漫画百科事典

漫画好きによる漫画好きの為の漫画情報サイトです。

【キングダム】感想ネタバレ第25巻まとめ

【キングダム】感想ネタバレ第25巻まとめ

キングダム 25 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

キングダム 25 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

  • 作者:原泰久
  • 発売日: 2012/08/24
  • メディア: Kindle版
 

突如超大国の楚が秦に侵攻を始める。防衛線を破られそうになったがそこに王騎の後を継いだ騰将軍が現れ、なんとか防衛線を封鎖することに成功する。一方の飛信隊も対楚の戦場に向っていたが、途中魏軍が秦に侵攻しているのを発見する。王都・咸陽では魏の他にも趙、燕、韓、斉も侵攻中との急報が・・・。

目次

第262話 超大国の侵攻
第263話 想像の埒外
第264話 迫り来る合従軍
第265話 外交の仕事
第266話 因縁の子
第267話 詰んだ盤面
第268話 一堂に会す
第269話 戦国四君
第270話 函谷関終結
第271話 開戦の口火
第272話 麃公突貫

本編あらすじ

楚が侵攻してきたという報せを受け、戦慄が走る政や文官たち。一方前線では、あらかじめ楚の怪しい動きに備え南部防衛を任されていた"蒙武"、"張唐(ちょうとう)"の2将軍が、秦国南部の防衛線の位置へ急いでいた。楚軍より早く到着せねば本格的に侵攻されてしまうという状況の中、現実的には楚軍が防衛線を抜ける方が確実に早いという見通しに蒙武や張唐が焦っていた頃、南虎塁付近であらかじめ張っていた王騎残党軍・騰の隊が楚軍の前に立ちはだかる。5万人の楚軍に対し、5千人の騰軍だったが、今は一刻をかせぐことが何より重要だと騰は楚軍へ向かって行く。「五千で五万が止まるかよ」と項翼が目前の秦軍に戦いを挑む。項翼に白麗は王騎残党軍の精兵に苦戦する。楚軍が苦戦する中、臨武君は王騎残党軍の同金軍長を一撃で撲殺する。

 

その頃、信たちも楚軍侵攻の報を受け、対戦の地へ向かっていた。しかし、その道中で10万を超える"魏"の大軍を目撃する。急いで対魏の防衛拠点の城へ向かうと、すでに城は落とされた後。信たちは、"国が侵攻される"という恐怖を肌で感じ始める‥‥。虐殺された捕虜の多さに部将の去蓋は「何人殺されたんだ」と青ざめる。「間に合わなくてスマネェ。それに今はお前らを埋葬してやるヒマもねェ。」と信。

 

そして咸陽では、続々と新しい情報が寄せられていた。秦都・咸陽に剛陵城から周辺一帯の城が次々と落ちていると急報が入る。聴政殿にいる高官達は軒並み動揺する。タイミング的にみて、"楚"と"魏"が連動していることは間違いなく、更に"趙"が侵入してきたという報が入り、政は、これは三国が同盟を組み合った"三国連合軍"だと身構える。李牧の名を聞いた大王とトップ3はあいつならやりかねないと値踏みする。

 

その時、更なる急報が入り、"燕"12万の軍、続いて"韓"5万の軍の侵入が確認された。加えて"斉"も大軍を興し、現在趙を通過して西に向かう気配あり、という報せまでが入り、事を察した首脳陣全員の顔から血の気が引いた。三国連合軍どころか、これは、敵一国に対して複数の国が盟を結び興される連合軍・"合従軍(がっしょうぐん)"だった。

 

過去に一度だけ合従軍が起きた。―今からおよそ四十年前、当時の超大国だった東の“斉”の暴威を止めるべく秦も含めた六国が合従軍を起こし、総大将は燕の軍神・楽毅が見事に纏め上げて“斉”に攻め入った。

 

中華の国全てが秦一国を滅ぼすために侵攻してきたのである。秦の中枢を担う臣たちの殆どは絶望し、もはや放心状態に。昌平君と昌文君だけが対応策を講じ汗をかいていた。脱け殻のように思考を止めていた臣下たちに対し、政は檄を飛ばす。ここ中枢にいる30人ほどが国の命運を握っており、ここにいる者だけが対処を講じられるのだと。絶対に諦めずに戦うぞ、と叫ぶ政に、呂氏派の臣下までもが戦意を取り戻すのだった。

 

軍総司令・昌平君は、最悪の状況下の中、策を講じ始める。まずは唯一まだ秦へ侵攻してきていない"斉"に目を付け、現在も外交で東に遠征していた呂氏四柱・蔡沢に"斉の合従軍離脱"を斉王に交渉するよう、託す。「儂がまだ東に張っておいてよかったのお」笑いつつ斉に向かう。蔡択は「斉王はクセが強く読みづらい所があるから分からん」。王は「この会見のために斉軍の足を緩めている」この軍を動かすのも貴様の話し次第と早速脅す。「斉王様は李牧に一体いくらで買われました」「蔡択よ。結局“戦争”など所詮、大金を手にするための“仕事”だろうがよ。」「ゆえに一体いくらかと聞いている」得た秦の土地・人・金品をそれぞれの出した軍の規模で割って分配すると明かす。蔡択は「秦全土から分配されたと想定して利益の概算の倍を約束する」とこちらもふっかける。王が条件を聞けば、蔡択は合従離脱だけと言う。そして蔡沢は交渉を見事成立させる。

 

一方、前線の信たちは、10万の魏軍に対し1万ほどの軍で応戦している麃公将軍を目撃する。対する魏軍の総大将は、かつて麃公が討ち取った呉慶将軍の息子・呉鳳明(ごほうめい)。飛信隊は麃公の援護に入り、魏軍と戦う。総大将の鳳明に撤退しますかと聞くが、呉鳳明はもっと面白いことをやろうと本陣を動かす。丘陵の上から貂が魏軍を見ると、本陣が退却せずに魏軍の中央に動こうとしていた。妙な陣形を取り始めた魏軍に策略の臭いを嗅ぎ取った麃公は、一旦退がるように指揮。かわされた呉鳳明は流動力術はこれが始めてなのにと思いつつ、「これを見抜ける者は李牧くらいだからな」。この日は両軍とも仕切り直しとなった。

 

飛信隊が麃公軍に加勢し、麃公将軍の戦い方は理屈じゃない、王騎将軍も認める本能型の大将軍だからと戦っている。呉鳳明率いる魏軍との戦が4日目となった頃、李牧率いる趙軍が呉鳳明のもとに訪ねてくる。李牧は「すばやい侵攻に努めるのが合従軍の約束だったはず」と問い返す。合従軍の起案者は貴方でも我等が従属してるわけではない、この軍のことをとやかく言われる筋合いはないと鳳明が釘を刺す。これにより、戦はここで中断され、遠方に上がった砂塵に気づいた麃公は退却した。

 

その頃、咸陽で連日連夜策を講じ合っていた昌平君らは、やっとわずかばかり光明を感じることができる策を考えつく。相国は模擬戦の結果を聞くと、百戦中秦軍二十勝に合従軍八十勝だと答える。 相国は二割の勝率に賭けとしては十分に成立すると昌平君を褒める。名だたる武将全員を咸陽に呼び集め、その唯一の作戦を伝令した。中華一の"不落の城"と呼ばれる咸陽は、周囲を山岳に囲まれる"天然の要塞"。咸陽に至るためには、大道をふさぐ"国門・函谷関(かんこくかん)"を越えなければならない。

 

此度の唯一の作戦とは、秦軍の各将・各軍を集結させ、"函谷関を死守すること"それのみであった。蒙驁、蒙武、桓騎、王翦、張唐、騰、麃公の7名を招集。信たちをはじめ、蒙恬・王賁らも函谷関の前へ集結。合従軍五十万に対して我等は貴公らの力を結集して戦う総力戦で対抗する、失敗すれば中華から秦が消えると覚悟を示してから作戦を発表。

 

そして合従軍が函谷関の前に到着。オルドが李牧へ合従軍のあとで戦うことになるあんたと共に戦えることが心底うれしいと言い出す。オルドは合従軍結成を言い出したのが、列国が注目するあんたが言ったことだからと答える。春申君はオルドに作戦指導は参謀の李牧が終始行う、俺はお前らのけつを蹴る役だけと言う。

 

入り口に戸惑う桓騎に張唐が元野党は何も知らんのだなと言って、桓騎に角が立つ。張唐がここ咸陽は山岳に囲まれた天然の要塞で中華一不落といわれた理由は咸陽に至るための大道をふさぐ国門があるからだと説明する。それぐらいは知っていると桓騎は答える。国門・函谷関に到着した飛信隊。その異様に圧倒されるみんな。軍師の貂が咸陽の城壁でもこの半分の高さしかないと言う。

 

右丞相・昌平君が蒙武に配置的にお前に一番血を流すので済まないとわびる。それに蒙武は望むところだと一言で応諾する。蒙武が合従軍とはお前らしくなくぬかったなと友として会話を切り出す。昌平君は俺の落ち度と素直に過失を認める。

 

合従軍が咸陽まで迫る。その戦塵の気配と風聞は後宮にまで届いた。女官達はいつでも逃げられるように荷作りにあわただしくなっていた。大王の子を宿す向ちゃんが走る女官にぶつかった。お腹をぶつけそうに倒れるが、お腹を手で庇い、おでこをうった。おでこから血が出る。

 

◉合従軍総大将:楚軍・春申君(しゅんしんくん)
◉合従軍参謀役:趙軍・李牧(りぼく)

●楚軍(15万)・・・総大将:汗明(かんめい)
●趙軍(12万)・・・総大将:李牧
●燕軍(12万)・・・総大将:オルド
●魏軍(10万)・・・総大将:呉鳳明(ごほうめい)
●韓軍(5万)・・・総大将:成恢(せいかい)

これらを迎え撃つ秦軍の布陣は、

●函谷関配属(対魏・韓)・・・蒙驁、張唐、桓騎
●函谷関右(対楚))・・・騰(3万)、蒙武(6万)※玉鳳隊・楽華隊
●函谷関右奥(対趙)・・・麃公(4万)※飛信隊
●函谷関左(対燕)・・・王翦(7万)

 

敵は燕軍十二万の王翦軍。燕将オルドは敵将・王翦に興味を抱く。斥候から王翦の後ろの山々が函谷関の横裏側にいけると見定める。飛信隊は麃公軍に、玉鳳・楽華隊は騰・蒙武の連合軍に配属された。楚軍総大将・汗明が開戦の号令をかけ始めた。

「楚軍総大将汗明より全楚兵に告ぐ!!我ら楚軍は今度の合従軍の盟主也。この大戦の栄えある開戦の一刃を楚軍が承った!」「この戦はァ深く歴史に刻まれること間違いない。 この大戦の口火を切る誉れ高き者は我が絶大なる信頼を得る第一の猛将・臨武君貴様だァ!!」「我が名は楚の金剛石・臨武君! この壮大な戦の幕を開ける者である。」「地を揺るがすのは誰か!?」 

 

「突撃じゃァ」麃公将軍が突撃の号令をかけ、大戦の口火を切ったのは飛信隊属する麃公軍!こうして紀元前241年、合従軍対秦軍・函谷関攻防戦が開戦した。右翼全軍が山を降りていく。遅れて部下達も続き、飛信隊も突撃するが麃公に誰も追いつけない。迎撃するのは李白軍六万。趙軍が盾を並べるも麃公軍はもろともせずに趙軍に突入する。信は乱戦で死なないように貂に離れるように命じる。ついていけないのを悔しく思うが、分析して指示するために貂が後方に下がっていく。死ぬなと祈る貂。