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【高校球児ザワさん】感想ネタバレ第12巻(最終回・最終話・結末)まとめ

2008年から2013年までビッグコミックスピリッツで連載していた『高校球児ザワさん』の最終巻12巻の最終回(最終話)を含めた感想ネタバレまとめです。結末(ラスト)はいかに!?

まずこの表紙がいい。ザワさんの髪が長い姿は可愛い。いつもユニフォーム姿が多いザワさんですが、女子高生らしい格好になっています。ボーイッシュな見た目も魅力ですが本当は美人なんです。

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コーチから六大学野球で女子選手が出場している記事を見させられるザワさん。日本高校野球連盟のルールで高校野球の公式戦に出場できないが、六大学野球では女子でも出場できることを知る。大学でも野球を続けたいと語り、将来の事を考えて予備校に通い始める。その一方で、土日は女子硬式野球のクラブチームに顔を出すようになって、女子の野球友達が出来て少し嬉しそうにしていた。

一方、野球部エースだった都澤耕治(ザワさんの兄)は鉄道研究会のみんなと高校生活最後の思い出を作るべく最初で最後の旅に出る。この旅行が終われば球団の寮に入らなければいけない耕治。車掌(本名:深掘)が向かいの電車を見ながら「あんな風にクタクタのサラリーマンになっても、また鉄道の話が出来るといいですな」の言葉が胸に沁みます。

11巻のネタバレはコチラ

都澤耕治の卒業式。卒業アルバムを見る野球部は、髪を伸ばすと誰が誰だかわからないと語る。高校日本代表の海外遠征が重なり野球部とは一緒に映っていない耕治だが、生物研究会、コンピューター部、鉄道研究会には映っている。グラウンドでは見たことがないエースの笑顔がそこにあった。

都澤耕治らが卒業していき、ついにザワさんも三年生に。新入生も入部してくる。11巻かけて2年進みましたが、ここからは一気に展開が進みます。 

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野球部主将の花村晃仁は元彼女と一緒に帰っている。これも青春ですな。

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部に専念すると決めてからのザワさんは、球拾いや球出しなど練習の手伝いに徹することが増えた。「好きなんだよトンボかけるの」の台詞と表情から、野球をしたい気持ちを完全に捨てて部のために貢献する心構えになってしまったんだと感じた。これまでどこかで諦めきれなかった気持ちを遂に捨てたように思える。

ザワさんが家に帰って食事をしているとテレビから兄の耕治のニュースが流れる。ドラフト一位で入団した高卒ルーキーとして早くも2軍戦で初勝利。幸先のいいスタートを切っている。「私も早く何かを見つけなければと思う」

そしてザワさんの代の夏が始まるが…その結果に関しては何も書かれていない。私の想像の中では甲子園に行けなかったと想像している。前年度は絶対的エース都澤耕治を擁するワンマンチームで甲子園に出場できたが、西東京大会は全国屈指の激戦区。ドラフト候補レベルの選手がいない限りは勝てないだろう。

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その後、受験はというと東大に現役合格した模様。すごい…。偏差値は低い高校だったので、おそらく史上初なのか!?という快挙でしょう。

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ザワさんは野球の恰好をして合格発表を見に行って、その足でそのまま大学の練習に参加させてもらったらしい。しかも何故かド金髪で!(花粉症のためマスク着用)完結。

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最終巻のタイトルページでは数年後らしき結婚式の写真が。8巻のタイトルページで書かれていたのはザワさんの結婚式だった!?

日践学院高校硬式野球部の野球部メンバーが集結しており、一種の同窓会のようになっています。最初、新婦側の女性がザワさんだとわからなかった。気になる結婚相手はホクロの位置からして1巻と11巻に登場した岡山文大附属高校の山崎。山崎は岡山県予選の決勝で自身のミスにより甲子園出場が叶わなかった。

これまで花村がザワさんを気にしたり、先輩の長谷川とキスしたり、他校の野球部・六合村(くにむら)と付き合っているようなシーンもありましたが(ザワさん本人は彼氏ではないと否定)…まさかの展開。二人はどうやって出会ったのか、どうして付き合い始めて結婚するに至ったのかが気になるところです。というか完全に父親が娘を嫁に出す気分です。悲しい。

ビッグコミックスピリッツで唯一楽しみにしていた独特な世界観をもった漫画。高校野球というタイトルがついているが、本作は試合などのスポコン漫画ではなく青春漫画。

当初はフェチすぎる漫画で有名になったが、後半はそこまでザワさんにスポットを当てていない回が増え「あなたの青春はいつでしたか?」と心の内部に問いかけてくるようなノスタルジックな内容になったと感じた。四十代が読んだら青春時代を呼び起こしてくれると思う。

どこの高校にもあった野球部だからこその共感が生まれる。野球部としての視線だけでなく、卒業生、在校生、帰宅部など様々な目線から描かれており、野球部という共通テーマを通じて自身の青春を振り返ることができ、共感することができる。ザワさんの夏の終わりが自分自身にとっての夏の終わりに感じた。

季節は夏、家の縁側でヒグラシの鳴き声を聞きながら夕暮れに読みたい。誰しもがあった青春時代に感情移入してしまうのが魅力の漫画です。 続編に期待。