かな世界で死ぬことが夢想すると心が穏やかになり、それがいつしか決意に変わったと告白する。

最後にこの島の夕日は美しい、それは本当だと言った後に息を引き取る。その死に顔は終わらせてもらってホッとしたような顔をしている。

他のみんなはセイの帰還を待っていた。全員が揃ったところでリョウを他のメンバーも眠る丘に埋葬する。その帰り道に船が島に入っていることを目撃し、驚く一行。不思議と助かったと口にするものはいなかった。

*** 

解放後の島は基本的に特別自治区を維持しつつ不登校者や未遂者の更生プログラムなどに協力することになった。それにより国や各団体などの支援も受けられることになる。

自殺未遂常習者隔離目的特別自治区、通称自殺島は政府の特別自治区見直しにより解放される。以後、島の住人とNGO団体により「イキルの島」と改名。特別自治を保ったまま未遂者などの社会復帰プログラムに活用されている。

最終話「イキルの島」
自殺島 1 (ジェッツコミックス)

自殺島 1 (ジェッツコミックス)

  • 作者:森恒二
  • 発売日: 2013/06/10
  • メディア: Kindle版
 

そして数年が流れたーー。

成長しているイキルとともに狩りをしているセイ。そして稲作をしているスギ・トモ・ケンがいる。リュウとレイコは結婚し、レイコのおなかは大きい。浜辺にはリヴと男の子。男の子にはリョウと名づけており幸せに暮らしていることがわかる。ここに自殺島が堂々の完結!

***(単行本のみ収録)***

スギは島の管理者として残り校正プログラムの指導に協力している。そして彼の執筆した「自殺島の日々」はベストセラーになった。スギはその収入を殆ど全て島の運営にあてている。

ミキは離島したがNGO団体に入り、本土と島を結ぶ仕事をしている。ボウシとタエは、島在住。頼りになる道具屋と看護師は今も健在。

ケンとナオも島に残った。ケンは変わらず、ナオはレイコと島唯一の食堂をやっている。ケンとの婚姻関係は今も否定(笑) ナオ親衛隊も健在!

トモは島内の連絡や島外から来た人々の案内をやっている。レイコとリュウは島で結婚し残った。リュウは学校村の村長をやっている。

先住さんは島の農業指導員として残った。サバイバル講義も好評だ。オダは帰島後発表した自殺島潜入レポがスギの著書に押されて振るわず。新たなネタを求めて奮闘中!

セイは狩りと島のガイドをしている。リヴの希望もあり生活拠点は入江の家に戻った。三人で幸せに暮らしている。

***感想・評価・考察***

8年間にわたる極限サバイバル作品が終了。森恒二さんの作品は『ホーリーランド』など人生観に影響を与える作品が特徴で10代にももっと読んでほしい作品です。