2019年5月に発売されたヤングジャンプで連載中『キングダム』54巻ネタバレあらすじまとめです。
王翦軍、満を持しての出陣!そして兵糧は最後の配給へ。飛信隊と玉鳳隊、それぞれの隊長が渾身の檄で士気を爆発させた二隊は、劣勢を跳ね返す進撃を見せる。それを合図に、王翦中央軍が出陣!本陣同士の激突はいよいよ目前に!一方、兵糧が足りない秦軍は、とうとう最後の配給を迎えてしまい…!?
目次
第581話 見える景色
第582話 最後の夜
第583話 十三日目
第584話 数十騎
第585話 雷獄
第586話 二突きの勝負
第587話 祈るのみ
第588話 右翼の本営
第589話 夜の出来事
第590話 攻め偏重
第591話 三大天の盾
本編あらすじ
第581話 見える景色
信からの魂の檄で息を吹き返した飛信隊。戦術なしの肉弾戦で趙軍に襲いかかる。干斗達歩兵が窮地に陥ると楚水の騎馬隊が援護し、騎馬隊が弓隊に狙われると崇原歩兵隊が助けに入った。信の檄に士気が上がりすぎて、隊形なく突っ込むも将校らはその中で連動して動いていたのだ。
干斗達に騎馬隊が襲いかかろうとするが、干斗達は落ちていた盾を拾い剛力を実施し、趙騎馬隊を吹き飛ばす。さらに松左が趙兵を刈り取る。松左はとっさの干斗達の剛力を評価し、見える景色が変わってきたなと語りかける。
干斗は十日以上戦って食い物も少なくフラフラのはずなのに、信の檄により今が一番体が動いていることに驚きを感じる。さらに視野も広くなり、昨日よりも戦場が広く見渡せるようになっていた。
松左は干斗に自分も見え方が変わったことはあるが、信はもっと上の景色を見ていて、信が見ている景色と同じものを見たいと飛信隊の隊員は思うようになったと話す。だが、信はさらに上を進むため、全く追いつかないと言う。そんな信が隊員に力を貸してくれと言った。「こんな状況下なのに…今が最強だ」
河了貂は押している状況を見て、ただの士気の高揚だけの力ではなく、いかに尭雲でもこの勢いは止められないはずと確信していた。しかし、体力的に限界は必ずあり、その分反動は大きいため、必ずこの日に戦果をあげる必要があると決意を新たにする。
尭雲は飛信隊の覚醒を見て、かつての六将の姿を重ね合わせていた。王翦軍の第一将・亜光を討ったことにより相手を見くびっていたと反省し、秦右軍は信と王賁の軍に変貌していると認識を改める。趙峩龍は虚を突かれたと言い、今玉鳳隊と飛信隊の勢いにぶつかりにいけば飲まれる恐れがあるため、二人の力を見直すため趙左翼全軍ひとまず後退していく。
河了貂は本来の右軍の目的は敵を撃破直進し、そこで王翦中央軍が前進し、李牧中央軍を挟撃することであり、このまま押し込めるところまで押し込んだら、似たような状況を作れる、十二日間一歩も動いていない王翦中央軍がようやく前に動き、決戦に向けて大局が動き出すと意気込む。
第582話 最後の夜
王翦本陣に右翼の大健闘が伝えられる。そして、王翦はついに朱海平原十二日目にして無傷の三万を進軍させる。玉鳳隊と飛信隊は十分に趙左翼を押しこんだところで、十二日目の戦いが終わる。
そして、最後の配給が始まる。最後の配給は信の考えで、各将校から手渡しとした。各将校は配給を渡すときに労いの言葉をかけていった。その言葉に兵士達は感動し涙を流す。古参の将校達には信がひとりひとり声をかけながら自ら配り、明日の趙軍撃破を誓う。「絶対李牧の首を取る!」
趙本陣では玉鳳隊と飛信隊が覚醒したことを認識する。しかし、李牧は趙左翼がまだ十分余力を残していること、兵糧がほぼ尽きていることから絶対的優位は揺るがないと豪語する。
第583話 十三日目
十二日目の夜、カイネは趙左翼に作戦を伝えた。尭雲はカイネを見ると、自分の主だった藺相如は、時々予言めいた夢を見ることがあったが、その力が稀にだが、自分にも現れるようになったと話す。そして、我々と同じように主を失うなよと助言をする。
それを聞いたカイネは李牧の死を予言されたことに気づき激昂する。カイネは私は絶対に李牧様を殺させないし、李牧様が討たれる前に自分が盾となる。万が一失えば後を追うと断言し、主を失ってのこのこ生きているお前らとは違うと吐き捨て、その場を去る。
一部始終を見守っていた馬南慈も尭雲に対して不快感を出すが、「そうならぬことを願っただけ」と尭雲は純粋にカイネを心配していた。尭雲はさらに藺相如に後を追うことは許されなかったが、全力でぶつかれる相手ができ、今は感謝していると語る。
そして、十三日目の戦いが始まる。昨日に引き続き、秦右軍の飛信隊と玉鳳隊は奮戦しており、趙左翼を押し込んでいた。王翦本陣では第三将の田里弥が王翦の側にいた。田里弥は今回、飛信隊と玉鳳隊が覚醒したからいいものを、それがなければ亜光を失った右軍は壊滅していたと危惧する。左軍蒙恬同様に王賁を右軍の将にすべきであったと考えていた。
そこに第四将の倉央が現れる。倉央は右軍が善戦しており、まずはよかったと語る。そして、王翦に飛信隊と玉鳳隊の覚醒がわかっていたのかと尋ねる。王翦は飛信隊の覚醒は分かっていたが、玉鳳隊は半分賭けであったと話す。
倉央はさらにこの覚醒した二軍で、このまま右の戦いはいけるかと尋ねると、そこまで簡単にはいかず、もう一山来ると言う。王翦は亜光を失った九日目は岳嬰ではなく、趙左翼の頭脳である趙峩龍を狙うべきだったと話す。倉央は右軍は山を越えられますかねと聞くと王翦は愚問だな、でなければ本隊を前には進めないと返す。
傅抵はカイネに作戦の内容を確認する。カイネは作戦は単純なもので、覚醒した二軍の内、一つを叩くというものであった。傅抵はそれは頭の悪い信かなと聞くと王賁だと答える。
朱海平原の戦い十三日目、衝撃が走る。
王賁が討たれてしまうのであった。
第584話 数十騎
秦右軍と趙左翼が激しくぶつかる。この日の秦右軍は左から飛信隊、亜光軍、玉鳳隊が布陣しており、飛信隊には尭雲、亜光軍には馬南慈、その後方に岳嬰軍、玉鳳隊には趙峩龍が相対していた。趙峩龍は王賁の右を狙い、厚めに攻撃を仕掛けようとすると、王賁は番陽を向かわせる。
飛信隊は尭雲軍と交戦していたが、尭雲本人は右に移動していく。飛信隊の右側にいた羌瘣が警戒するも、そこに岳嬰騎馬隊がぶつかってくる。そこで、羌瘣は連結剛力という剛力を複数繋ぎ合わせた技で騎馬隊を吹き飛ばす。
しかし、その間に信は尭雲の姿を見失ってしまったのだ。相手の狙いが急にわからなくなってしまった信。相手の狙いとは一体…。
実はこの時、尭雲三百騎を引き連れ、岳嬰軍の後方を通り、王賁を狙いに移動していたのだ。李牧からは飛信隊と玉鳳隊は戦果は同等なものの、人数が八千と五千で、五千の玉鳳隊の方が無理をしていること、本能型の信は尭雲の意図を読んでしまう恐れがあるため、尭雲に王賁を狙うよう指示が出ていた。
尭雲率いる三百機が玉鳳隊に近づいていく。玉鳳隊は警戒し、壁を作るものの、その三百機は朱海平原の中でも最強の武力を誇る尭雲直下の部隊『雷雲』であるため、易々と壁を破壊し中に入ってくる。危険性を察知した王賁は関常を呼ぼうとするが、すでに危険を察知して助けに来た関常が雷雲と交戦状態に入り、壮絶な潰し合いを繰り広げることになる。
そして、その乱戦場を避けるようにして回り込み、静かに王賁を狙う数十騎がいた。気づいたときにはすでに手遅れだった。それは雷雲の中でもさらに選び抜かれた『十槍』と呼ばれる最強戦士であり、その十槍のすぐ後ろには尭雲本人がいた。
第585話 雷獄
王賁本陣は尭雲率いる十槍の襲撃を受け、混乱状態に陥っていた。王賁の親衛隊は槍の達人であるものの、十槍の勢いを止めることができなかった。さらに尭雲が前に出ることにより、ついに王賁まで辿り着いてしまう。
王賁は尭雲と十槍三人に囲まれ、同時に四人を相手にすることになる。藺相如と尭雲が対六将相手に考え出された雷獄という陣形であった。雷獄は秦六将を討つために生み出された戦術であり、尭雲と雷雲十槍の囲いを受けて生きて外に出た人間は一人もいない必殺の戦術だった。
王賁親衛隊が助け出そうとするが、十槍に阻まれ近づくことさえできなかった。近くで雷雲と戦っていた関常は王賁の危機を察知し、助けに向かう。番陽も王賁の危険を察知し助けに向かおうとするが、趙峩龍に阻まれる。
第586話 二突きの勝負
関常に尭雲の矛が振り下ろされる。関常は辛うじて槍で受け止めるものの槍はへし折られ、関常の身体に衝撃が走り抜ける。意識を繋ぎ止めるとこで精一杯の状態。そこにさらに止めの一撃を振り下ろそうとした時、雷獄から抜け出したはずの王賁が戻り、尭雲に槍で突こうとする。尭雲はギリギリのところでかわす。
王賁はすでに腕の感覚がなくなってきており、全力で槍を突けるのも後二回だと感じていた。しかし、尭雲のみに集中して戦えるのであれば、紫伯を討ち取った槍で尭雲を倒せないはずはないと自負していた。
尭雲と王賁の矛と槍が交差する。王賁の全力の龍指は尭雲の右腕に突き刺さり、粉砕する。勝ちを確信した王賁は槍を引き抜き、尭雲に槍を突き刺そうとする。しかし、尭雲の右腕は粉砕されたにも関わらず、力が抜けておらず、王賁に矛を振り下ろす。
王賁はそれを槍で何とか受け止めるも、槍は折れ、王賁の意識は完全に飛び、馬から落ちる。関常は絶体絶命の危機に、何とか王賁を救い出せと言う指示を出す。関常はここで玉鳳隊が踏ん張ればまだ右翼には飛信隊が残っているため、壊滅しないと考えていた。
第587話 祈るのみ
尭雲率いる十槍と玉鳳隊の戦いが入り乱れる中、関常の部下の宮康と松琢は死を覚悟して王賁を助けようとする。宮康が身を盾にして敵の前に立ちはだかり、松琢は王賁をうしろに乗せて脱出しようとする。宮康は松琢に王賁は、命を投げ打ってでも助けるに値する方だと言い、王賁を託す。「あとは頼んだぞ兄弟」
宮康の腹に十槍の槍が貫通するが、最期の力を出し尽くすまで敵と戦い続けた。その甲斐もあり、王賁は何とか抜け出すことに成功したものの、宮康はその場で絶命する。
趙峩龍は尭雲の成功を確認すると、一旦隊を下げて隊列を整える。それを見た亜光軍は趙峩龍を警戒したため、右側が馬南慈に押し込まれる。一方、左側は飛信隊の奮戦の影響もあり勢いがあった。
日も暮れる頃、趙峩龍は早めに退却をし、十三日目の戦いが終わる。趙峩龍は王賁の死を確信していた。信はその夜、羌瘣を連れて王賁が眠る天幕を訪れる。そこでは王賁は何度も心臓が止まりそうになっており、生死の境を彷徨っていた。
信は泣き叫び、取り乱す番陽に対して、大丈夫だと言い聞かせる。そして、羌瘣は不思議な薬で傷を治すから任せておけと言う。さらに信は天幕を訪れた理由を王賁と明日どう趙左翼を撃退するか話に来たと語る。信はまだ諦めていなかったのである。朱海平原十三日目が終了する。朱海平原の戦いが終わるまで後二日。
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