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【進撃の巨人】感想ネタバレ第4巻まとめ

別冊少年マガジンで連載中の『進撃の巨人』感想ネタバレ第4巻まとめ

進撃の巨人(4) (講談社コミックス)

進撃の巨人(4) (講談社コミックス)

 

巨人がすべてを支配する世界。ウォール・ローゼの外壁に空いた穴を修復するため「巨人化したエレンが巨大な岩で穴を塞ぐ」という作戦が開始される。人類の存亡を懸け巨人化したエレンだったが、自我を失い暴走してしまう。エレンはアルミンの必死の問いかけにも反応せず……。 

目次

第14話 原初的欲求
第15話 個々
第16話 必要
第17話 武力幻想
第18話 今、何をすべきか

本編あらすじ

第14話 原初的欲求

岩を運んで壁の穴を塞ぐはずの巨人エレンは昏倒したまま。イアン・リコ・ミタビを始めとする精鋭班はエレン護衛のため周囲の巨人と戦闘中。ミカサがエレンをアルミンに託し、精鋭班に合流しました。アルミンの必死の呼びかけに応えてエレンは目を覚まします。

門の穴から巨人の増援、このままではキリがありません。精鋭班が次々と巨人に食われていきます。そこへ後方から地響き。エレンが岩を担いで門へ向かっています!「エレンを扉まで援護すれば!僕らの勝ちだ!」

エレンは大岩を担いでいるため戦えません。群がる巨人を引き剥がして倒すのは精鋭班の役目ですが、巨人たちは精鋭班に目もくれずエレンの方へ向かいます。やはりエレンは強烈な巨人誘引フェロモンを発しているようです。やむなく巨人に徒歩で接近し釣ろうと試みるミタビ班。自殺行為ですが、これしかエレンを守る方法が残っていません。残った班員たちもそれに続きます。

今回覚醒したエレンは人間としての意識があるようで、ミカサやアルミンのことを認識し、「そんなところ歩いてたら巨人の餌食に…」と状況判断も的確です。これは今までの巨人エレンとは大きな違いです。最初の巨人化ではとにかく周囲の巨人を殺すだけでした。二回目はミカサめがけて3度拳を振り抜き、説得にも応じませんでした。今回はちゃんと人間としての目的を忘れず、思考能力も保たれています。これなら立派な戦力になりそうです。

エレンは一歩また一歩と門へ近づいていきます。その横で犠牲になる班員たち。指揮官のイアン班長も死にました。行く手を阻む最後の巨人、リコが目を潰しミカサが後方からうなじを掻っ切ります。もうゴールは目の前!

「皆…死んだ甲斐があったな…」岩で門を塞いだエレンの姿に涙を浮かべるリコ。このわずか数分、たった一度の勝利のために、数十人いた精鋭班は壊滅です。それでも人類が初めて手にした勝利、まぎれもなく歴史の転換点でした。

巨人エレンは役目を終えて力尽き座り込んでいます。まだ周囲には巨人が残っており、急いで脱出しなければなりません。エレン本体の切り離しに手間取っている間に、2体の巨人に接近を許してしまいました。ミカサも間に合いません。

もう駄目だと思った瞬間、上空からつむじ風が現れ、2体の巨人を一瞬で斬り伏せます。人間とは思えない動き。その背中には調査兵団の旗印、自由の翼…出征から急遽引き返したリヴァイ兵長その人でした。どうやら並の巨人では大岩を動かすことはできないようで、ここにトロスト区奪還作戦は終了、人類は初めて巨人の侵攻を阻止する快挙を成し遂げたのでした。

第15話個々

847年。作中ではシガンシナ区壊滅から2年後、エレンが訓練兵団を卒業する3年ほど前。農地の開墾に従事するエレンとミカサ。周囲の大人曰く「今年訓練兵を受ける年」だそうで、この発言から兵士としての訓練がおよそ3年間だと分かります。

訓練兵団に入団した初っ端の「通過儀礼」の様子、104期生たちの初々しい様子が描かれています。もっとも、2年間にシガンシナ区で地獄を見た者たちはすでに通過儀礼が必要ないほどの面構えになっていますが…。

サシャが教官の前でイモを食べている。教官に呼ばれても構わずにイモを食べ続けるサシャ!教官はあまりの出来事に呆然とし、なぜイモを食べるのかわからないという体です。サシャもなぜイモを食べることが疑問なのかわからない、冷める前に食べるのが当然だろという様子で、全く噛みあっていません。しばしの沈黙の後、サシャは何かを察した様子。チッと舌打ちをすると、イモを2つに割り、片方を教官へ差し出しました…。

結果として5時間以上ぶっ通しでマラソンさせられることになった上、今日の食事が抜きになったサシャを見ながら班員たちはディナータイム。シガンシナ壊滅の「あの日」の話になります。実際にあの日を経験したのはエレンやミカサなど一部だけで、他の地区の子たちはエレンの話に興味津津。結構呑気です。

ジャンはこの時からすでにエレンとは対立を始めます。調査兵団志望なんて正気か?怯えながら勇敢気取りやがってと露悪的な物言い。エレンも挑発されて頭にきたようですが、ここはジャンが折れて自分は単に正直なだけで、エレンを否定するつもりはないと謝罪。ポンと互いの手を叩いて丸く収めました。ディナータイム終了で、それぞれ部屋に戻ります。

とその時ジャンの前をミカサが通り過ぎますが、ジャンは思わず呼び止めます。よっぽど可愛かったんでしょうね。「あ…あぁ、えっと…見慣れない顔立ちだと思ってな…つい…」「すまない…とても綺麗な黒髪だ…」ミカサはハーフですが東洋人で、この世界では珍しいのです。立ち去るミカサの後ろ姿をみつめるジャン。完全に一目惚れです。

が、ミカサが歩み寄っていくのはエレンのところ。ジャンが褒めたばかりの黒髪も「訓練に邪魔だから切れ」と言います。ミカサもエレンが言うなら…といった感じで髪を切ることに同意。こんな様子を見せつけられたら誰でもダークネスな気分になると思いますが、ジャンは殊更のようで、先程エレンとタッチを交わした右手をコニーのシャツでズリィィィィと拭います。異性絡みの嫉妬という分かりやすいファクターでエレンを憎むようになったジャン。

ここで分かったのはトロスト区戦のジャンのセリフ「こんなことなら…いっそ言っておけば…」夜遅くまで走らされたサシャ。さすがにフラフラです。走ったことより晩飯を食べてない事が原因のようですが。

空腹と疲労で路上に倒れこむサシャ。そこへパンと水を持って現れたのはクリスタ・レンズ!「神様!」と感謝するサシャですが、そこへ近づいたのはソバカス顔の訓練兵女子。クリスタのやってることは偽善でイラつくというような事を言いながらも、サシャは都合よく利用できそうだと判断。貸しを作って恩を売ろうと考えます。

翌朝の訓練。腰からロープでぶら下がりバランスを取るテストです。これによって立体機動の適性を見るのだとか。ミカサとサシャは余裕の表情で難なくクリア。コニーとジャンも若干ぎこちないながらも無難にOK。エレンはというと、いきなり脳天から真っ逆さまで宙吊り。教官には何をやってると怒鳴られる始末。同期には指をさして笑われ、ジャンは愉快そうな顔で見つめ、アルミンとミカサはドン引き。さっそく開拓地へ送り返されるのか、エレン!

第16話 必要

適性検査で無様な姿を晒したエレンは放課後にミカサをアルミンに手伝ってもらって特訓です。アドバイスを受け、今度こそできる気がする!→できないというお約束の展開。地面に頭を強打し、脳震盪を起こして担ぎ込まれる始末です。

ミカサは現実的に、エレンは兵士を目指すべきじゃないと言います。生産者として人類を支える、それも戦いなのだと。兵士になれるかどうかを決めるのはエレンではなく、上層部の判断。辛うじて姿勢制御できる程度の腕前では無駄死するだけ。ミカサはエレンと一緒に開拓地へ戻ると言い、自分と離れる心配はしなくていいと言いますが…エレンと離れたくないのはミカサの方なんですよね。

宿舎に戻り、エレンは姿勢制御のコツを同期に聞いて回りますが、誰に聞いてもパッとした答えは返って来ません。ぶら下がるのはコツがいるとは思えない、感じろとしか言えないと。ロープでバランスを取るのは、例えば水に浮くとか片足で立つとか、そういう感覚的なことなのでしょうか。

ここでライナーとベルトルトの過去が少し明らかになります。二人は同郷で、巨人に壊滅させられた村の生き残り。ベルトルトは憲兵団の特権階級が目的と言いながらも自分の弱さと向きあおうとし、ライナーはなんとしても故郷へ帰りたいという譲れない願いを語って、エレンと打ち解けます。

翌日。最後の試験です。ここで達成できなければ開拓地へ送還。エレンは「根性だけは誰にも負けねぇ!」と気合で姿勢を制御!しかし、グルンと反転して墜落。教官はすぐにエレンを降ろせと言います。茫然とするエレン。教官はエレンの装備を交換するように指示、すると今度は難なく姿勢制御に成功しました。

原因はエレンの装備が故障していたことでした。とにかくエレンは合格、これで開拓地へ戻らずに済みました。同期の方へ目をやり、「どうだミカサ!やったぞ!オレはやれる!」と内心訴えるエレン。

アルミンもそれを感じて嬉しそう。なのにミカサはそれを否定して「いや違う。これで私と離れずにすんだと思って安心してる…」え?アルミンやライナーが思わずぎょっとします。なにいってんのこいつ…ちょ、この子ってヤバい系?っていう顔です。ミカサがところどころエレンの内心を偏執的な解釈でねじ曲げる様子が見られますね。怖いです。

教官の独白「グリシャ…今日お前の息子が…兵士になったぞ」教官とエレンのパパは知り合い以上の関係のようです。

第17話 武力幻想

入団から2年経過しています。エレン達は14歳になっている。相変わらず訓練が続いています。対人格闘の訓練をするエレンとライナー。エレンは巨人と戦うのに対人格闘なんて役に立たないと不満気ですが、ライナーは大人でした。

相手が何でどんなに不利な状況でも兵士として逃げてはいけない状況があること。大砲でも格闘術でも使いこなして力をつけることが兵士の責任なのだと。エレンは己の未熟な考えを恥じまず。頼れるアニキ分、ライナー!この落ち着き、本当に14歳なんでしょうか?ダブった先輩だったりして。

訓練中、手を抜いて軽く流しているアニを見つけたエレンとライナー。不まじめな同期生をこらしめてやろうとちょっかいを出します。エレンがつっかかりますがアニの鋭いローキックで文字通り一蹴。地面を舐めます。リトライするもまるで相手にならず、宙を舞うエレン。ライナーも思わず冷や汗です。

やめときゃよかった…なんでこいつに手を出したんだろオレ…みたいな顔。次はあんただろと睨まれて「イ、イヤ…俺は…」もう完全に腰が引けてます。「兵士には引けない状況がある今がそうだ」ライナー、決意の表情!どこまで粘れるか!?

一瞬で沈んでしまいました。アニは蹴り技を父親から習ったそうですが、そんな技術はどうでもいいと言います。目指すのは成績上位になって内地の特権を得ることであり、立派な兵士ではない。点数にならない科目は流し、点数の高い訓練に注力する。要領よく立ちまわるのが賢いのだと。アニは続けて心境を吐露します。

「父は現実離れした理想に酔いしれてばかりいた…」「幼い私は心底くだらないと思いながらもこの無意味な技の習得を強いる父に逆らえなかった…」「私はもうこれ以上このくだらない世界で兵士ごっこに興じれるほどバカになれない」

2年経ってもジャンとエレンは事あるごとに小競り合いを起こしているようです。ジャンはまだミカサ絡みでエレンに嫉妬してます。エレンは感情を発散するのではなく技術をもって相手を制圧するのが兵士だと気づき、アニから受けた蹴り技を見様見真似でジャンに仕掛けます。

ジャンは宙を舞い、背中から地面に落下。エレンはこれが痛い目にあって学んだ技術だと言います。そこへ教官が来たため乱闘は収まります。ミカサのとっさの機転で誰もおとがめを受けずに済んだようです。

エレンは「危なかったなジャン。つまんねえケンカで憲兵団を逃す所だった」と笑顔。どうやらエレンはジャンが憲兵団に行くのを邪魔するつもりはなく、本当に憎んだり疎んじているわけではなさそうです。翌日からジャンはエレンに一泡ふかしたいがために、格闘訓練を熱心にこなすようになります。

エレンはアニに尋ねます。「しかしどうだオレの蹴り技は?見よう見まねだがうまく決まったよな」「は…全然駄目まったくなってない」アニは笑顔…とまでは言えないまでも、いつもより柔らかい表情で答えます。

「何だよ…どこが悪いっていうんだ?」「そんなにこの技が気に入ったんなら」ここでフッと一息、かすかな笑み。「教えてやってもいいけど?」顔を上げてエレンを見るアニ。「え?やだよ足蹴られんの痛いし」

二人の間に乾いた風が吹きます。赤っ恥かかされたアニ。「遠慮なんかしなくていいって」すでに氷の表情に戻っています。結局空中を舞うことになるエレンでした。

第18話 今、何をすべきか

引き続き、訓練期間の回想です。104期訓練同期の人物像が端的に紹介されます。今回その中で深く描かれたのはマルコ。試験中であっても実戦を想定し役割分担を頭に描きながら行動していたそうです。そんな彼をエレンやサシャは信頼し、人を褒めなさそうなジャンでさえマルコの班に入りたいと言います。

一方で、マルコはジャンのほうが指揮官に向いていると考えているようでした。その理由を語ろうとした時、場面は850年の現在に戻ってきます。トロスト区奪還作戦の後です。そこで遺体回収に従事するジャンは、右半身がなくなったマルコの遺体を発見します。街中にハエが群がり、至る所に未回収の遺体が転がるまさに地獄絵図。

一方でサシャは巨人の遺物、ペリットを発見します。巨人は胃で溶かした人間の骨や服を固めて吐き出しているようなのです。アニは転がる遺体のひとつひとつにごめんなさいと謝っています。

遺体の焚き上げ…燃え盛る炎を前に、ジャンはマルコの言葉を思い出しています。曰く、ジャンは強い人ではないから、弱い人の気持ちが理解できると。そして現状把握に優れ、今何をすべきかが明確にわかっている。だから指揮役に向いているのだと。

今何をすべきか。ジャンも本当はわかっている。けれどエレンのような強い意志を持てずにいて、だからこそ露悪的に振る舞うしかなかったのでしょう。しかし仲間の死を目の当たりにし、彼はとうとう為すべきことをはっきりと自覚します。「オレは決めたぞオレは…オレは…調査兵団になる」ジャンが自らの本心と向きあった末の結論なのか、一時の感傷に酔ったのか、まだ明確な答えはありません。

場面変わってベッドの上のエレン。対するは調査兵団の団長・エルヴィンとリヴァイ兵長。トロスト区奪還から3日の間、エレンは眠りっぱなしだったようです。巨人化とはそこまで体力を奪うものなのでしょうか。ベッドは地下牢の中にありました。憲兵団がエレンの身柄を拘束し、調査兵団の二人は面会に訪れたという形のようです。

ミカサやアルミンの証言から、エレンの生家の地下室に巨人の秘密があることがすでに伝わっています。その実現にはエレンの巨人化能力が必要になるため、エレンの自発的な協力が不可欠だと彼らは考えているようです。エレンは調査兵団への入団を希望し、リヴァイがその場で承諾。リヴァイが監視役としてつくことで上層部を納得させるつもりのようです。ここから地下室の謎をめぐる道程が始まります。