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【食糧人類】感想ネタバレ第7巻(最終回・最終話・結末)まとめ

2016年からeヤングマガジンで連載中の『食糧人類』の最終巻7巻に収録予定の最終回(最終話)を含めた最新話を含む感想ネタバレまとめ。結末(ラスト)はいかに!?

7巻までのあらすじ

ついにカマキリ巨大生物が施設を出て人類を捕食し始めてしまった。旺盛な食欲から人類の滅亡は確実。山引が導き出した禁断の策は、ナツネの増殖!?謎の行動に隠された真実とは…。そして伊江たちは、新人類の暴走を食い止めることができるのか!?

ナツネの背中から大量の赤ん坊が生まれる。ナツネは苦しそうだが、山引は子供を産んで恍惚の表情。その子供たちは一瞬で成長し、ナツネになる。流動こそが生物の本質だと語る山引。山引はなおもナツネを齧り続けると、ついには背中だけでなく全身から子供が生まれる。

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自分の顔までも子供の分身にとられ、最後は上半身がなくなってしまった。(子供を産むためには自分の組織を分けなければいけなかった様子。産みすぎてしまい、自分を維持できないほどになってしまった…不死身と思われた山引だが、ついに死亡!?)

クイーンのいる部屋に行く大量のナツネ。触手が鋭利な刃物のようにスパスパとナツネ達を切断する。そして殺されたナツネから、また新しいナツネが生まれる。歓喜の声をあげるクイーン。その声が聞こえたかのように、カマキリ巨大生物が世界各国から集まり始める。

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施設を覆い隠すほどの大量の巨大生物が集結。伊江たちがいる部屋にも侵入してきて和泉所長と花島副所長の死体が食べられる。隠れている三人は遂に見つかってしまったと思われたが、間一髪のところで共喰いのおかげで助かった。

施設の外でも壮絶な共喰いが始まっている。施設内部ではナツネが巨大生物に食べられているが、それを閉じ込めようと言い始めた小倉。

施設に全世界から大量の巨大生物がさらに集結。

その生き物(クイーン)は思っていた。「これでイイ」と。この増殖種(ナツネ)さえ手に入れば我々の種は滅ばずに済む。絶滅の回避こそ我々の悲願。そのために母星を棄て、この星に来たのだ。

これでイイ。おそらくこの施設に入り切れない個体たちは共喰いを始めるだろう。それを承知で皆をここに集めたのだ。世界中に散らばる人間を食いつくし共倒れするより一旦、人類の個体数を元のレベルまで回復させたほうが良い。

小倉は巨大生物と一緒にナツネを地下に閉じ込めようと言うが、未来永劫カマキリ巨大生物に喰われ続けなければいけないナツメにそんなことはできないと伊江は言う。

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ナツネを短い時間でも友達だと言う伊江は扉を閉めることに反対する。しかしナツネが自分の体を切り裂いて身体を増やして自ら地下に赴き延々と喰われ続けているのは、自分を犠牲にしてこうなる流れを見越して奴らが人類を食い尽くすのを止めたいと小倉は言う。閉じ込めるのがナツネや山引の意志だと。

苦悩する伊江。だがナツネがカメラに向かって「閉めろ」と言っているのを理解した伊江は、意を決してボタンを押して扉を閉める。そのときナツネの唇は「じゃあ…またな…」と動いた。

施設を出る三人。大変なのは施設を出てからだった。眼前に伸びる死体の山。死体で舗装された山道をただひたすら歩くのだ。死体には蛆・ゴキブリ等が湧き悪臭を放ち、またキツネ・ネズミ・アナグマ・タヌキ等野生動物の餌食となっていた。

そして時に死体に溜まったガスが噴出し地雷になった。ナツネの幻影を見る伊江、ナツネを置き去りにできないと言い施設に戻ろうとするが…。

…三年後。伊江とカズは一緒に暮らしている。カズは中毒症状が抜けている模様。

世の中は着実に復興を遂げている。あの一連の事件で世界中の40%の人が死んでヨーロッパでは「ペストの再来」と呼ばれているらしい。あれほどの大災害にもかかわらず沈静化したと思ったらなんの躊躇も無く機械的に復興が始まる。それ自体は悪いこととは思わない。思わないけど…。

小倉はゆりかごでの一部始終を本にまとめて大ブレイク。テレビ・ラジオ・雑誌でその姿を見ない人はないほど時の人になっていた。

伊江は家に戻ったら家族は全員行方不明だったため学校を辞めた。カズも同じだったため一緒に住み始めた。高校に行くだけの余裕もないため働いて暮らしを支えあっている二人。

あの大規模な惨事があったため爆発的な需要があった特殊清掃の仕事に就いた。ナツネはいまだに施設の地下で喰われ続けており、そのことに負い目を感じている伊江。伊江は心の中で地獄の釜の蓋(施設の地下の扉)を開けようかと考えている。

値段の高いリンゴを買うか悩むカズ。最近の伊江は酒をたくさん飲んでおり伊江の体調を心配する。自宅に戻ると「ごめんなさい。探さないでください。当面の生活費を置いて行きます」と書かれた置手紙があった。

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ゆりかごの建物があった場所で一生懸命に地面を掘っている伊江。どこかの軍隊が巨大生物と一緒に地上の建物を吹き飛ばして地下の施設は土砂で覆われてしまっていた。早くナツネ君助けなきゃ…と呟きながら一人で雨の中を歩くが、力尽きて気を失ってしまう。気がつくと目の前に現れたのはナツネ!?果たして本物のナツネなのか?幻影なのか!?

伊江は、ナツネと山引と自分の3人で月夜の草原を笑いながら歩く夢を見ていた。気がつくと肩を抱えられてナツネと一緒に歩いていた。自分たちだけ逃げたことを泣きながら謝罪する伊江。巨大生物から逃げてきたのかと尋ねると「アイツ等は根絶やしにした」と衝撃の告白をするナツネ。プリオン病について知っているか質問する。

例えばその内の一つ牛海綿状脳症、通称「狂牛病」。1986年イギリスで発見されたこの病気は牛が発症すると痙攣を起こし立てなくなる。脳がスポンジ状になるんだ。人間もプリオン病に感染することはある。狂牛病の場合、原因は牛の飼料に混ぜた牛肉や牛骨を粉状に砕いたいわゆる肉骨粉。つまり「共喰い」。

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神経細胞に多く存在するたんぱく質で構成された正常なプリオンに何らかの理由で変化した異常プリオンが体内に侵入しくっつく。異常プリオンと統合された正常プリオンは異常化し、その数を増やしつつニューロンを破壊し脳を穴だらけにして個体は死に至る。強いストレスを受けながら再生を繰り返す俺には異常プリオンが発生し易いだろう。そう思って個体の数を増やし奴らのエサとなった。

案の定いくつかの個体に異常プリオンが発生。奴らは何世代にも渡って異常プリオンを摂取し続ける。数世代に亘って蓄積されて異常プリオンがある日爆発してジ・エンドです。奴らは更にその死体を食べますからね。あとは死体がネズミ算式に増えるのを待てばイイんです。もっと時間がかかると思ってましたが意外と短時間で済みました。

そう答えるのは山引。山引も生きていた。今までどこにいたのか質問すると「強いて言うなら私はナツネの中に、ナツネは私の中にいました」と言い、お互い痛い思いをしましたねと苦笑いする。「永い時間痛いのをガマンできたら」という言葉の意味を理解した伊江。

一緒に暮らそうと提案する伊江だが「一つの場所に定住するのはもったいない」と断る山引と「お母さんが知らない子と遊んじゃいけないと言ってた」と断るナツネ。

気がつくと目の前にカズが来ていた。

全ては夢かと思われたが、ふとベンチを見てみると…。

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バス来たぞ。一緒に帰ろう。

***感想・評価・考察***

ついに完結しました食糧人類。しかし、油断はできません。『アポカリプスの砦』のように最終巻となる第7巻のコミックでは、オリジナルのエピローグ的なものが追加で描かれるかもしれません。

アポカリプスの砦はゾンビ漫画でしたが、今回は地球外生命体の物語。どちらも甲乙つけがたいほど面白い展開でした。次回作を楽しみにしたいと思います。