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【マンガに、編集って必要ですか?】感想ネタバレ第3巻(最終回・最終話・結末)まとめ

​無料Web漫画くらげバンチに連載していた『マンガに、編集って必要ですか?』最終巻3巻の最終回(最終話)を含めた感想ネタバレまとめ。結末(ラスト)はいかに!?

仕事を放棄して失踪した担当編集者・坂本さんのマンガへの秘めたる思いと姿勢に触れ、2年ぶりにまた一緒に仕事をすると決めた中堅漫画家・佐木先生。2人にとって、悲願の新連載……その行方は――? マンガにとって重要なのは、ハートか、それとも数字か。業界の変革期に描き記される、等身大の漫画家物語、最終巻。

本編あらすじ

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ついに佐木の企画がとおり、連載が決定!連載開始までに認知拡大のためツイッターを提案される。仲の良く影響力ある漫画家をフォローすることを提案されるが、リプなどツイッター全般の使い方が全く分かっていない佐木は、坂本に見られたくないため「自由にやってみたいので坂本さん見ないでくれますか?」と話し了承する坂本。

2週間後、1日1ページ漫画をアップしているのに、フォロワー数2。佐木は時代についていけてないことにショックを受け「自分が変わらなければ」と言うが、坂本は「佐木先生は変わらなくていいんです!」と話す。坂本がツイッターを確認すると、佐木はボットをフォローしていた。。

連載開始一ヶ月前、ささやかながら居酒屋で打ち上げをおこなう二人。これまでを振り返りながら英気を養う。しかし…佐木にとって2年ぶりの連載。坂本にとって初めての立ち上げからの企画。ネーム約200ページ、完成原稿3話分、2人の新連載は上層部の判断によって突然お蔵入りになった。。。

コミック編集局長の徳井新之助の判断でのお蔵入り。千葉が理由を問うが、コミックZOOの看板作家である大岡忠が雑誌ペアレンツで、担当の編集(坂本)に逃げられるというひどい目に遭ったと聞いていた。新連載の担当がその編集(坂本)だと万が一、大岡先生の耳に入れば面倒との理由だった。

徳井は今のマンガ業界は一部のメガヒットに支えられている。大岡先生にヘソを曲げられたら他の作家も食い扶持を失う。一つの企画を潰すだけで多くの作家が救わる、これも漫画家ファーストだと話す。

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その頃、佐木の自宅では、妻のあずみが仕事部屋にいた。あずみは普段めったに仕事部屋に来ないので、動揺する佐木。机には通帳があり「どうすんの?」と問われる。

預金を確認しに来たのかと思われたが、ネームの話だった。漫画に興味がないあずみが読んでも面白いネーム。せっかく書いたのにこのまま世に出さないままでいいのかという意味だった。その後、偶然にも編集の坂本の写真を見たあずみは「そのコに会わせて」と突然言い出すのだった。

実は坂本とあずみは昔からの知り合いだった。一バンドマン時代のあずみと、15歳当時の坂本の不思議な縁。当時の坂本は「クソムシが」「さてはアンチだなオメー」「マルクスもケインズもぶっ飛んだよ」「もう二度とウンコできないねぇ」「キンキンに冷えてやがるっ…!」など会話が全部漫画のセリフで答えるほどの漫画バカだったことが明かされる。

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佐木は妻あずみ(配偶者枠)と2人で寄稿家交流会に参加。大御所の大岡先生と徳井局長も参加していた。佐木は作品を読んだ上での判断だとして自分を納得させていたが、千葉から徳井局長は新連載のネームを読んでいないことを知らされる。作品史上主義の佐木にとって、作品を無視した理不尽な結果に平静ではいられなかった。

そのとき自宅待機を命じられていたはずの坂本が、無視して交流会に参加しにきた。久しぶりの再会に喜ぶあずみと坂本。あずみは立派に編集の仕事をして面白いマンガを作った坂本を褒めるが、坂本は「もう編集の仕事はできないと思う」と語り、「このタイミングしかないんです。お蔵入りを撤回してもらいます」と言いながら壇上に向かう。

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壇上では徳井局長がスピーチしており、出版不況と言われて久しい昨今、編集者が最も大切にすべきものは『作品が持つ力』と力説する。駆け出しの頃に過去5年間分のボツ原稿の中にダイヤの原石である大岡先生の作品を発見したとエピソードを語る。いまだに大岡先生の作品は繰り返し読んでいると話す。

坂本はスピーチをしている最中の壇上に上がる。会場がざわめく中、「作品が持つ力が最も大事だと言うなら、せめて読んでから判断してほしい」と訴えかける。それに対して徳井局長は「今の私は場所を作る仕事をしている。漫画家と編集者が安心して活動できる場所を成り立たせることで作品が持つ力を守っている。」と語る。

万事休すかと思われたが、佐木も壇上に上がる。何を言うかと思われたが、マンガのセリフをそらんじ始めた。二人一緒になって言葉を紡ぐ。

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マンガをつくるのには途方もない時間がかかり、それを読むのは一瞬。しかし、その一瞬を何十万、何百万という読者からもっているとすれば、この1ページはどれだけの人生をもらっていることになるのだろう

それを聞いた徳井は「マンガのセリフかな?情熱は感じるが、ちとクサいね」と莫迦にするが、それを聞いた大岡が「それ僕のマンガのセリフだね」とこぼし場が凍りつく。大岡の作品は全て読んでいると豪語していたのは嘘だった…。

この件が原因か定かではないが、徳井新之助はまもなくコミック編集局局長の座を退くことになった。しかし、佐木小次郎のお蔵は覆らなかった。…そして坂本のその後を誰も知らない。完結。

 ***感想・評価・考察***

漫画家と編集の関係性を主軸にした職業漫画。編集者が主人公の漫画は多く、アニメ化された作品もある。『働きマン』『重版出来』『こんな編集者と寝てはいけない』『ミリオンジョー』『書いて欲しけりゃコレを喰え』が揃っている。これらの名作に負けず劣らず本作も面白い。ギャグ的な要素はなく笑える漫画ではないが、リアリティを追求した面白い&考えさせられるマンガだと言えます。こういう漫画をもっと読みたい。

本作では漫画に編集者はいるのか、いらないのかという疑問を主軸にしながら、現代の漫画家事情に触れられている。本作には様々な価値観の漫画家と編集者が登場し、数字至上主義と作品至上主義の価値観がぶつかり合うのも見所の一つ。

漫画家にとってウェブという新しい表現場所が確立されたこと、スマホでの漫画アプリができたことで読者層の拡大など、漫画家にとってプラスになったと思う人もいるかもしれないが、依然として肉体的・精神的・金銭的にも厳しい現状は変わらないとも言われている。そうした現代に生きる漫画家の葛藤が本作から伝わってきた。

第1巻第1話で「売れなければ2~3巻で打ち切られてしまう」とのセリフがあるが、本作が3巻で終わったのはアンチテーゼ的な意味があるのか邪推してしまう。出版不況と呼ばれ、面白くても単行本が売れなければ早々に打ち切りが決定する時代になり、漫画の読者としても歯痒い思いをした作品は多い。一方で、私自身いつもコミックではなく、電子書籍キンドルで買っているので複雑でした。。作者の次回作に期待したいです。